第五章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
戦士は鬼の心を持つ。襲いかかる敵から身を守り、勝利するために。そこには正義がある。美しい信念がある。だから許される。後悔しなくて良い。全ては自分と、自分を愛してくれる大切な者たちのために。殺めることは正しいこと。
本当にそれで良いの?
正しいって、何……?
なつみは、藍染の言葉を聴いても、背中をさすってもらっても、迷うばかりだった。市丸とした約束の内容とまるで違う。強くなるのは、負けないためで、勝つためじゃないのに。
膝の上で、きゅっと両の拳を握っていた。その戸惑いを読んで、藍染はそっと自身の手を、なつみの小さな手の上に被せた。
「すまない。困らせてしまったね」
わかっている。この子はいつだって誰かのためを想って、勇気を出して現状を変化させ、幸せを目指そうとする。その幸せは、命全部に与えられるべきものと信じて。
「僕が今話したことを、君が受け入れられないんだったら、それでもかまわない。ただ知っていて欲しい。君以外の席官に就いている隊士は皆、自らの正義に則り、悪しき者の命を狩る覚悟を持っている。君の友人も、君の憧れる先輩も、隊長も、僕も。ここでの強さとは、そういうことだ」
間違ってる。
「間違っているかな」
間違ってる。
「君としては、間違っているよね。…、うん。別の話をしよう」
藍染は姿勢を改め、少し距離を取った。
「隊首会で、君の話がされた時のことだけど、総隊長が仰ってたんだ。
どんな力にも、対等で相反するものが存在する。その均衡が保たれることで、世界が成り立っているんだって。光と影のように。
君はもちろん光の力だよ。だけど、その反対にある影の力も、どこかにある。それがいつ、どれくらいの規模で暴れ出すのか、総隊長は危惧されているんだよ。そして、その力を止めるのが、君であると信じてらっしゃる。君に戦ってもらいたいんだよ」
「…、そんな大役、ぼくなんかが」
「君がどう思おうと、敵は襲いかかってくるよ」
それでも間違ってると思える。
「光と影は敵同士じゃありません。ふたつは違うものですが、寄り添っていけます。違うからって、仲が悪いわけじゃないです。戦う理由が無ければ、ぼくは総隊長のお願いでも、すぐには従いません!どれだけ怒られても、間違ってると思ったら、間違ってるって言いたい!不要な戦いは、不要ですから!」
なつみは藍染の目をまっすぐに見て訴えた。その態度に、思わず藍染の笑みが溢れた。
「やっぱり君は変わっているね(笑)」
真面目に話したのに笑われて、なつみはプンッとした。
「好きだよ、木之本くん」
まじまじと見つめられて言われるものだから、今度はびっくりしてしまった。
「な、なん、何ですか!急に‼︎///」
そんな変な意味ではないはず…、恐らく。
「ごめん。つい。…、面白い子だなーと思って」
んー?と顔をしかめて、どこがおかしかったのか振り返ろうと、視線を藍染から外して、別の方を見たら、ふと、大将と目があってしまった。
「あわっ///」
明らかに、今の甘い言葉のやり取りを全部聞いちゃったと思われるニヤニヤが、大将の表情に出ていた。
(いやいや、ごゆっくりじゃねーよ!大将‼︎///)
おくちチャックからの、目を閉じて耳を塞ぐジェスチャー。そして退散!
(絶対言いふらすでしょー‼︎‼︎💦)
「木之本くん」
「はい‼︎‼︎💦」
慌てて視線を戻す。
「僕、決めたよ」
「何をです?💦」
面倒事は勘弁だぜ、と身構えた。
「君がわがままを通すなら、僕もわがままを通させてもらおう」
(何だ、何だ、何だってんだよぉ💦)
「君への鬼道の稽古、絶対辞めないからね」
「😣💦💦💦」
思っていた内容と違って、リアクションに困ったなつみ。
「向いてないとか、上手くできないとか、そんな理由で辞めてもらいたくないのもあるけど、それだけじゃないんだ。総隊長に頼まれて、君の面倒を見てるのもあるけど、僕はその使命感だけで動いてるわけじゃない。僕は、君といる時間が欲しいんだ。君と一緒にいたいんだよ…」
「どうしてですか…?///」
ちょっとだけ照れてるように見えるのは気のせい?
「君といる時くらいなんだ、僕が本当に楽しくて笑っているのは」
そう言われて悪い気はしないが、ちょっと待てよ。
「藍染隊長が笑ってるのって、ぼくがドジして失敗したり、運悪く痛い目見た時じゃないですか。人の不幸をケタケタ笑うなんて、サイテーですぅっ‼︎」ぷんすかして、ぽこぽこと藍染を叩いて、撃退を試みる。「この悪者めー!」
ぽこぽこ。
「あはは、ごめんって。僕だって悪いと思ってるよ。でも、かわいくておもしろいから、つい笑ってしまうんだ(笑)」
「謝ってる人の態度じゃないですぅっ‼︎」
ぽこぽこする手を藍染はすっと掴むと、大事そうに包み込んだ。
「君と会えない日は退屈で仕方ない。君が会いに来てくれるのを、いつも楽しみにしているよ。日々の疲れが取れるようでね。君は僕の癒しなんだよ。
…、ね、僕のためにも、続けてくれないか。今夜も、その後も。君と過ごす時間が欲しいんだ」
こんな場所で、そんな言葉を…、大将は裏に行ってていないから良いけど。なつみは、頼られて嬉しくて照れくさくて恥ずかしいのと、小バカにされるのを甘んじて受け入れるべきなのかで引っかかるのとで、気持ちがきゅるきゅるして、藍染を捉えようとする瞳もぱちぱちふるふる。お返事に困る唇は、むきゅっむきゅっと結ばれている。
「もっと…、困らせてしまったかな」
第一のプラン: 鬼道の稽古を辞める。藍染が会いたいと言うなら、遊びに行く。しかしそれは、ただのデートじゃないか!親衛隊に刺される。却下だ。
第二のプラン: 鬼道の稽古を続ける。上達は見込めない。それでも藍染に会いに行ける。つまり、藍染の気分はいくらか晴れるかもしれないが、なつみの気分は曇るばかりという未来。
どちらを取る。それとも、第三のプランが?
「あ!そうだ」
悩むなつみの面白い顔を見て、藍染が何かを閃いたらしい。
「詠唱が嫌なら、自分で作れば?」
「へ❓😦」
そんなこと。
「君ならできるよ。君には、不思議な力があるんだから。君が選んだ言葉なら、君の想いが乗る。それなら、周囲の霊子も、喜んで君に力を貸したくなるはずだ。みんなとやり方は違うけど、同じ結果を得られるんじゃないかな。どうだい?こっちの方法で鬼道を極めていくっていうのは」
「それができるなら…」
良いのだろうが、可能なのか?なつみはぽかんとするばかり。
「羽ばたきとシラタキを間違えずに済むよ(笑)」
(うるさい‼︎💢)
「新しい詠唱を考えるなら、先生が必要だね🤔」
(あ…)
「誰が適任かな?🙂」
「(あぁ…)藍染隊長…」
「うん」
「(参りましたよ)よろしくお願いします」
「うん😌」
頷いたくせに、藍染は調子に乗ってしまったのか、意地悪くこう続けた。
「何をかな?😏」
「あー‼︎‼︎もうっ!ほんっとに悪い人!」
「だって、何をお願いされたのかわからないんだもん。木之本くん、僕にどうして欲しいの?」
他の人にこんな意地悪を言う藍染を見たことがない。逆に、藍染に対して「悪者!」と堂々と言う者もなつみだけだろう。2人はいつの間にか、上司と部下の関係、師弟の関係を通り越して、友人とも家族とも似た仲になっていた。悪口もお互いをからかうための遊び。握った手をぶんぶん振りながら歩くような。
「さっきまでぼくに主導権あったのに!何この形成逆転ッ」
「僕は隊長。君は、…二十席(笑)」
「隊が違います‼︎‼︎」
「関係無いよ」
(そうだけど💢)
「教えて、君の気持ち」
何やらムカムカとしてきたので、なつみは立ち上がって、胸を張って言い放ってやった。自分と、彼のために。
「そんっなに藍染隊長が、どーしてもって言うなら、そのお願い、きいてあげますよ!鬼道のご指導、引き続きよろしくお願いします!できが悪くても、文句言わないでくださいよ!」
これが上の者に物を頼む態度かしら。
「僕は文句を言った覚えが無いな」
そう、文句タラタラはなつみの方。
「ふんっ😤」
なつみはバッと右手を差し出した。その意図を理解した藍染も、自身の右手を差し出す。2人は交渉成立の握手を交わす。
「あはっ、君は本当に変わってるよ(笑)」
普通に握ってから、なつみがスッと持ち替えて、藍染の親指の付け根を掴むように握り直したものだから、互いの距離がぐっと縮まったのだ。
「えっへへ😆」
「さぁ、早く食べてしまおう。稽古の時間が無くなってしまう」
元の席に戻る前に、なつみの頭をこれでもかと撫でてやる。
「はぁいッ😁」
気になる大将の視線はというと、ご安心ください、しっかりと2人の睦まじさを捉えておりました。
(またのご来店、お待ちしております。藍染様☺️)
本当にそれで良いの?
正しいって、何……?
なつみは、藍染の言葉を聴いても、背中をさすってもらっても、迷うばかりだった。市丸とした約束の内容とまるで違う。強くなるのは、負けないためで、勝つためじゃないのに。
膝の上で、きゅっと両の拳を握っていた。その戸惑いを読んで、藍染はそっと自身の手を、なつみの小さな手の上に被せた。
「すまない。困らせてしまったね」
わかっている。この子はいつだって誰かのためを想って、勇気を出して現状を変化させ、幸せを目指そうとする。その幸せは、命全部に与えられるべきものと信じて。
「僕が今話したことを、君が受け入れられないんだったら、それでもかまわない。ただ知っていて欲しい。君以外の席官に就いている隊士は皆、自らの正義に則り、悪しき者の命を狩る覚悟を持っている。君の友人も、君の憧れる先輩も、隊長も、僕も。ここでの強さとは、そういうことだ」
間違ってる。
「間違っているかな」
間違ってる。
「君としては、間違っているよね。…、うん。別の話をしよう」
藍染は姿勢を改め、少し距離を取った。
「隊首会で、君の話がされた時のことだけど、総隊長が仰ってたんだ。
どんな力にも、対等で相反するものが存在する。その均衡が保たれることで、世界が成り立っているんだって。光と影のように。
君はもちろん光の力だよ。だけど、その反対にある影の力も、どこかにある。それがいつ、どれくらいの規模で暴れ出すのか、総隊長は危惧されているんだよ。そして、その力を止めるのが、君であると信じてらっしゃる。君に戦ってもらいたいんだよ」
「…、そんな大役、ぼくなんかが」
「君がどう思おうと、敵は襲いかかってくるよ」
それでも間違ってると思える。
「光と影は敵同士じゃありません。ふたつは違うものですが、寄り添っていけます。違うからって、仲が悪いわけじゃないです。戦う理由が無ければ、ぼくは総隊長のお願いでも、すぐには従いません!どれだけ怒られても、間違ってると思ったら、間違ってるって言いたい!不要な戦いは、不要ですから!」
なつみは藍染の目をまっすぐに見て訴えた。その態度に、思わず藍染の笑みが溢れた。
「やっぱり君は変わっているね(笑)」
真面目に話したのに笑われて、なつみはプンッとした。
「好きだよ、木之本くん」
まじまじと見つめられて言われるものだから、今度はびっくりしてしまった。
「な、なん、何ですか!急に‼︎///」
そんな変な意味ではないはず…、恐らく。
「ごめん。つい。…、面白い子だなーと思って」
んー?と顔をしかめて、どこがおかしかったのか振り返ろうと、視線を藍染から外して、別の方を見たら、ふと、大将と目があってしまった。
「あわっ///」
明らかに、今の甘い言葉のやり取りを全部聞いちゃったと思われるニヤニヤが、大将の表情に出ていた。
(いやいや、ごゆっくりじゃねーよ!大将‼︎///)
おくちチャックからの、目を閉じて耳を塞ぐジェスチャー。そして退散!
(絶対言いふらすでしょー‼︎‼︎💦)
「木之本くん」
「はい‼︎‼︎💦」
慌てて視線を戻す。
「僕、決めたよ」
「何をです?💦」
面倒事は勘弁だぜ、と身構えた。
「君がわがままを通すなら、僕もわがままを通させてもらおう」
(何だ、何だ、何だってんだよぉ💦)
「君への鬼道の稽古、絶対辞めないからね」
「😣💦💦💦」
思っていた内容と違って、リアクションに困ったなつみ。
「向いてないとか、上手くできないとか、そんな理由で辞めてもらいたくないのもあるけど、それだけじゃないんだ。総隊長に頼まれて、君の面倒を見てるのもあるけど、僕はその使命感だけで動いてるわけじゃない。僕は、君といる時間が欲しいんだ。君と一緒にいたいんだよ…」
「どうしてですか…?///」
ちょっとだけ照れてるように見えるのは気のせい?
「君といる時くらいなんだ、僕が本当に楽しくて笑っているのは」
そう言われて悪い気はしないが、ちょっと待てよ。
「藍染隊長が笑ってるのって、ぼくがドジして失敗したり、運悪く痛い目見た時じゃないですか。人の不幸をケタケタ笑うなんて、サイテーですぅっ‼︎」ぷんすかして、ぽこぽこと藍染を叩いて、撃退を試みる。「この悪者めー!」
ぽこぽこ。
「あはは、ごめんって。僕だって悪いと思ってるよ。でも、かわいくておもしろいから、つい笑ってしまうんだ(笑)」
「謝ってる人の態度じゃないですぅっ‼︎」
ぽこぽこする手を藍染はすっと掴むと、大事そうに包み込んだ。
「君と会えない日は退屈で仕方ない。君が会いに来てくれるのを、いつも楽しみにしているよ。日々の疲れが取れるようでね。君は僕の癒しなんだよ。
…、ね、僕のためにも、続けてくれないか。今夜も、その後も。君と過ごす時間が欲しいんだ」
こんな場所で、そんな言葉を…、大将は裏に行ってていないから良いけど。なつみは、頼られて嬉しくて照れくさくて恥ずかしいのと、小バカにされるのを甘んじて受け入れるべきなのかで引っかかるのとで、気持ちがきゅるきゅるして、藍染を捉えようとする瞳もぱちぱちふるふる。お返事に困る唇は、むきゅっむきゅっと結ばれている。
「もっと…、困らせてしまったかな」
第一のプラン: 鬼道の稽古を辞める。藍染が会いたいと言うなら、遊びに行く。しかしそれは、ただのデートじゃないか!親衛隊に刺される。却下だ。
第二のプラン: 鬼道の稽古を続ける。上達は見込めない。それでも藍染に会いに行ける。つまり、藍染の気分はいくらか晴れるかもしれないが、なつみの気分は曇るばかりという未来。
どちらを取る。それとも、第三のプランが?
「あ!そうだ」
悩むなつみの面白い顔を見て、藍染が何かを閃いたらしい。
「詠唱が嫌なら、自分で作れば?」
「へ❓😦」
そんなこと。
「君ならできるよ。君には、不思議な力があるんだから。君が選んだ言葉なら、君の想いが乗る。それなら、周囲の霊子も、喜んで君に力を貸したくなるはずだ。みんなとやり方は違うけど、同じ結果を得られるんじゃないかな。どうだい?こっちの方法で鬼道を極めていくっていうのは」
「それができるなら…」
良いのだろうが、可能なのか?なつみはぽかんとするばかり。
「羽ばたきとシラタキを間違えずに済むよ(笑)」
(うるさい‼︎💢)
「新しい詠唱を考えるなら、先生が必要だね🤔」
(あ…)
「誰が適任かな?🙂」
「(あぁ…)藍染隊長…」
「うん」
「(参りましたよ)よろしくお願いします」
「うん😌」
頷いたくせに、藍染は調子に乗ってしまったのか、意地悪くこう続けた。
「何をかな?😏」
「あー‼︎‼︎もうっ!ほんっとに悪い人!」
「だって、何をお願いされたのかわからないんだもん。木之本くん、僕にどうして欲しいの?」
他の人にこんな意地悪を言う藍染を見たことがない。逆に、藍染に対して「悪者!」と堂々と言う者もなつみだけだろう。2人はいつの間にか、上司と部下の関係、師弟の関係を通り越して、友人とも家族とも似た仲になっていた。悪口もお互いをからかうための遊び。握った手をぶんぶん振りながら歩くような。
「さっきまでぼくに主導権あったのに!何この形成逆転ッ」
「僕は隊長。君は、…二十席(笑)」
「隊が違います‼︎‼︎」
「関係無いよ」
(そうだけど💢)
「教えて、君の気持ち」
何やらムカムカとしてきたので、なつみは立ち上がって、胸を張って言い放ってやった。自分と、彼のために。
「そんっなに藍染隊長が、どーしてもって言うなら、そのお願い、きいてあげますよ!鬼道のご指導、引き続きよろしくお願いします!できが悪くても、文句言わないでくださいよ!」
これが上の者に物を頼む態度かしら。
「僕は文句を言った覚えが無いな」
そう、文句タラタラはなつみの方。
「ふんっ😤」
なつみはバッと右手を差し出した。その意図を理解した藍染も、自身の右手を差し出す。2人は交渉成立の握手を交わす。
「あはっ、君は本当に変わってるよ(笑)」
普通に握ってから、なつみがスッと持ち替えて、藍染の親指の付け根を掴むように握り直したものだから、互いの距離がぐっと縮まったのだ。
「えっへへ😆」
「さぁ、早く食べてしまおう。稽古の時間が無くなってしまう」
元の席に戻る前に、なつみの頭をこれでもかと撫でてやる。
「はぁいッ😁」
気になる大将の視線はというと、ご安心ください、しっかりと2人の睦まじさを捉えておりました。
(またのご来店、お待ちしております。藍染様☺️)