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夜は深く、静まり返った展望室にはまだ明かりが灯る。自身より大きなダンベルを全身で持ち上げながらスクワットをする後ろ姿をちらりと盗み見て、まだこいつは寝ないのかと小さく息を吐く。そしてそれに付き合い私もまた、脳内で腕立て伏せのカウントを再開させた。
「まだ寝ないなら、しばらく見張りよろしくね」
先程様子を見に来たナミは、交代制の見張りが本来自分の番であるためか、ちゃっかりと舌を見せてラッキー!と言わんばかりに笑うと、私たちに手を振り船内へと去っていった。
それから数十分といったところか。寡黙にトレーニングに励むのは良いけれど、さすがに私もそろそろ限界がきていた。無理に付き合ったせいで腕立て伏せで虐めた腕は微かに震えていて、明日は筋肉痛になるなぁ、とぼんやり考えると少しだけ嫌気がさした。
夕飯の後から長々と続いたトレーニングのせいでベタついた身体は不快感そのもので、一向に終わる気配のない背後のスクワットに痺れを切らすと、先にお暇させてもらおうと、声をかけずにもう一度彼の背中に視線を送る。
綱梯子をゆっくりと降りながら、疲れた身体を癒し汗を流すべく、大浴場へと足を向けた。
彼らが眠ったこの船は、昼間の喧騒が嘘のように波の音だけを運び続ける。脱いだ服を適当にカゴに放り入れ、ひたりとまだ湿る床を歩いた。
私はこの時間が好きだ。みんな眠ったあとの、この静かな大浴場が。こんな素敵な眺めを独り占めに、ゆっくりと入浴ができるなんて昔は夢にも思わなかった。
シャワーのつまみをひねり、お気に入りのボディソープで身体を洗う。ふわりと柔らかな泡が肌を包みながら、ほんのりと甘い香りを漂わせた。
「ふぅ……」
優しい香りに包まれていきながら、その泡を太腿へはわせようとすると、背後にぞわりと気配を感じて身を固める。
振り向くより早く声を上げたのは、あいつで。
「背中、流せねぇんじゃねえのか?」
「な、あんた……」
反射的に身を屈め、顔だけで視線を向ければ、不敵な笑みを浮かべながらゾロが入り口に寄りかかっていた。
「なにしに……」
「風呂だよ」
ここに来る目的は一つであることはわかっている。けれどつい、隠しきれない動揺で質問を投げかければ、それには当たり前の返答。
私のことなど気にも留めず服に手をかけると、先程までのトレーニングで汗ばんだ肌にまとわりつく衣服を鬱陶しそうに床へ落とす。
私とは対照的に恥じらうという意味すら知らなさそうな彼は、脱ぎ捨てた衣類をそのままに、裸体を隠すことなくこちらへ歩み寄ってくる。
「……いつも入らないじゃん」
「お生憎様、今日は風呂の気分だ」
ひたり、と厚い胸板を私の背中に押し付けると、囲うように腕を蛇口へと回す。
逃げ場がないとわかって尚憎まれ口を叩くけれど、私が身体を洗うことなどお構いなしに、更に身を寄せシャワーを開栓させる。
びたびたと音をたてながら降り注ぐお湯に、ふぅと背後で息をつく男はいつまで私とこの距離感を保つつもりなのか。
自分が汗の匂いを払ったばかりだからだろうか。頻繁にシャワーを浴びることのないゾロの体臭が、いつもより強く香る。
密接しすぎている胸板を背中で押し返せば、片手を腹に回して、逆の行動で彼はそれに応える。離れろって意味なんですけど。
「風呂何日ぶりだよ、シャワーしたってにおうんだけど」
「うるせえな、これから洗うんだよ」
言いながらも離れる様子はなく、一通りお湯を浴びた後シャワーの栓を閉めると、器用に片手で私のボディソープのボトルを数プッシュする。そして、それを原液のまま私の身体になすりつけた。
「っぅわ、なっ……にすんだよ……」
ベッタリとついた原液を、まるでローションのようにぬらぬらと伸ばす手のひらを制止して睨みつければ、「泡立ててんだよ」と当たり前のように言い放つ。お前はバカか?
言い出せば聞かない性格だということはもう嫌というほどわかりきっている。言い返す時間すら無駄であると、仕方なく先程流したばかりのボディタオルを慌てて手に取り、塗りたくられたボディソープをすくいあげるようにそれになすりつけていく。
何をしてやってんだか、と呆れながら手元で膨らむ泡を確認すると、這わされたままの手のひらに無理やりボディタオルを包ませ握らせた。
「ほら」
「洗ってくれんじゃねェのか」
「はぁ?……なんであたしがそこまで……」
ため息をつきながら吐き出せば、その言葉を遮るようにして彼が言う。
「お前が舐めるんだから、お前が洗った方が安心だろ」
平然と後ろで響く声。彼の手に握らせたはずのボディタオルは、そのままの状態で私の手のひらに帰ってくる。
恥じらう方がバカバカしい。小さく舌打ちをすると、諦めながら当てつけのように、未だ腹に置かれたままのゾロ手を乱暴に振りほどいた。
「動くなよ」
「あぁ」
仁王立ちするゾロに向き合うと、ボディタオルを身体に滑らせ、少し力を込めて擦りあげる。普通まずは背中向けるだろ、先に前洗わせるか。などと心の中で悪態をつきながら、言いつけを守っているのか肩幅に開かれた足は微動だにせず、優しい香りを漂わせた泡に大きな身体は包み込まれていく。
鍛えられた肉体はいつも見慣れているはずなのに。やらされている行為のせいか、弾けた泡の隙間からみえる彼の乳首に無性に気恥しさが立ち込めて目を逸らした。私の方先にが欲情するだなんて、悔しいことあるか。
無反応の下半身にそっと触れると、微かに力を込めたのたのか、ぴくりと肌が揺れた。
「……耐えてる?」
「黙って触んなよダァホ」
照れ隠しなのか、少しだけ声を荒らげたのが面白くて笑えば、先程まで余裕に構えていた彼は途端にバツが悪そうに視線を逸らす。
ボディタオルから泡をすくいとって、そっとそれに触る。意地悪く「洗いますよ」と声をかけ直すものの、一度逸らした視線は未だこちらを向くことはない。
先端の皮をゆっくりめくりあげながら、あまり刺激しないよう手早く泡をなでつける。変に意識しないように、させないように。
2、3度擦り上げると、次はその後ろへと手を突っ込んだ。股の間にそっと手を這わせ、ぶら下がる袋を優しく指先で洗う。
ちらり、と顔色を伺うように視線を上げてみるものの、何一つ変わらない態度が、今度は逆に腹立たしかった。
私が身体を触っているというのに、私の裸体を目前にしているというのに。無反応だなんて、あまりにも。
意識させないようにとあんなにも気をつけていたはずなのに、気付けば妙な意地が込み上げてきて、もう一度竿を握り直すと今度はゆっくりと、事の始まりを思わせる手つきでそれを扱きあげた。
ゆっくり根元から撫で上げて、硬さを確かめるように指先を遊ばせる。ゆるく強弱をつけながら、時折先端をくるりといじめてみる。
何度かそれを続けていけば、モノは徐々に形を変えていった。
「お前からそんなことしてくれるとはな」
勃たせてやろう、なんてつい変な意地で集中しすぎたせいか。頭上から降ってきた言葉に慌てて顔をあげ、半分ほど雄を帯びたそれを手放し「ちが、」と反射的に声を上げてみても、言い訳するにはもう遅すぎる。
先程までゾロの上半身についていた泡は、すっかり湯気でその姿を変えてしまっていて、自分が今しがたしていた行為のせいなのか、濡れた肌が異様に厭らしく見えた。
「俺も背中を流してやらねぇとな」
どこか嬉しそうに口端をあげて微笑むゾロは、強引に私の手首を掴み取った
。同時に引き上げられれば、屈めていた身体は元通り彼の胸に収まる。最初そうしていたように、胸板を背中に押し付けられると、私の手から奪い取ったボディタオルから泡を搾り取り、ゾロはそれを床へ放った。
密着しているのは同じはずなのに、尻にあたる硬い熱に自業自得だと反省しながら、これからの色事に期待する身体が火照りを加速させていく。
何も言われずゆるりと腹に乗せられた泡を目の当たりにしながら、遠慮することもなく登ってくる彼の手をただ見つめることしか出来なかった。
手のひらは身体全体を撫で付けるように泡を広げていく。しかし時間の経ったそれは、もう泡とはいえないほどに水気を帯びていて、肌を包むことはなく伝って流れていく。
感触を楽しむように何往復か繰り返すと、大きな指先が胸の膨らみにくいこんだ。
「んっ」
思わず肩を震わせ、鼻から声が抜けていく。やわやわと全体を揉みしだきながら、手のひらで先をくりくりと捏ね回されると、びくりと震わせた腰に先程より明らかに質量を増したモノがこすれた。熱い感触に腰を引こうとたじろぐと、逃がさんと言わんばかりにまた身を寄せられ、尻の谷間でモノを扱くように背後でゾロが動きはじめた。
「んっ……も、やめ……」
「洗ってんだよ」
羞恥心から否定の声をあげれば、やられたことをしているまで、と言いたげに、反論されてしまう。
刺激することを止めることはなく、先端をわざとらしく虐められるたび、震える声を漏らしながら、行き場のない指先でゾロの腕を強く掴んだ。
「さっきまではっ……私を見たっ、て……反応もしてなかったくせに……んんっ……」
思い出したように背後の彼を見上げて抵抗してみせても、それすらこの男を愉しませるだけなのだろう。
ボディソープが着いていることなど構うことなく見上げた顎を掴まれると、獣のようにがぶりと私の唇に食らいついた。
貪るようなキスはあまりにも捕食的で、荒くなった鼻息に彼がひどく興奮していることを知らされる。
蕩けそうになるほど長い口づけを受け止めるのに精一杯で、止まない愛撫は私をどんどん蝕んでいく。
「お前が反応しねぇのに、俺だけおったたせてるなんてみっともねぇことあるか」
くちゅ、と音を鳴らして唇を離すと、ゾロは言った。回らない思考回路で「なんだそれ、我慢してたのかよ」と強気に振舞ってみても、彼の顔には既に雌の顔になりきった私しか写っていないことは明白だった。
「……そうだな、我慢してやった。だから舐めろ。」
腰を抱いて向かい合わせにさせられると、口淫することをもう一度強請った。今日はもしかすると最初からそれが目的だったのかということに気付く。ゾロはいつだってストレートに物を要求してくることを失念していた、とでも言おうか。
「最初から今日は舐めさせる気だったな……?」
「だから最初から言ってんだろうが」
「でも、やだ。いっかい、いかせて……」
強請られるなら私だって強請ればいい。私より少し高い首に腕を回して、もうどうしようもなく止まらない欲求に一度区切りをつけてくれ、と懇願して唇を重ねる。
開いた咥内に熱い舌がうねりこみ、舌先を擽ってからすぐに逃げていく。
「ダメだ。……早くしろ」
自分で言うのもなんだが、こんなにも素直にならない私が珍しく素直に懇願してやったというのに。作戦は失敗。笑うゾロを恨めしくじとりと見つめて、疼く腹の底に苛立ちを覚えながら、わざとらしく瞳を覗き込んで舌打ちしてやった。
余裕があるものとばかり思っていたのに、早くしろと囁いた声は切な気で、もしかしてめちゃくちゃ溜まってんじゃないか、なんてつい、前回こいつとまぐわったのはいつだったか思い返してしまった。
仕方なくしゃがみ込んだ目の前、苦しそうに張り詰めたその先に、そっと口付けをする。そして、それをゆっくりと、ねっとりと、咥内へと飲み込んでいく。
「……っ、……」
1度だけ声を上げて、長く息を吐きながらゾロは顔を上げる。私の頬に添えた手の、少しふやけた親指でおでこを撫でられた。
咥内のそれを、ぐるりと舌で1周すると、じんわりとした苦味でボディソープをまだ流していなかったことを思い出した。
ぐじゅり、と浴室に水音を響かせながら、すぼめた唇からモノをゆっくり出して、そして飲み込む。繰り返しながら、添えた手で根元をぬらりと扱いてやれば、光悦とした表情を浮かべながら私を見つめるゾロと目が合った。
「……どこにかけてほしい?」
意地悪く呟きながら、もう一度親指で私のおでこを撫で付けると、答える隙も与えないまま、後ろ頭を掴まれ無理やり腰を当て付けられた。
突然の苦しさに嗚咽を上げながら逃げようとするも、後頭部を掴んだ手がそれを許さない。
2、3度喉の奥を抉られ、再び腰を引いたところで、またやって来る苦しさに耐えきれず彼の横尻を引っぱたいた。
「……ッば……おぇ……ばかじゃ、ないの……怒るよ……」
「怒ってんじゃねーか」
「うるせーよ!」
バチン!と派手な音を立て、間一髪で逃げ切るも、まったく反省する気配も無い態度にもう1発平手を入れてやりたくなる。
ゾロは笑い声すらあげながら私をまた引き起こし、おもむろに壁に手を尽かされると、ぐにゅり、と自身の先端を私へ宛てがう。
「ムードもへったくれもねぇ……」
「同感だ」
言いながら、ぐりぐりと押し込められる熱に喉を鳴らす。求めていた快楽がまた波となり押し寄せて、戻りかけた理性をかき消すようだった。
「っ……んん……」
仰け反った腰を捕まえて後ろから覆いかぶさったゾロは、耳を舌先で擽り囁く。
「欲しかったんだろ」
いつも反論は言葉にならない。というより、させてもらえない。
くちゅくちゅと耳を口淫されながら、両胸の先をくにくにと刺激されれば、崩れ落ちそうになる手に力を込めることしか出来なくなる。食いしばった歯の奥から鼻にかかった息が漏れだして、それは喘ぎとなって吐き出された。
欲しかったものの意味を理解して、咄嗟に先程のおねだりを思い出した。小刻みな腰の打ち付けは奥を何度も甘く突き上げて、絶頂の波を引き寄せる。
身体全身を弄ばれれば、どうしようもない快感が頭の中を支配していく。
「ぁ、あ……っ……く、……ぃく……ッ……」
待ち侘びていた快楽に腰を震わせ脱力しそうになるも、腹に腕を回され立つことを強要される。
「次は俺の番だろ」
達したばかりの内壁がひくつきながらゾロを締め上げる。言い聞かせるように囁いてから、先程までの小刻みなものとは正反対に強く腰を打ち付けられた。
休む間もなくやってきた刺激はあまりに大きく、中を擦りあげられる熱で全身が溶けそうだった。がつがつと揺さぶられながらされるがままに、息継ぎをするだけで精一杯だと唇を開くと、出てくるのはみっともない喘ぎだけ。
吐いた息はすべて甘ったるく変わり、声を堪えたところでそれはあまり意味がなく、浴室の水音と共に反響する。
敏感になった場所を責め立てられれば、次の波がやってくるのはそう遠くもない。
「まっ、……ぁ、だめ、ま、また……イぐ……、ッむり……」
「……勝手に、いっとけ……ッ……」
抱きつかれた背後から、揺れたピアスがチャリチャリとぶつかる音がした。首筋に顔を埋めたゾロは、そこに唇を這わせてキスを落とす。けれど肩の感覚など感じる隙もないほどに苦しく、そして、彼に溺れていた。
びくびくと震えながら、乱れた息を整えようとしても、獣の動きはまだ止まることを知らない。
「……はぁ、あっ……んぅッ……」
時折つく緩急だけが呼吸をするタイミングで、縋るように合わせれば、肌のあたる音と喘ぎは重なっていく。
しかしそんなこと考える隙もないほどに、もう何も考える余裕など残ってはいなかった。
「くッ……イイぜ……」
呟くように漏らして抱きつく身を起こすと、両手でがっしりと腰を持たれる。もはや立つこともできない身体は浴槽の縁に手をついて、まるでその様は動物の交尾そのもののようで。
強く充てられた奥をぐりぐりと先端で押し上げられれば、思わず悲鳴に近い涙声があがった。
「……だ、だめ、……ッ、むり、……むり……んんんッ……!」
休むことなく責め立てられたせいだ。びたびたと時折内腿を伝う生暖かい感覚に、悔しさと涙が滲む。止まらない快楽が恨めしく、辞めて欲しいのにまた絶頂を欲してしまう。
別に求めていたわけではないけれど、柄にもなく慰めるように背中に落とされた唇が優しくて、更に拳を強く握った。
「……出すぞッ……」
「……まッ……も、もっかい、……いく……いっちゃぅ……!」
殆ど聞き取れないほど乱れた呼吸で伝えれば、荒々しい腰使いは微かに緩やかになり、促すように中を刺激した。私の好きなところまで、ゾロには何もかも知り尽くされている。求めていた刺激を貰えれば、背中を逸らしてそれを受け入れた。
「あー……いくっ、いくいく……んんんッ……」
うわ言のように零しながら絶頂に震えていれば、いつの間にか激しさを増したゾロが苦しそうに唸った。
そして、震えた中の熱と共に腹の奥に欲情が放出されていく。やっと解放された快楽から、少しでも酸素を取り戻そうと息をめいいっぱい吸っては吐いた。
存分に放出し終えたのか、まだ質量の残るそれをずるり、と引き抜いてゾロは私の隣に腰掛けた。
同時に崩れ落ちながら、視線をあげて、まだ話すことが出来ないかわりに隣の男を睨みつけた。
「……そう怒るなって……ハァ……まさか、吹くとはな……」
もはや恥じらう余裕も残ってはいないけれど、あっけらかんと話す姿に腹が立って力無い腕を持ち上げ隣の太ももを引っぱたいた。
「……ハァ、……うるせえ……」
「なんだよ、事実だろーが」
「二度と……やるな……苦し……」
早くも呼吸の乱れなど収まったゾロは、いつも通りに言い放つ。相も変わらず私はまだ息をするのがやっとで、本当にこの男のタフさには敵わない。
「……また見てえ、と言ったら?」
「……マジで……ゾロくんやめよ……」
心の底から萎えきった声を出す私を、さぞ楽しそうにハハハ!と豪快に笑うと、手桶を手に取り浴槽のお湯を自身の身体に掛けた。
「俺は出るぞ、今日は良く寝れそうだ」
「そりゃ良かったね!」
未だに浴槽にへばりつく私を尻目に手早く着替えを済ませると、立てかけていた刀を定位置に差し込む。
1度だけこちらを振り向いて「なまえ、悪くなかっぜ」と言い残すと彼は浴室を後にした。
ようやく整ってきた呼吸をもう少し落ち着かせながら、それは彼なりの「良かった」という表現だと知る私は、誰にも見られてないのをいい事に、すこし頬を緩ませた。
*
「なまえ、あんた……その服しばらくやめた方がいいわよ。」
「え、なん…………あ、」
「案外ガキっぽいことすんのねー。キスマークなんて、久しぶりに見たわ。」
「……クソ……あいつ……」