第五章
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比較的体調が良かった浮竹は、その夜京楽と2人で食事に出かけていた。行った店は、なつみたちが入った天ぷら屋ではなかった。しかし、食事を終え、店を出て歩くと、その天ぷら屋の前を偶然通りかかり、これまた偶然に藍染が店の戸を開けたため、3人の隊長が「おや」と驚いた。
「やぁ、藍染。こんなところで、偶然だな」
「こんばんは、浮竹隊長」
「こんばんは〜、惣右介くん」
「こんばんは、京楽隊長」
その挨拶を聞いて、藍染の後ろからひょこっと顔を覗かせた小さな影。
「あれ⁉︎なつみちゃん!」
「こんばんは!京楽隊長!浮竹隊長!」
「こんばんは〜」と言って、なつみに抱きつく京楽の横で、浮竹が察した。
「何だ、お前たち、2人でここにいたのか」
「はい」藍染はにっこり笑って答えた。「木之本くん、入口の前で邪魔になるから、こっちにおいで」
「はぁい」
「は〜い」
京楽まで返事をした。
「あわっ///」
そして、さっとなつみを抱きかかえ、そのまま歩き始めた。
「京楽隊長、降ろしてください。ぼく歩きますよ💦」
「ヤダ!」ぐっと抱き寄せる。「おうちまで連れてく」
「///💦」
「それは困ります。これから僕たち、鬼道の稽古がありますから」
「こんな時間からか!」浮竹はびっくり。「あまり無理すると、体に障るぞ」
「ご心配、ありがとうございます。ですが、もう慣れてしまったので、大丈夫ですよ」浮竹から京楽へ、視線を移す藍染。「京楽隊長、彼女を降ろしてあげてください」
それでも言うことを聞かない。
「ねぇ、なつみちゃん。ボクのことはほっぽって、藍染隊長とデートするなんて、酷いじゃないか」
「デートだなんて、そんな…」
好きな人が目の前にいる。ドキドキが止まらない。
「デートだろ?2人でご飯食べて」
怒られてるのに、ときめいてしまう。
「まさかキミら、付き合ってるの?」
信じて欲しくて、手元にある京楽の服をきゅっと掴んだ。
「違います」
その眼差しと返事にホッとするも、嫉妬は治らない。
「恋人じゃなくてもデートするんだ、なつみちゃん」
そこでなつみを降ろし、自身の小指で彼女の小指を絡め取った。
「じゃあ、次はボクとデートして。約束だよ!」
その態度に呆れる浮竹。
「そんな強引な約束があるか」
「木之本くん、嫌なら嫌だと、はっきり言った方が良いよ」
藍染の忠告なんぞ、2人の耳には届かない。
「悪いな、藍染。アイツ、気に入ってる奴を独り占めされるのが耐えられないんだよ。自分が独占してないと気が済まないらしい」
「そのようですね。みんなの木之本くんだというのに」
浮竹と藍染は少し先を歩いて、なつみと京楽に背を向けていた。
「藍染隊長」京楽から離れ、なつみは藍染のもとへ駆けてきた。「行きましょう」
「ああ」
「浮竹隊長、おやすみなさい。失礼します😁」
「おう。おやすみ、木之本。藍染も、またな!」
「はい。失礼します」さっとなつみの手を取る藍染。「じゃあ、行こうか」
「はい///」
2人は夜の闇に姿を消した。
「なんだかあの2人、お似合いだな」
藍染に手を握られ、頬を赤らめたなつみを目撃した浮竹は、こうも思う。
(これは京楽の負けかな)
その京楽はというと、背中が丸まっているように見えたので、落ち込む友人を慰めようと、浮竹は彼の肩をポンポンッと叩いてやった。
「そんなに気を落とすなよ、京楽!」
しかし、実際はそうではなかった。
「やったぁーっ‼️なつみちゃんとデートの約束しちゃった〜😆」
「は?」
落ち込んでいたわけではなく、嬉しさに襲われていた模様。喜びが爆発して、今やバンザイをしている。
「アイツ、お前の誘いを受けたのか?あんな無理矢理なやり方なのに」
多少強引な方がときめくものである。
「繋いだ彼女の小指にきゅっと力が入ってね、はにかみながら『うん』って頷いてくれたんだよ。どうしよう。どこに行こう。あーもう!楽しみで仕方ないよ‼︎」
早速デートプランを考え始める京楽。その隣を歩く浮竹は、疑っていた。
(どうして木之本は、あのタイミングで赤くなったんだ?)
その答えはこちら。
(うぅぅっ、嬉しくて、つい約束にOKしちゃった。何するんだろう。考えるだけで、ドキドキしちゃう。やばーっ///)
藍染の後ろを歩きながら、照れに照れるなつみ。要は、浮竹に挨拶をした後タイムラグを経て、自分の大胆さにびっくりしていただけである。
その様子を、もちろん藍染は良く思っていない。
(そこまで好きか……)
無意識に眼鏡をクッと上げていた。
本日の稽古は、外での実技練習は無し。机の上に、紙と筆記用具、そして辞書を用意して、オリジナルの詠唱を考える作業をするのだ。
「一番から⁉︎」
「そう。一番から。破道と縛道の両方ともだよ」
「ウソーッ💦」
「本当。仕方ないだろう」
えらい事をすると言ってしまったものだと、今になって後悔。
「何か良いアイデアがあれば、教えてくださいよ、藍染隊長」
ブツブツ文句を言いながら、とりあえずマインドマップを作ってみる。やりたい技をスタート地点にして、どんな想いや言葉が似合うのか、どんどん辞書を参考に書き出し、鬼道の元の詠唱と比べながら整理していく。
「鬼道作った人凄いなぁ。どんな人だろう」
その才能を分けて欲しい。
「たぶん、1人じゃないと思うよ。いろんな人が何世代にも渡って、ちょっとずつ考えていったんだよ」
「そんな昔話の作り方みたいな」
「ひとつの技を元に、新しく生み出すことはできないことじゃないからね。雛森くんや伊勢副隊長は、独自で軌道の技を開発したりしている。僕もいくつか自分のものがあるよ」
「え⁉︎じゃじゃ、そのやり方教えてくださいよ!新技の編み出し方!」
その問いに、藍染は困った顔をする。
「すまない。君には無理だ」
「どうして!」
「新しいとはいえ、既存の鬼道を基盤にして、複数の術を組み合わせて作り出しているから、言い換えれば、僕らのは鬼道の応用なんだよ。鬼道そのものを否定する君には通用しない。……、そんな悲しい顔をされても、困るなぁ」
「😫」
では、藍染はどんな助言ができると言うのか!
「とりあえずお茶を淹れてきてあげるから、木之本くんは…、引き続き辞書を読んでて😅」
(そんなんで先生が務まると思っているのかぁぁぁッ‼️💢)
「良い詞が書けたら、ちゃんと読んであげるから(笑)」
締め切りが迫った作家の気分も味わう、鬼道のパイオニア、なつみであった。
(もうこれは鬼道と呼ばんぞ。ぼくの技なんだから。んー…、何と呼ぼうか🤔)
それより詠唱を考えましょう。
時計の針が22時を指そうかという頃、藍染はろくなアドバイスもせず自分の仕事をし、なつみはだいぶ書き込んだマインドマップと睨めっこ。
「うぅぅ…」
考え過ぎて、お疲れのご様子。視線を逸らして、開いた辞書の小さな文字の列を追うと、目が細くなる感じがした。
「むぉぉ…」
いかんいかんと、天を仰ぎ、深く息を吸う。腕組みをし、目を閉じて考えをまとめてみようとする。
「ふむぅ…」
その小さな唸り声が気になり、藍染は手を止めて、なつみを見つめていた。
(船を漕いでる…、というより)
鼻先でバランス良くボールを支えるアシカ?
「😪💤」
倒れる前に、そっと倒してあげることにした。
「むにゃむにゃ…」
「ごめんね、木之本くん」
空になった湯呑みを片付けに、横になったなつみを残し、部屋を出て行った。
目が覚めると、何故かなつみは藍染に負ぶられていた。
「あれっ…?」
「起きたかい?」
「やっぱり寝ちゃってた💦すみません、藍染隊長。歩きます。降ろしてください」
藍染の背中の上で、顔を拭き拭き、ちょっと暴れる。
「大丈夫だよ。部屋まで連れて行くから」
「うぅ、でも💦」
「今は、これくらいしかしてあげられないから」
「うぅぅ、すみません」
縮こまり、どんどんと覚醒が進んでいく。
「あッ‼️‼️」
「どうしたの?」
「いえッ💦ちょっと、変な夢を見ちゃって」
「どんな?」
「///💦」
答えられなかった。そんな内容だった。なつみの脚を持つ藍染の腕と手の感触が、気になって仕方ない。
(サイッテーだ)
「京楽隊長の夢でしょ」
「‼️‼️」
「寝言、言ってた。にこにこして」
(やばぁ💦)
「好きなんだね、あの人のこと」
それにも答えられない。恥ずかしくて、藍染の背中にくっ付いた。
「すみませんっ…」
「謝られる方がつらいよ」
なつみが見た夢。藍染がそばにいたのに、京楽のことを思っていた。デートの約束をして、意識していたからだろうか。彼女は、京楽と身体を交える夢を見てしまっていたのだ。藍染の部屋で、藍染がいるところで。
(ぼくって、最低だ)
藍染の表情は伺えない。しかし、どうやらなつみの明日は無事に来そうだ。
(変な夢か)
「やぁ、藍染。こんなところで、偶然だな」
「こんばんは、浮竹隊長」
「こんばんは〜、惣右介くん」
「こんばんは、京楽隊長」
その挨拶を聞いて、藍染の後ろからひょこっと顔を覗かせた小さな影。
「あれ⁉︎なつみちゃん!」
「こんばんは!京楽隊長!浮竹隊長!」
「こんばんは〜」と言って、なつみに抱きつく京楽の横で、浮竹が察した。
「何だ、お前たち、2人でここにいたのか」
「はい」藍染はにっこり笑って答えた。「木之本くん、入口の前で邪魔になるから、こっちにおいで」
「はぁい」
「は〜い」
京楽まで返事をした。
「あわっ///」
そして、さっとなつみを抱きかかえ、そのまま歩き始めた。
「京楽隊長、降ろしてください。ぼく歩きますよ💦」
「ヤダ!」ぐっと抱き寄せる。「おうちまで連れてく」
「///💦」
「それは困ります。これから僕たち、鬼道の稽古がありますから」
「こんな時間からか!」浮竹はびっくり。「あまり無理すると、体に障るぞ」
「ご心配、ありがとうございます。ですが、もう慣れてしまったので、大丈夫ですよ」浮竹から京楽へ、視線を移す藍染。「京楽隊長、彼女を降ろしてあげてください」
それでも言うことを聞かない。
「ねぇ、なつみちゃん。ボクのことはほっぽって、藍染隊長とデートするなんて、酷いじゃないか」
「デートだなんて、そんな…」
好きな人が目の前にいる。ドキドキが止まらない。
「デートだろ?2人でご飯食べて」
怒られてるのに、ときめいてしまう。
「まさかキミら、付き合ってるの?」
信じて欲しくて、手元にある京楽の服をきゅっと掴んだ。
「違います」
その眼差しと返事にホッとするも、嫉妬は治らない。
「恋人じゃなくてもデートするんだ、なつみちゃん」
そこでなつみを降ろし、自身の小指で彼女の小指を絡め取った。
「じゃあ、次はボクとデートして。約束だよ!」
その態度に呆れる浮竹。
「そんな強引な約束があるか」
「木之本くん、嫌なら嫌だと、はっきり言った方が良いよ」
藍染の忠告なんぞ、2人の耳には届かない。
「悪いな、藍染。アイツ、気に入ってる奴を独り占めされるのが耐えられないんだよ。自分が独占してないと気が済まないらしい」
「そのようですね。みんなの木之本くんだというのに」
浮竹と藍染は少し先を歩いて、なつみと京楽に背を向けていた。
「藍染隊長」京楽から離れ、なつみは藍染のもとへ駆けてきた。「行きましょう」
「ああ」
「浮竹隊長、おやすみなさい。失礼します😁」
「おう。おやすみ、木之本。藍染も、またな!」
「はい。失礼します」さっとなつみの手を取る藍染。「じゃあ、行こうか」
「はい///」
2人は夜の闇に姿を消した。
「なんだかあの2人、お似合いだな」
藍染に手を握られ、頬を赤らめたなつみを目撃した浮竹は、こうも思う。
(これは京楽の負けかな)
その京楽はというと、背中が丸まっているように見えたので、落ち込む友人を慰めようと、浮竹は彼の肩をポンポンッと叩いてやった。
「そんなに気を落とすなよ、京楽!」
しかし、実際はそうではなかった。
「やったぁーっ‼️なつみちゃんとデートの約束しちゃった〜😆」
「は?」
落ち込んでいたわけではなく、嬉しさに襲われていた模様。喜びが爆発して、今やバンザイをしている。
「アイツ、お前の誘いを受けたのか?あんな無理矢理なやり方なのに」
多少強引な方がときめくものである。
「繋いだ彼女の小指にきゅっと力が入ってね、はにかみながら『うん』って頷いてくれたんだよ。どうしよう。どこに行こう。あーもう!楽しみで仕方ないよ‼︎」
早速デートプランを考え始める京楽。その隣を歩く浮竹は、疑っていた。
(どうして木之本は、あのタイミングで赤くなったんだ?)
その答えはこちら。
(うぅぅっ、嬉しくて、つい約束にOKしちゃった。何するんだろう。考えるだけで、ドキドキしちゃう。やばーっ///)
藍染の後ろを歩きながら、照れに照れるなつみ。要は、浮竹に挨拶をした後タイムラグを経て、自分の大胆さにびっくりしていただけである。
その様子を、もちろん藍染は良く思っていない。
(そこまで好きか……)
無意識に眼鏡をクッと上げていた。
本日の稽古は、外での実技練習は無し。机の上に、紙と筆記用具、そして辞書を用意して、オリジナルの詠唱を考える作業をするのだ。
「一番から⁉︎」
「そう。一番から。破道と縛道の両方ともだよ」
「ウソーッ💦」
「本当。仕方ないだろう」
えらい事をすると言ってしまったものだと、今になって後悔。
「何か良いアイデアがあれば、教えてくださいよ、藍染隊長」
ブツブツ文句を言いながら、とりあえずマインドマップを作ってみる。やりたい技をスタート地点にして、どんな想いや言葉が似合うのか、どんどん辞書を参考に書き出し、鬼道の元の詠唱と比べながら整理していく。
「鬼道作った人凄いなぁ。どんな人だろう」
その才能を分けて欲しい。
「たぶん、1人じゃないと思うよ。いろんな人が何世代にも渡って、ちょっとずつ考えていったんだよ」
「そんな昔話の作り方みたいな」
「ひとつの技を元に、新しく生み出すことはできないことじゃないからね。雛森くんや伊勢副隊長は、独自で軌道の技を開発したりしている。僕もいくつか自分のものがあるよ」
「え⁉︎じゃじゃ、そのやり方教えてくださいよ!新技の編み出し方!」
その問いに、藍染は困った顔をする。
「すまない。君には無理だ」
「どうして!」
「新しいとはいえ、既存の鬼道を基盤にして、複数の術を組み合わせて作り出しているから、言い換えれば、僕らのは鬼道の応用なんだよ。鬼道そのものを否定する君には通用しない。……、そんな悲しい顔をされても、困るなぁ」
「😫」
では、藍染はどんな助言ができると言うのか!
「とりあえずお茶を淹れてきてあげるから、木之本くんは…、引き続き辞書を読んでて😅」
(そんなんで先生が務まると思っているのかぁぁぁッ‼️💢)
「良い詞が書けたら、ちゃんと読んであげるから(笑)」
締め切りが迫った作家の気分も味わう、鬼道のパイオニア、なつみであった。
(もうこれは鬼道と呼ばんぞ。ぼくの技なんだから。んー…、何と呼ぼうか🤔)
それより詠唱を考えましょう。
時計の針が22時を指そうかという頃、藍染はろくなアドバイスもせず自分の仕事をし、なつみはだいぶ書き込んだマインドマップと睨めっこ。
「うぅぅ…」
考え過ぎて、お疲れのご様子。視線を逸らして、開いた辞書の小さな文字の列を追うと、目が細くなる感じがした。
「むぉぉ…」
いかんいかんと、天を仰ぎ、深く息を吸う。腕組みをし、目を閉じて考えをまとめてみようとする。
「ふむぅ…」
その小さな唸り声が気になり、藍染は手を止めて、なつみを見つめていた。
(船を漕いでる…、というより)
鼻先でバランス良くボールを支えるアシカ?
「😪💤」
倒れる前に、そっと倒してあげることにした。
「むにゃむにゃ…」
「ごめんね、木之本くん」
空になった湯呑みを片付けに、横になったなつみを残し、部屋を出て行った。
目が覚めると、何故かなつみは藍染に負ぶられていた。
「あれっ…?」
「起きたかい?」
「やっぱり寝ちゃってた💦すみません、藍染隊長。歩きます。降ろしてください」
藍染の背中の上で、顔を拭き拭き、ちょっと暴れる。
「大丈夫だよ。部屋まで連れて行くから」
「うぅ、でも💦」
「今は、これくらいしかしてあげられないから」
「うぅぅ、すみません」
縮こまり、どんどんと覚醒が進んでいく。
「あッ‼️‼️」
「どうしたの?」
「いえッ💦ちょっと、変な夢を見ちゃって」
「どんな?」
「///💦」
答えられなかった。そんな内容だった。なつみの脚を持つ藍染の腕と手の感触が、気になって仕方ない。
(サイッテーだ)
「京楽隊長の夢でしょ」
「‼️‼️」
「寝言、言ってた。にこにこして」
(やばぁ💦)
「好きなんだね、あの人のこと」
それにも答えられない。恥ずかしくて、藍染の背中にくっ付いた。
「すみませんっ…」
「謝られる方がつらいよ」
なつみが見た夢。藍染がそばにいたのに、京楽のことを思っていた。デートの約束をして、意識していたからだろうか。彼女は、京楽と身体を交える夢を見てしまっていたのだ。藍染の部屋で、藍染がいるところで。
(ぼくって、最低だ)
藍染の表情は伺えない。しかし、どうやらなつみの明日は無事に来そうだ。
(変な夢か)