第六章
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再び気づくと、皺々でゴツゴツな掌がなつみの額に触れているのがわかった。
「そう、たいちょう…」
「うむ。起きたな」
天井は総合救護詰所のもの。ならば、このベッドは総合救護詰所のもの。ならば、自分は総合救護詰所に連れてこられたことになる。
「なんで」
何故、元柳斎がいるのか。
「お前は霊力を酷く消耗しておった。生死の境を彷徨っとったんじゃよ」
「何があったかききたいのは、こちらの方だ。なつみ、昨日の夜、お前は何をしていた」
「せんせ…」
部屋の中にいる人物を確認し、記憶を遡り始めるなつみ。そしてはっとする。
「さっきここで、お化け見ました‼️‼️」
ガバッと身体を起こし、きょろきょろベッド周りを見渡した。
「何じゃ、急に。今は儂と雀部しかおらんぞ」
確かに2人だけ。
「いない。お化けだから消えたんだ」
「誰を見たんだ。そのお化けとは」
掛け布団の端をきゅっと握りしめ、問いかけた雀部に訴える。
「志波海燕元副隊長ですよ‼︎‼︎ずっとずっと前に殉職された志波元副隊長です‼︎‼︎ここで、ぼくの手を握ってて。ん?浮竹隊長もいたな…。あれ?…、あれ?昨日の夜…?んん?夢?」
「混乱しているな」
元柳斎は扉へ向かい、廊下に人がいないことを確認した。それから扉に鍵をかけ、隣の部屋や、窓の外まで気配が無いか見た。
「なつみよ、志波海燕は死んではおらん」
「え⁉︎」
思わず口に手を当てた。
「奴は今も十三番隊副隊長じゃ」
「そんなはずっ」
信じられずに首をふるふる振るう。
元柳斎と雀部の様子は、真実を語っているように思われ、なつみは記憶と現実の差に恐怖し、頭を抱えてうずくまった。そうして震えるなつみを見て、雀部は戸惑う。そんな2人を前にして、元柳斎はある可能性に至っていた。
「夢を見ておったのか?」
「…はい」
「どんなものじゃった。なるべく詳しく言うてみ」
「でも、ただの夢ですよ」
「それは儂が判断する」
総隊長命令は絶対である。それに、この違和をどうにかする手がかりが、昨日の夜にあるのかもしれない。
なつみは姿勢を正し、語り始めた。
「えっと…、まず、昨日のお昼のことから話しますね」
夜になったが、まだなつみは病室にいた。霊力が溜まったとはいえ、もう少し様子を見た方が良いとの判断から、一晩泊まることになったのだ。しかし、部屋を移動することにはなった。1人で使うには広すぎる病室へ。
「何でここなんだろ。大部屋の1人使いだよ」
窓辺に立って、独り言。
「話し相手欲しいな〜」
するとノックが聞こえた。
「はーい」
入ってきたのは卯ノ花と勇音であった。何やら椅子をこの部屋に運び込んでいる。
「どうしたんですか?そんなに椅子を持ってきて」
何脚か並べようとしているようなので、なつみは手伝いに駆けつけた。
「円形に並べましょうか」
「はい」
「?」
卯ノ花の指示通りに並べ終え、ぱっと椅子の数を数えてみた。まさか。
「隊首会をここでするそうですよ」
「え⁉︎いつですか⁉︎」
「もうすぐ集まってくる頃だと思います」
「今から⁉︎」
元柳斎に夢の話をした後、彼はその内容を隊長たちに伝えるとは言っていたが、こんなにすぐとは思っていなかった。しかも病室で、隊首会というかたちで。
「きっ、着替えなきゃ💦」
パンツは替えたが、上の下着は着けていないし、パジャマだしと、ひとりてんてこまいになっている。
「あらあら」
意外な場所へと招集がかかったが、そこに一番乗りしたのはこの男。
「なつみちゃーん。入るで〜」
「はーい」
市丸はなつみの返事を聞いてから入室。しかし、その目に入ったのは、ベッドの上に乗っかった白い布団の塊。
「なつみちゃん?どないしたん?」
「おちゅかれさまです、市丸隊長」
不機嫌そうにムスッとした顔だけ、布団の下から現れていた。
「隊首会をここでやるなんて、聞いてないですよぉ。総隊長はめちゃくちゃです」
「めちゃくちゃなんは、キミやろ?せやからここに集められたんや。キミが何しでかしたか、わかったんやろ」
「むぅっ」
ご機嫌ではなかったが、今朝と比べれば随分と元気が戻っているようで、市丸は安心した。
「あ、わかった。着替えてへんのやろ。パジャマで会議参加させられるって、怒ってんねや」
ベッドに腰掛けて、布団をめくろうと指を伸ばしたが、きゅっと拒否された。
「違いますよっ。着替えはしました。でも、美沙ちゃんが私服しか持ってきてくれてなくて」
「明日もお休みさせたげるからな。死覇装はいらんもんな。でもええやん、パジャマとちゃうなら。出ておいでっ」
「やーでーすぅーっ‼️」
布団のお化けのガードは硬かった。
そして次に来たのは。
「なつみちゃーん!元気になったかい?」
「あ、京楽さん。お疲れ様です」
「お疲れ〜、って、ちょっと、なつみちゃんをイジメてるのかい?ボクも混ぜてよ」
「そこは止めるもんとちゃうんですか😅」
京楽は市丸が腰掛けた反対側から、ベッドに座った。
「こんばんは、京楽隊長」
白いカオナシが、照れて控えめな挨拶をした。
「こんばんは。どうしたの?こんな包まって。…まさか、裸⁉️😍」
「ほんなわけっ💦ちゃいます。私服着てんの見られたないらしいですわ」
「そんなの気にしなくて良いのに。なんなら、さっきのパジャマのままでも良かったしね。恥ずかしがらずに出ておいで。みんな気にしないって。ほら」
好きな人相手に緩くなったガードは、ペロリとめくられるのを良しとした。
「あ……」
その秘密の正体を知って、京楽はクスッと笑った。
「すみません。こんな時に着るものじゃないって、ぼくは思ってるんですよ。でもこれしかなかったから、仕方なく……」
「……良いよ。似合ってるから」
それは先日のデートで京楽に買ってもらった服。次のデートで着て行こうねと約束したあの服だった。
確かにここでその姿を見るのは不本意だが、京楽は、隠そうとしたことも、ちゃんと着てくれたことも、全部引っくるめて嬉しかった。
「かわいい😌」
「ほんまや」
市丸はニコニコと、京楽がなつみを抱き寄せるのを眺めていた。
3人目に到着したのは。
「木之本くん、起きてるね。君の死覇装を持ってきてあげたよ。1人だけ私服でいるの気まずいんじゃないかと思ってね」
大きめの袋を持った藍染だった。
「いらない心配だったみたいだよ」「ありがとうございます‼️」
「え?」「え😟」
「着替えるの?」
「着替えますよ」
「ダメ」
「え⁉︎」
「みんなに、なつみちゃんはボクのものってアピールできるから、そのままでいてよ」
「///⁉️」
真っ赤な顔してなつみはベッドから飛び降り、藍染から袋を受け取ると、それをベッドにドスッと置き、京楽と市丸の腕を引っ張って2人を立たせ、背中をグイーッと押して部屋の外に追い出そうとした。
「わっ!ちょっとなつみちゃん!」
「なんや、なんや⁉︎(笑)」
「おっとっと」
察して、藍染は自ら速やかに廊下に出た。ピシャリと閉まる扉。
「着替えますッ‼️‼️」
「「はーい」」
廊下に立たされる3人。
「なつみちゃーん。お着替え手伝おっか〜?」
カチャッ
京楽のアホな言葉に、無言で鍵をかけてお返事。
「照れちゃって〜」
「お待たせしましワッ⁉️」
着替えを終えて、廊下にいる3人を呼び戻そうと顔を出したら、そこにはほとんど全員揃っていた。
「すいません💦どうぞ入ってください💦」
強者揃いの隊長たちを廊下に立たせていた強者二十席は、扉を広く開けたままにし、着替えの様子を見られないように閉めていたカーテンを開けようと、窓辺に駆けて行った。
「なつみ、そのまま閉めておれ。外の者に気づかれては困るからの」
「?はい…😗」
皆、円形に並べられた椅子に、いつもとは違い、隊の番号関係無く好きな場所で座った。
「なつみちゃんの隣は譲れないもんね。構わないよね、山じい」
「好きにせぃ」
「ほなボクは反対の隣や」
右に京楽、左に市丸。真正面に元柳斎。なつみは縮こまって、ちぃちゃくお座り。
「先生も座ったら良いのに」
「私は良いよ。副隊長だからな」
元柳斎の後ろに雀部は立っていた。
「ぼく二十席です…」
「なつみちゃんは主役やねんから、ここでええの。キミの言う通りんしたら、この部屋から出てかなあかんくなるで(笑)」
隣の市丸が、なつみのほっぺを突っついて言った。
「きひひひっ。隊長のずーっと後ろで立ってなきゃ(笑)『木之本はどこだ!欠席か!』『いまーすよぉ〜ッ👋』って『ここでぇ〜す』って😙」
「あーかーんっ(笑)」
「めっちゃ向こうだから、ロッキン踊っても怒られないヤツですね」
「クククククッ、なんであえてのロッキンなん(笑)」
「注目された途端に止まって、やってません感出さないといけないんで」
「あかんて、バレるて(笑)」
仲良しキョウダイの息はピッタリ。
「「めっちゃポーズ決まってるから‼️」」
「あははははっ」と病室で、楽しそうな笑い声が響いた。
「何だ?やけに楽しそうだな、木之本」最後に空いた席に着くはずの浮竹が到着した。「秘密の会議と聞いていたが、真面目な話し合いじゃないのか?」
病室に入っていく。その後ろには、まだ誰かがいるようだった。
「お待たせしました」
「失礼します」
なつみは前もってそうなるだろうとは思っていたが、実際その人物を見ると、おふざけの笑顔が消えてしまう。俯いて、顔を見ないようにした。これが現実なのだが、受け入れるのが難しい。
「なつみちゃん、大丈夫?」
京楽が心配して声をかけたら、なつみは大丈夫ではなさそうにこくんと頷いた。
浮竹の席の後ろに置かれた椅子に腰掛けたのは、志波海燕と朽木ルキアだった。
「今日はゲストが多いね」
「2人も連れてくるようにと頼まれてな」
「そんなに緊張しなくていいよ、ルキアちゃん。ほらぁ、浮竹か白哉くんが声かけてあげないとー」
「お、お構いなくっ、京楽隊長」
ルキアもなつみ同様、膝の上で握られる手に力がこもっていたが、2人の心境は違うもの。
(さて、なつみちゃんはこの2人に何をしたんだろうか)
極秘の隊首会が始まろうとしていた。
「そう、たいちょう…」
「うむ。起きたな」
天井は総合救護詰所のもの。ならば、このベッドは総合救護詰所のもの。ならば、自分は総合救護詰所に連れてこられたことになる。
「なんで」
何故、元柳斎がいるのか。
「お前は霊力を酷く消耗しておった。生死の境を彷徨っとったんじゃよ」
「何があったかききたいのは、こちらの方だ。なつみ、昨日の夜、お前は何をしていた」
「せんせ…」
部屋の中にいる人物を確認し、記憶を遡り始めるなつみ。そしてはっとする。
「さっきここで、お化け見ました‼️‼️」
ガバッと身体を起こし、きょろきょろベッド周りを見渡した。
「何じゃ、急に。今は儂と雀部しかおらんぞ」
確かに2人だけ。
「いない。お化けだから消えたんだ」
「誰を見たんだ。そのお化けとは」
掛け布団の端をきゅっと握りしめ、問いかけた雀部に訴える。
「志波海燕元副隊長ですよ‼︎‼︎ずっとずっと前に殉職された志波元副隊長です‼︎‼︎ここで、ぼくの手を握ってて。ん?浮竹隊長もいたな…。あれ?…、あれ?昨日の夜…?んん?夢?」
「混乱しているな」
元柳斎は扉へ向かい、廊下に人がいないことを確認した。それから扉に鍵をかけ、隣の部屋や、窓の外まで気配が無いか見た。
「なつみよ、志波海燕は死んではおらん」
「え⁉︎」
思わず口に手を当てた。
「奴は今も十三番隊副隊長じゃ」
「そんなはずっ」
信じられずに首をふるふる振るう。
元柳斎と雀部の様子は、真実を語っているように思われ、なつみは記憶と現実の差に恐怖し、頭を抱えてうずくまった。そうして震えるなつみを見て、雀部は戸惑う。そんな2人を前にして、元柳斎はある可能性に至っていた。
「夢を見ておったのか?」
「…はい」
「どんなものじゃった。なるべく詳しく言うてみ」
「でも、ただの夢ですよ」
「それは儂が判断する」
総隊長命令は絶対である。それに、この違和をどうにかする手がかりが、昨日の夜にあるのかもしれない。
なつみは姿勢を正し、語り始めた。
「えっと…、まず、昨日のお昼のことから話しますね」
夜になったが、まだなつみは病室にいた。霊力が溜まったとはいえ、もう少し様子を見た方が良いとの判断から、一晩泊まることになったのだ。しかし、部屋を移動することにはなった。1人で使うには広すぎる病室へ。
「何でここなんだろ。大部屋の1人使いだよ」
窓辺に立って、独り言。
「話し相手欲しいな〜」
するとノックが聞こえた。
「はーい」
入ってきたのは卯ノ花と勇音であった。何やら椅子をこの部屋に運び込んでいる。
「どうしたんですか?そんなに椅子を持ってきて」
何脚か並べようとしているようなので、なつみは手伝いに駆けつけた。
「円形に並べましょうか」
「はい」
「?」
卯ノ花の指示通りに並べ終え、ぱっと椅子の数を数えてみた。まさか。
「隊首会をここでするそうですよ」
「え⁉︎いつですか⁉︎」
「もうすぐ集まってくる頃だと思います」
「今から⁉︎」
元柳斎に夢の話をした後、彼はその内容を隊長たちに伝えるとは言っていたが、こんなにすぐとは思っていなかった。しかも病室で、隊首会というかたちで。
「きっ、着替えなきゃ💦」
パンツは替えたが、上の下着は着けていないし、パジャマだしと、ひとりてんてこまいになっている。
「あらあら」
意外な場所へと招集がかかったが、そこに一番乗りしたのはこの男。
「なつみちゃーん。入るで〜」
「はーい」
市丸はなつみの返事を聞いてから入室。しかし、その目に入ったのは、ベッドの上に乗っかった白い布団の塊。
「なつみちゃん?どないしたん?」
「おちゅかれさまです、市丸隊長」
不機嫌そうにムスッとした顔だけ、布団の下から現れていた。
「隊首会をここでやるなんて、聞いてないですよぉ。総隊長はめちゃくちゃです」
「めちゃくちゃなんは、キミやろ?せやからここに集められたんや。キミが何しでかしたか、わかったんやろ」
「むぅっ」
ご機嫌ではなかったが、今朝と比べれば随分と元気が戻っているようで、市丸は安心した。
「あ、わかった。着替えてへんのやろ。パジャマで会議参加させられるって、怒ってんねや」
ベッドに腰掛けて、布団をめくろうと指を伸ばしたが、きゅっと拒否された。
「違いますよっ。着替えはしました。でも、美沙ちゃんが私服しか持ってきてくれてなくて」
「明日もお休みさせたげるからな。死覇装はいらんもんな。でもええやん、パジャマとちゃうなら。出ておいでっ」
「やーでーすぅーっ‼️」
布団のお化けのガードは硬かった。
そして次に来たのは。
「なつみちゃーん!元気になったかい?」
「あ、京楽さん。お疲れ様です」
「お疲れ〜、って、ちょっと、なつみちゃんをイジメてるのかい?ボクも混ぜてよ」
「そこは止めるもんとちゃうんですか😅」
京楽は市丸が腰掛けた反対側から、ベッドに座った。
「こんばんは、京楽隊長」
白いカオナシが、照れて控えめな挨拶をした。
「こんばんは。どうしたの?こんな包まって。…まさか、裸⁉️😍」
「ほんなわけっ💦ちゃいます。私服着てんの見られたないらしいですわ」
「そんなの気にしなくて良いのに。なんなら、さっきのパジャマのままでも良かったしね。恥ずかしがらずに出ておいで。みんな気にしないって。ほら」
好きな人相手に緩くなったガードは、ペロリとめくられるのを良しとした。
「あ……」
その秘密の正体を知って、京楽はクスッと笑った。
「すみません。こんな時に着るものじゃないって、ぼくは思ってるんですよ。でもこれしかなかったから、仕方なく……」
「……良いよ。似合ってるから」
それは先日のデートで京楽に買ってもらった服。次のデートで着て行こうねと約束したあの服だった。
確かにここでその姿を見るのは不本意だが、京楽は、隠そうとしたことも、ちゃんと着てくれたことも、全部引っくるめて嬉しかった。
「かわいい😌」
「ほんまや」
市丸はニコニコと、京楽がなつみを抱き寄せるのを眺めていた。
3人目に到着したのは。
「木之本くん、起きてるね。君の死覇装を持ってきてあげたよ。1人だけ私服でいるの気まずいんじゃないかと思ってね」
大きめの袋を持った藍染だった。
「いらない心配だったみたいだよ」「ありがとうございます‼️」
「え?」「え😟」
「着替えるの?」
「着替えますよ」
「ダメ」
「え⁉︎」
「みんなに、なつみちゃんはボクのものってアピールできるから、そのままでいてよ」
「///⁉️」
真っ赤な顔してなつみはベッドから飛び降り、藍染から袋を受け取ると、それをベッドにドスッと置き、京楽と市丸の腕を引っ張って2人を立たせ、背中をグイーッと押して部屋の外に追い出そうとした。
「わっ!ちょっとなつみちゃん!」
「なんや、なんや⁉︎(笑)」
「おっとっと」
察して、藍染は自ら速やかに廊下に出た。ピシャリと閉まる扉。
「着替えますッ‼️‼️」
「「はーい」」
廊下に立たされる3人。
「なつみちゃーん。お着替え手伝おっか〜?」
カチャッ
京楽のアホな言葉に、無言で鍵をかけてお返事。
「照れちゃって〜」
「お待たせしましワッ⁉️」
着替えを終えて、廊下にいる3人を呼び戻そうと顔を出したら、そこにはほとんど全員揃っていた。
「すいません💦どうぞ入ってください💦」
強者揃いの隊長たちを廊下に立たせていた強者二十席は、扉を広く開けたままにし、着替えの様子を見られないように閉めていたカーテンを開けようと、窓辺に駆けて行った。
「なつみ、そのまま閉めておれ。外の者に気づかれては困るからの」
「?はい…😗」
皆、円形に並べられた椅子に、いつもとは違い、隊の番号関係無く好きな場所で座った。
「なつみちゃんの隣は譲れないもんね。構わないよね、山じい」
「好きにせぃ」
「ほなボクは反対の隣や」
右に京楽、左に市丸。真正面に元柳斎。なつみは縮こまって、ちぃちゃくお座り。
「先生も座ったら良いのに」
「私は良いよ。副隊長だからな」
元柳斎の後ろに雀部は立っていた。
「ぼく二十席です…」
「なつみちゃんは主役やねんから、ここでええの。キミの言う通りんしたら、この部屋から出てかなあかんくなるで(笑)」
隣の市丸が、なつみのほっぺを突っついて言った。
「きひひひっ。隊長のずーっと後ろで立ってなきゃ(笑)『木之本はどこだ!欠席か!』『いまーすよぉ〜ッ👋』って『ここでぇ〜す』って😙」
「あーかーんっ(笑)」
「めっちゃ向こうだから、ロッキン踊っても怒られないヤツですね」
「クククククッ、なんであえてのロッキンなん(笑)」
「注目された途端に止まって、やってません感出さないといけないんで」
「あかんて、バレるて(笑)」
仲良しキョウダイの息はピッタリ。
「「めっちゃポーズ決まってるから‼️」」
「あははははっ」と病室で、楽しそうな笑い声が響いた。
「何だ?やけに楽しそうだな、木之本」最後に空いた席に着くはずの浮竹が到着した。「秘密の会議と聞いていたが、真面目な話し合いじゃないのか?」
病室に入っていく。その後ろには、まだ誰かがいるようだった。
「お待たせしました」
「失礼します」
なつみは前もってそうなるだろうとは思っていたが、実際その人物を見ると、おふざけの笑顔が消えてしまう。俯いて、顔を見ないようにした。これが現実なのだが、受け入れるのが難しい。
「なつみちゃん、大丈夫?」
京楽が心配して声をかけたら、なつみは大丈夫ではなさそうにこくんと頷いた。
浮竹の席の後ろに置かれた椅子に腰掛けたのは、志波海燕と朽木ルキアだった。
「今日はゲストが多いね」
「2人も連れてくるようにと頼まれてな」
「そんなに緊張しなくていいよ、ルキアちゃん。ほらぁ、浮竹か白哉くんが声かけてあげないとー」
「お、お構いなくっ、京楽隊長」
ルキアもなつみ同様、膝の上で握られる手に力がこもっていたが、2人の心境は違うもの。
(さて、なつみちゃんはこの2人に何をしたんだろうか)
極秘の隊首会が始まろうとしていた。