エレスト小説

閃光の道化
「冬の過ごし方」

この世界は私たちが知る世界とはまた別のお話。

ある道化のお話。

この世界は
五つの大陸に分かれていてそれぞれエレメントを持っていたが……ある事件がありこの世界は半壊した。

その半壊した世界である道化はただこの世界を見守っている。

あるエレメントを持つ道化の名前は……




「アランさん！！」
アランはその声の主にゆっくりと瞼を開ける。
「ちょっとお疲れですか？」
アラン「いや。少し休んでいただけだよ。」
「それならよかったです。」
アラン「君も人のこと言えないだろ？メフィトフェレス。」
メフィトフェレスとと呼ばれた白色の顔の肌で長い耳を持った男性はアランにタオルを渡した。
アラン「この世界はいま半壊している。もう敵とか関係ないよ。」
メフィトフェレス「確かに壊れかけてますね。これもエレメントをかけた三つの勢力の争いのせいでしょうか？」
アラン「だろうね……しかも新たなエレメントも発生しているみたいだね。」
メフィトフェレス「色々と大変なことになってますね。」
アラン「でも意外に四季があるよね。今日は寒いし……」
アランは身震いをする。
メフィトフェレス「確かに寒いですね……」
アラン「……そうだ。鍋をやろう。」




アラン「材料あるか？」
メフィトフェレス「バッチリです。」
2人はアランの家へ向かい鍋の準備をした。
アラン「しゃぶしゃぶでいいか？」
メフィトフェレス「いいですよ。なら昆布出汁ですか？」
アラン「そうだね。出汁は準備してあるよ。」
アランは出汁がとってある水が入ってる鍋を持ってきた。
メフィトフェレス「火はどうする？」
アラン「コンロでいいだろ？」
アランは火のエレメントの力で動くコンロも持ってきていた。
火をつけて数分後……
出汁が沸騰してきた。
メフィトフェレス「沸騰してきてきましたね。」
アラン「野菜入れるか。」
アランは先程切った野菜を鍋に入れていく。

アラン「野菜煮えるまで肉食べるか。」
どこからか薄切りのしゃぶしゃぶ用の肉を出した。
アラン「しゃぶしゃぶしようぜ。」
メフィトフェレス「そうですね。」
アランとメフィトフェレスは肉をしゃぶしゃぶした。
煮立った出汁の中で肉の色が変わっていく。
アラン「もうそろそろ頃合だな。」
アランは肉を出汁から出すとパクッと一口で食べた。
メフィトフェレスがその光景をじっとみる。
アラン「？！美味しい！！」
メフィトフェレス「そうなのですか？」
アラン「ポン酢とあうし身体が暖まるな……」
メフィトフェレス「ポン酢なのですね。」
アラン「メフィトフェレスは違うのか？」
メフィトフェレス「僕はゴマだれで……」
メフィトフェレスもしゃぶしゃぶした肉をゴマだれにつけて食べた。
メフィトフェレス「うん。これは美味しいですね。」
アラン「だよな？野菜も煮えてきたな。」
アランは煮えた野菜を肉に巻いて食べた。
アラン「……美味すぎる……」
メフィトフェレス「……ゴクリ……」
メフィトフェレスもアランと同じやり方する。
メフィトフェレス「……これは美味しすぎますね……」
アラン「だろ？まだまだあるから食べようぜ。」
アラン達はこのあとも鍋を楽しんだ。



アラン「美味しかった……」
アランは床にごろりと転がった。
メフィトフェレス「美味しかったです。」
アラン「たまにはこういうのもいいな。」
メフィトフェレス「ずっと戦ってきましたからね。」
アラン「……そうだな……」
アランは少しだけ顔に影をおとす。
メフィトフェレスは少しアランを心配する。
メフィトフェレス「昔何があったかは知らないですがあまり無理をしないでください。」
アラン「分かってる。だから鍋をやりたかったんだ？わるいか？」
メフィトフェレス「いいえ。悪くないですよ。こういうのは必要ですから。またやりましょう。」
アラン「そうだな。」

道化の冬の過ごし方は幕を閉じたのであった。