風の裁定者(ネタバレありの短編集)
シオン「きれいにしてるな。」
シン「毎日掃除してますから。」
カケル「そういえばこのことテンカイさんに言いましたか?」
シオン「報告した。いいって言ってたから大丈夫だ。」
シン「それなら大丈夫ですね!」
カケル(以外に豪雨でよかったな。)
それは数十分前の出来事だった。
シオン「急げ!風邪ひくぞ!!」
カケル「は、はい!!」
これはある日のこと……
シオンとカケルはプリズミック討伐をしている時……
突然雨が降ってしまい急いで屋根があるところに避難した。
シオン「びっくりしたな。」
カケル「まさか降るなんて思いませんでしたよ。天気予報では今日一日中晴れると言ってたんですが……」
シオン「やむまで待つしかないな。」
カケル「そうですよね。」
不運にも二人はここで雨宿りするしかなかったのだ。
シオン「すごい豪雨だな。」
カケル「歩いたらものすごいことになりますね……」
ついてないなぁとため息をするカケル。
「あれは……」
そこに傘を差した一人の男がこちらへ向かってきた。
「こんなところで何してるんですか?」
カケル「シンさん?!」
シオン「シンか。今雨宿りをしてるんだ。」
シン「雨宿りですか……」
カケル「ここしか雨をすごすところがなくて……トホホ……」
シン「それは大変ですよ!!」
シオン「仕方ないさ。今プリズミックが暴れている情報がないだけいい。」
シン「確かにそうですよね。こんな雨の中討伐するの大変ですし……」
カケル「ほんとにさっきのプリズミックですべて討伐できてよかったですよ。」
シン「ほんとにご苦労様です。」
シオン「そういえばシンは今まで何やってたんだ?」
シン「俺はすこしここから離れた場所でプリズミック退治を……」
カケル「シンさんもお疲れ様です。」
お互いに励ましあった。
シンはふと何かを思いつく。
シン「そういえばこのあと二人は何か用事はありますか?」
シオン「ないな。報告書を書かないといけないが……それ以外はないな。」
カケル「また報告書は書けますしね。」
シン「よかった。もしよければ家に来ませんか?」
カケル&シオン「え?」
という感じで二人はシンの家……というかアパートの中のシンの部屋にやってきたのだった。
シオン「シン。何か手伝うことはないか?」
シン「二人はお客さんですから!」
ほら!と机の前に誘導するシン。
シン「ここに座ってください!」
シンはそういい台所へ向かうと何かを準備し始めた。
シオン「落ち着かないな。」
カケル「わかりますよね。俺も落ち着きません。」
シオン「……少しシンのところへ行ってくるよ。」
カケル「行ってらしゃい。」
(あんなにそわそわしたシオンさん初めて見た。
カケルはそう思いながら気長に待つことにした。
シン「シオンさん?」
シオン「すまない。少し緊張してるらしい。」
シン(シオンさんが俺の家で緊張?!正直こっちも緊張してる……)
「そんなに緊張しなくてもいいです……どこにでもある普通のアパートなので……」
シンも緊張してるらしい。
カケルはシオンとシンが生き別れした兄弟が数年ぶりに会ったが何を話していいか分からずにお互い緊張してるように見えたのだった。
シオン「これ運んでくよ。」
シン「大丈夫ですよ。シオンさんはゆっくりしてください。」
カケル「仲いいなぁ……」
シオン「カケル?何か言ったか?」
シン「どうしたんですか?」
カケル「こう……ボーっと見ると二人って兄弟みたいだなって感じただけです。」
シン「俺とシオンさんって似てるんですね!」
シンは嬉しそうに言う。
シオン「俺とシンは似ているのか?」
カケル「雰囲気が似てるんですよね。なんとなくですけど。」
シオン「そうなのか。そういってもらえると嬉しいな。」
シン「そうですよね。俺もそういってもらえると嬉しいです!あ、お茶入れてきました!それと和菓子もどうぞ。」
カケル「おぉ?!」
カケルはおいしそうな和菓子をみて思わず声を出してしまった。
カケル「おいしそうです!食べてもいいんですか?」
シン「どうぞ!」
カケル「いただきます!!」
カケルはどれにしようか悩んでいた。
シオン「これは前に言っていた親戚の従兄弟が営んでいる和菓子か?」
シン「そうです!こうやっておくってもらえるんです。それだけでありがたいことですよね。自分で食べきれない量を送ってもらったときは少し困りますが……」
シオン「その気持ちはわかるな。」
カケル「シンさん!!これおいしいです!」
カケルはもう和菓子をほおばっていた。
シン「それは練りきりといって全部あんこでできてるらしいです。」
シンはかりんとう饅頭を食べながら説明した。
カケル「シンさん詳しいですね。」
シン「その店が六年前から住まわせてもらっている家の近くにあるので色々とお世話になりますし……俺が甘いものが好きなので買いに行ったりと…」
シオン「へぇ…なるほど……」
シオンはお茶を飲みながら話を聞いていた。
カケル「あれ?シオンさんは食べないんですか?」
シオン「甘いものが苦手だからな。それにしてもこのお茶おいしいな…」
シン「これは煎茶です!これも送ってもらいました。」
シオン「煎茶か……あったまるな。」
シン「ですよね。このお茶も和菓子ともあいますし……」
三人はお互い話で盛り上がっていた。
カケル「……ことがあって大変でした……」
シン「お疲れ様ですね……?雨が……」
シンは窓の外をみると雨がやんでいた。
シオン「ほんとだな。」
シン「やんでよかったですね。」
シオン「そうだな。シン。今日はいろいろとありがとな。」
カケル「ありがとうございます!」
シン「こちらこそありがとうございます!楽しかったです!」
シオン「また機会があったらよってもいいか?」
シン「はい!いつでも大丈夫です!あ、これどうぞ!」
シンは紙袋をシオンに渡す。
シン「和菓子です!みんなで食べてください!」
カケル「こんなにいいんですか?!」
シン「はい!家にはまだまだあるのでぜひ!」
シオン「ではもらっていくよ。またな。シン。おじゃましたな。」
カケル「おじゃましました!!」
シオンとカケルはシンの家を出た。
最初は嫌な雨だったがこんなにもいい日になるんだと知ったカケル達であった。
End
シン「毎日掃除してますから。」
カケル「そういえばこのことテンカイさんに言いましたか?」
シオン「報告した。いいって言ってたから大丈夫だ。」
シン「それなら大丈夫ですね!」
カケル(以外に豪雨でよかったな。)
それは数十分前の出来事だった。
シオン「急げ!風邪ひくぞ!!」
カケル「は、はい!!」
これはある日のこと……
シオンとカケルはプリズミック討伐をしている時……
突然雨が降ってしまい急いで屋根があるところに避難した。
シオン「びっくりしたな。」
カケル「まさか降るなんて思いませんでしたよ。天気予報では今日一日中晴れると言ってたんですが……」
シオン「やむまで待つしかないな。」
カケル「そうですよね。」
不運にも二人はここで雨宿りするしかなかったのだ。
シオン「すごい豪雨だな。」
カケル「歩いたらものすごいことになりますね……」
ついてないなぁとため息をするカケル。
「あれは……」
そこに傘を差した一人の男がこちらへ向かってきた。
「こんなところで何してるんですか?」
カケル「シンさん?!」
シオン「シンか。今雨宿りをしてるんだ。」
シン「雨宿りですか……」
カケル「ここしか雨をすごすところがなくて……トホホ……」
シン「それは大変ですよ!!」
シオン「仕方ないさ。今プリズミックが暴れている情報がないだけいい。」
シン「確かにそうですよね。こんな雨の中討伐するの大変ですし……」
カケル「ほんとにさっきのプリズミックですべて討伐できてよかったですよ。」
シン「ほんとにご苦労様です。」
シオン「そういえばシンは今まで何やってたんだ?」
シン「俺はすこしここから離れた場所でプリズミック退治を……」
カケル「シンさんもお疲れ様です。」
お互いに励ましあった。
シンはふと何かを思いつく。
シン「そういえばこのあと二人は何か用事はありますか?」
シオン「ないな。報告書を書かないといけないが……それ以外はないな。」
カケル「また報告書は書けますしね。」
シン「よかった。もしよければ家に来ませんか?」
カケル&シオン「え?」
という感じで二人はシンの家……というかアパートの中のシンの部屋にやってきたのだった。
シオン「シン。何か手伝うことはないか?」
シン「二人はお客さんですから!」
ほら!と机の前に誘導するシン。
シン「ここに座ってください!」
シンはそういい台所へ向かうと何かを準備し始めた。
シオン「落ち着かないな。」
カケル「わかりますよね。俺も落ち着きません。」
シオン「……少しシンのところへ行ってくるよ。」
カケル「行ってらしゃい。」
(あんなにそわそわしたシオンさん初めて見た。
カケルはそう思いながら気長に待つことにした。
シン「シオンさん?」
シオン「すまない。少し緊張してるらしい。」
シン(シオンさんが俺の家で緊張?!正直こっちも緊張してる……)
「そんなに緊張しなくてもいいです……どこにでもある普通のアパートなので……」
シンも緊張してるらしい。
カケルはシオンとシンが生き別れした兄弟が数年ぶりに会ったが何を話していいか分からずにお互い緊張してるように見えたのだった。
シオン「これ運んでくよ。」
シン「大丈夫ですよ。シオンさんはゆっくりしてください。」
カケル「仲いいなぁ……」
シオン「カケル?何か言ったか?」
シン「どうしたんですか?」
カケル「こう……ボーっと見ると二人って兄弟みたいだなって感じただけです。」
シン「俺とシオンさんって似てるんですね!」
シンは嬉しそうに言う。
シオン「俺とシンは似ているのか?」
カケル「雰囲気が似てるんですよね。なんとなくですけど。」
シオン「そうなのか。そういってもらえると嬉しいな。」
シン「そうですよね。俺もそういってもらえると嬉しいです!あ、お茶入れてきました!それと和菓子もどうぞ。」
カケル「おぉ?!」
カケルはおいしそうな和菓子をみて思わず声を出してしまった。
カケル「おいしそうです!食べてもいいんですか?」
シン「どうぞ!」
カケル「いただきます!!」
カケルはどれにしようか悩んでいた。
シオン「これは前に言っていた親戚の従兄弟が営んでいる和菓子か?」
シン「そうです!こうやっておくってもらえるんです。それだけでありがたいことですよね。自分で食べきれない量を送ってもらったときは少し困りますが……」
シオン「その気持ちはわかるな。」
カケル「シンさん!!これおいしいです!」
カケルはもう和菓子をほおばっていた。
シン「それは練りきりといって全部あんこでできてるらしいです。」
シンはかりんとう饅頭を食べながら説明した。
カケル「シンさん詳しいですね。」
シン「その店が六年前から住まわせてもらっている家の近くにあるので色々とお世話になりますし……俺が甘いものが好きなので買いに行ったりと…」
シオン「へぇ…なるほど……」
シオンはお茶を飲みながら話を聞いていた。
カケル「あれ?シオンさんは食べないんですか?」
シオン「甘いものが苦手だからな。それにしてもこのお茶おいしいな…」
シン「これは煎茶です!これも送ってもらいました。」
シオン「煎茶か……あったまるな。」
シン「ですよね。このお茶も和菓子ともあいますし……」
三人はお互い話で盛り上がっていた。
カケル「……ことがあって大変でした……」
シン「お疲れ様ですね……?雨が……」
シンは窓の外をみると雨がやんでいた。
シオン「ほんとだな。」
シン「やんでよかったですね。」
シオン「そうだな。シン。今日はいろいろとありがとな。」
カケル「ありがとうございます!」
シン「こちらこそありがとうございます!楽しかったです!」
シオン「また機会があったらよってもいいか?」
シン「はい!いつでも大丈夫です!あ、これどうぞ!」
シンは紙袋をシオンに渡す。
シン「和菓子です!みんなで食べてください!」
カケル「こんなにいいんですか?!」
シン「はい!家にはまだまだあるのでぜひ!」
シオン「ではもらっていくよ。またな。シン。おじゃましたな。」
カケル「おじゃましました!!」
シオンとカケルはシンの家を出た。
最初は嫌な雨だったがこんなにもいい日になるんだと知ったカケル達であった。
End
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