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風の裁定者(ネタバレありの短編集)


シン「確か……ここだよね?」

ジャンパーであるシンはスカイジャンパーズの落し物である組織の腕章が落ちていたのでそれを届けにスカイジャンパーズのアジトまで来たのであった。
シンは自動ドアを抜けると受付がありそこにロージアが立っていた。

シン「あ……えっと……こんにちは……」
ロージア「シンさん。こんにちは。どうされたのですか?」
シン「これ、スカイジャンパーズの腕章ですよね?」
ロージア「あ!そうです!!ありがとうございます!!……折角ですし……少し休まれますか?」
シン「いえ、大丈」
ロージア「遠慮なくゆっくりしてください。」
シン「あ、あの……ちょっと?!」
ロージアはグイグイシンの腕を引っ張った。
当の本人は訳分からずに引っ張られた。





シオン「ふぅ……」
テンカイ「大丈夫か?」
シオン「あぁ……」
テンカイ「その返事……大丈夫じゃないだろ?」
スカイ「ったく。人間っていうのは脆いんだな。」
カケル「何もしてないお前がいうか。」
スカイ「俺は客人だからいいんだよ。」
ソラ「客人ならぬ客プリズミック……」
スカイ「……ソラ……殺られたいのか?」
ソラ「そんなこと一言も言ってませんよ!!」

ここはスカイジャンパーのロビー。
ここではスカイジャンパーズのメンバーが休憩をしたり会話をする憩いの場だ。
たまにお客さんも入ったりする……

カケル「というかなんでスカイがここにいるんだ?」
スカイ「特に理由はない。」
カケル「ないのかよ!」
スカイ「暇だから。それが理由だ。」
カケル「理由になってない!!」

ロージア「シンさん。こちらで待ってくださいね。」
シン「あの……ロージアさん?俺は……あ、」
スカイ「げ……シン……」
シン「……お前がどうしてここに……」
スカイ「それはこっちのセリフだ!!」
シン「……なんだよその態度」
スカイ「なんか言ったか?」
シン「いや何も。俺はスカイジャンパーズの腕章を届けただけだ。」
スカイ「じゃあここまで来る必要ないだろ。」
シン「……」
(確かにそうだが……言い返せないのがキツい。)
テンカイ「お前だって人のこと言えないじゃないか?暇だから来ただろ?」
スカイ「あぁ!!そうだ!!」
腕に腰をあて、ドヤ顔をするスカイ。
シンは呆れたのだった。
シン「お前が暇でもテンカイさんやシオンさん達は忙しいんだよ。というかお前……いつも暇だろ?」
スカイ「はぁ?俺だって忙しいんだよ!!」
シン「じゃあ何やってたんだ?」
スカイ「普通に……何やった?」
シン「マジかよ……」
スカイ「でも俺は忙しいぜ!!なんせお前と同じル」
シン「シオンさんやテンカイさん。こんにちは。お邪魔してます。」
スカイ「って人の話を聞けよ!!」
スカイが話そうとしている間にシンはちゃっかりシオンさんやテンカイさんに挨拶をしていた。
スカイ「お前!!人の話は最後まで聞きましょう……ってなんだっけ?まぁいいや。そう言ってなかったのか?」
シン「学校のことか?習ったが……時と場合を使い分けることも大事だな。」
スカイ「……1回神竜に潰されてこい!!」
ちょっとシンの顔色が悪くなった。
シン「……お前……人のプライバシーに踏み込みすぎるなって知ってるか?」
スカイ「知るか!!なんせ俺は」
シオン「大丈夫か?シン。色々と……」
シン「神竜はちょっと精神的に来ましたね。あとは大丈夫です。」
シオン「……同じ力の使い手でもこんなに性格が違うんだな。」
シン「能力と性格って関係あるんですか?……まぁ、俺はスカイのらこと生意気な低学年しか見てないですし。頼もしい時もあるんですけどね。」
スカイ「おい!!そこ!!」
シンとシオンのほのぼの話にスカイが制する。
スカイ「何俺を差し置いて話してんだよ!!」
シン「会話中だから静かにしてくれ。」
スカイ「まだ俺の話が終わってな」
ロージア「はいはい。ストップですよ。」
ロージアが手を叩き制した。
ロージア「シンさん。スカイさん。そこまでですよ。」
シン「ロージアさん。」
ロージア「喧嘩するほど仲がいいと聞いたことがありますが流石にやりすぎです。」
シン「すみません。」
スカイ「俺は何も」
ロージア「だいたいスカイさんが突っかかるからこうなるんですよ。」
スカイ「は?」
シン(ほら。)
ロージア「遊びに来るのはいいですけど状況とかよく見てくださいってことですよ。あ、そうだ。その……シンさん。急で悪いですが……手伝って貰えませんか?」
シン「はい。なんでしょう?」
ロージア「前に色々とあって書類の方が片付けられてないんですよ。なので一日だけシオンさんの助手をしていただけませんか?」

シン「はい?……俺で大丈夫なんですか?!」
ロージア「えぇ……シンさんは真面目ですし……」
シン「そういう問題じゃないです。」
ロージア「何か問題でもあるんですか?」
シン「はい。もしその中に重要な資料とかあったらどうするんですか?」
ロージア「……その時はその時ですので……」
シン(なんか怖い。)
リズ「いいなぁ!!シオン様の助手って!!」
スカイ「助手?何それ美味しいのか?」
リズは羨ましがり、スカイは助手という意味を知らない。
シオン「ロージア。俺は大丈夫だ。シンも自分のことで大変なのに迷惑かける訳にもいかないから……」
ロージア「でも最近休めてないんじゃないですか?」
シオン「ヴ、それはそうだが……」
ロージア「こういう時は甘えた方がいいですよ?」
シオン「だが……」
ロージアは提案するがシオンは自分でできると断る。
その会話を聞いてシンの心境に変化が起きる。
シン「俺、シオンさんの助手やります。」
ロージア「あら?」
シオン「シン……」
シン「さっきの話を聞いてましたが、それはシオンさん達も同じです。俺だけが大変じゃないって知ってます。」
シオン「だがシンも連戦で大変だっただろ?しかも相手は強敵ばかりだったしな。だからシンも少しやす」
シン「ロージアさん。具体的には何をやればいいですか?」
シオン「シン?」
ロージア「そうですね。具体的にはシオンさんから聞いた方が早いですね。」
シオン「ロージア?おーい。」
シン「シオンさん。具体的には何をやればいいですか?」
シオン「とりあえず話を聞いてくれ。」
シン「はい?なんでしょうか?」
シオン「俺は大丈夫だ。シンもゆっくり休んだらどうだ?」
シン「俺なら休みました。回復してます!」
シオン「だがさっき精神的にきたと言っていたが……」
シン「それも回復しました。そうなった原因はスカイにありますからスカイも強制的に手伝わせればいいです!」
スカイ「何が?」
シン「手伝うってことだよ。」
スカイ「何やる?」
シン「そうだな。重いものとか運んだりとかじゃないか?」
スカイ「俺用事思い出したから帰るわ。じゃ!」
シン「ちょっと?!」
スカイは風のようにロビーから出た。
シン「行ったな。」
テンカイ「そんなに手伝いが嫌なのか……」
シン「自由人ですから。人なのか微妙ですけど。ということでシオンさん。具体的には何をやればいいですか?」
シオン「……話を聞く気はないな……」
シン「確かに人の話を聞くことは大丈夫ですが時と場合を使い分けることも大切です。仲間と助け合うことが必要だってシオンさん言ってたじゃないですか?」
シオン「確かにそうだな。」
シン「なので助手をやらせてください。」
シオン「……分かった……」
シオンはついにおれた。
シオン「お前は結構頑固なところあるよな。」
シン「そうですか?」
シオン「あぁ。シン。ついてきてくれ。」
シン「了解です!!」

シンはシオンの助手になった。

……1日だけだけどね!!




シオン「まずは……そうだな。ここにあるデータを分類別に分けてくれないか?」
シオンは一通りシンにパソコンの使い方を教え、シンはその通りに分類別にした。
シオンはというとプリズミックとジャンパーに関する書類制作していた。
シンはあまり機械に慣れてないのか苦戦をするがだんだん慣れてきて少しづつできるようになった。

横目でちらりとシオンの顔をみるとものすごく真剣な顔で書類作成をしているのをみて毎日お疲れ様ですと心の中で呟いた。
ソフィ「ちょっと今いいかしら?」
シオン「どうした?ソフィ。」
ソフィ「こっちのいらない資料削除してもらえる?」
シオン「それぐらい自分でやってくれ……」
ソフィ「助手いるからいいでしょー」
シオン「削除するぐらい自分でできるだろ?こっちも大変なんだ。」
ソフィ「シオンのケチ。シンー」
シン「なんですか?」
ソフィ「こっちのいらない資料削除してもらえる?」
シン「これですか?でもいつか必要になりそうなやつですけど……」
ソフィ「コピーしたから大丈夫よ。ほら。」
ソフィは自分のタブレットをシンに見せた。
全く同じデータでびっくりした。
シン「ほんとだ……」
ソフィ「ということで資料の削除よろ」
シオン「俺がやっておく。」
ソフィ「あら?さっきは自分でやれと言ってたのに?」
シオン「関係ないだろ?」

シン(やっぱり仲間には甘いところがあるんだな。)
そんな光景にシンは思わず口元が緩んでしまうし癒しオーラが出てしまう。
シオン「シン?どうしたんだ?」
シン「?!い、いえ。なんでもないです。」
(……出てしまった……)


そしてまた数十分後……
スカイ「邪魔するぜ!!」
シン「……またお前か……」
スカイ「なんだよ!!その態度!!折角人が……いや、プリズミックが来てやったというのに!!」
シン「……今忙しいから後にしてくれないか?」
スカイ「いいや!!ここは正々堂々!!しょう」
シン「この状況見て分からないのか?」
今の状況というと……

シオンとシン……事務作業。
スカイ……勝手に部屋に突撃し叫んでいる。

ということである。

スカイ「そんなの関係ねぇ!!だったらそのなんかよくわからんやつを貸せ!!この俺が」
シン「絶対渡すか。」
スカイ「なんでだよ!!」
シン「……壊しそうで怖いんだよ。」
スカイ「俺は物を壊さない!!むしろ作る方が得意だ!!」
シン「……使い方知ってるか?」
スカイ「叩けばいいだろ?思いっきり。」
シンは明らかにお前バガなのか?という顔をしていた。
スカイ「まぁ、俺に貸せって!!」
シン「今の聞いて貸すやつおるか?……頼むから静かにしてくれない……」
スカイ「なんだと?!」
そんな言い合いが続くと……
シオンがちょっと笑った。
シン「シオンさん?」
シオン「すまない。君たち仲良いなって思ってな。つい……」
シン「……仲良さそうですか?」
シオン「前、おやっさんから喧嘩するほど仲がいいと言われてな。だから仲がいいんだなって思った。」
スカイ「俺たち仲良い?」
シオン「あぁ。」
スカイ「……仲良いってなんだ?」
その場が一瞬凍りついた?
スカイ「???」
シン「……何もいらないから。ちょっとロージアさんに話してみたら?」
スカイ「なんだよそれ?」
シン「いいからいいから。」
シンはスカイを部屋の外から出した。
シン「さて、やりましょうか。」
シオン「そうだな。」
シオンは内心シンがスカイと話……喧嘩?してるところをもうちょっと見てみたいものだった。


そして数時間後……
シオン「どうだ?進んでいるか?」
シン「少し進んでいると思います。」
シンはシオンに進み具合を見せた。
シオン「結構進んでいるな。」
シン「そうですか?」
シオン「あぁ。今日の分も終わりそうだな。」
シン「それなら良かったです!シオンさんもどうですか?」
シオン「俺も今日の分は終わりそうだ。」
シン「良かったです!」
シオン「あともうひとふんだりだ!」
シン「はい!!」
あともう少し……
という言葉で2人は奮闘した。







時刻……午後6時……

シン&シオン「終わったぁぁぁ!!」
やっと大量の事務作業が終わったシン達。
2人は机に伏せこみおつかれという感じだった。
シンは初めてこういうことをしたのでシオンより疲れていた。
シオン「シン。ちょっと待ってくれないか?」
シン「??分かりました。」

シオンは席から立ってどこかへ行った。

……数分後
シン「シオンさん、どこいったんだろう……ひゃぁ?!」
シンの頬に冷たいのが伝わる。
シオン「待たせたか?」
シン「シオンさん?!い、いえ。大丈夫です。」
シオン「差し入れだ。」
シオンは差し入れを渡す。
シン「これは……」
シオン「ロージア達が買ってきたらしい。何かないかなと探していたらロージア達がこれはどうですか?と言ってな。シンは甘いの好きだろ?ちょうどピッタリじゃないか?」
シンはその差し入れをみると「ひんやりプルプルゼリー メロン味」と書いてあった。
シン「差し入れありがとうございます!!」
シオン「お礼をいうのはこっちだ。手伝ってくれてありがとな。」
シン「いえ、とてもいい経験したので良かったです!!」
シオンは缶をシンの缶に近づけた。
シン「??どうしたんですか?」
シオン「乾杯しないか?」
シン「乾杯ですか?」
シオン「あぁ。大量の書類を終わらせたことでな。」
シン「そうですね。」
シオン「では……」
シン「はい……」

「乾杯!!!!」


シオンの一日の助手
❦ℯꫛᎴ❧
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