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例えば、掃除当番の仕事をサボって友達とだべりまくっていたとして、「じゃあ帰るわ」と先に帰宅した友達を見送ったあと、何も手をつけていない掃除に絶望したとして。
やっと掃除が終わった頃、ちょうど運動部も部活終わりの時間だったと、して。
まあ。お察しの通り、例えなどではなくすべて事実なんですが。
不意に待ち伏せた校門で、宍戸がテニス部レギュラー陣と楽しそうに話しながら歩いてくるのを見つけて、つい、身を隠してしまう。
向日あたりに「しおらしいところもあるんだな」なんてくだらない揶揄を受けるのは絶対に避けたい。
バカの宍戸はすぐ頬を赤くしながら私のことを一緒になってからかうだろう。そんなことになったら、まあ私もやり返すんだけども。
「あーあ」
なんであと少しだから、なんて待っちゃったかな。テニス部レギュラー陣たち、そして宍戸の背中をこっそりと見送って声をあげた。
じわりと浮かぶつまらなさと、帰路が交わらないよう遠回りの道を選んで進む。明るい夕焼けの奥は既に暗くて、帰宅する頃にはもう晩ごはんの時間だろうとため息をついた。
グラウンドで居残り自主練をする彼等は、一体何時に晩ごはんを食べるのだろう、とかどうでもいいことをぼんやり考えた。
つま先に転がる石ころをローファーの先で転がした時、突然肩を掴まれ、私の亀のような歩みは止められる。
「……ッおい……!」
振り向いた先には、肩で息をする宍戸が辛そうに横っ腹を抑えて身をかがめていた。
「……ハァ、さすがに……この距離の全力疾走はクるぜ……」
はー、と大きく息をして額の汗を拭うけれど、次から次へと汗はじわりと額に滲む。
目を丸くしてその姿をぼんやり見ていれば、「いくぞ」と宍戸は私の前を歩き出す。あんたの家も、そっちじゃないじゃん。
「……気付いてたの?」
「たりめーだろ」
いつも通りを装って話す声は、思うより機嫌が良さそうで。うれしかったのかな、と力が抜けて頬が緩む。
絡めた指を、めずらしく振りほどくこともせずにかるく握り返してくれたのは、知り合いの目がないおかげだろうか。
「宍戸も遠回りなっちゃうよ」
「……女が1人で暗くなって歩いてたら、あぶねーだろ」
そっぽを向きながら話す宍戸を覗き込んで、へへへ、と堪えることなくにやけると、ちらりと横目で私を見遣り肩を押される。
「メシでも食ってっちまうかあ?」
「さすがに怒られない?」
「マクド決定だな」
「聞いてないし」
暗闇に向かって歩く私たちは、夜を照らして肩を寄せ合う。柄じゃないこともしてみるもんだ。
掃除当番もたまには悪くないかも、と、右手の温もりにいつまでもにやけながら遠回りの帰路を歩く。