第四章
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飲み食いした直後に歯磨きをするのは、なんだか良くない気がするなつみは、寝床となるソファベッドにちょこんと座った。
(ぽかぽかする…。お風呂入ったからかな…)
レンとハルとクーちゃんは床に座り、ローテーブルを囲んで、コテージに置いてあったUNOで遊んでいる。なつみはその様子をぽけーっと見ていた。
李空と尾田は、3人掛けソファにいた。李空は読書。尾田は腕を組み、目を閉じた険しい表情で顔を天井に向けていた。なつみの裸を見てしまったことによる、あらぬ想像をしないよう、努力しているようだ。実は李空も同じ葛藤をしており、何分とページをめくっていない。
UNOの戦況は、レンが既に上がっていて、テレビで音楽番組を見ていた。
「ギター弾きたくなってきたなぁ」
ハルとクーちゃんの手持ちを確認。
「お前らさ、UNOって手札を減らすゲームよ。2人揃ってナニ増やしてんの(笑)」
「わかってるよ!」
「これでも、鬼のドロ4、3レン攻撃から減らした方だっつの!」
「あっはは!しょうがない。あの頃の俺には、それしか出せるものが無かった。お、RIP SLYMEやるじゃん。木之本 、好きじゃんね😄」
テレビから流れてきたのは、POPCORN NANCY。
「うん」
ご機嫌な1曲を聴き終えると、なつみは立ち上がった。そろそろ歯を磨かなければ。
尾田がまだあの体勢を続けているのを、立ち止まって見つめた。寝ているのかと、確認しているようだ。
「気にすんな。具合悪いわけじゃねーから。そっとしといてやれ」
と、レンは言った。
裸を見せたことを、一応反省しているらしい首の俯き加減、…かと思われたが。
ぷちゅ
「え…?」
ちゅぅ、ちゅぷ、かぷっ
「………ッ⁉️///」
李空がふざけてるのかと思いきや、尾田の目の前にあったのは、絶賛片思い中のなつみの顔。
(木之本が俺にキス⁉️嘘だろ💦)
背もたれ越しだが身を乗り出して尾田の口にしゃぶりつくなつみにびっくりして、尾田は口を開けてしまう。するとすぐになつみの舌が侵入してきた。
「んぐッ!(うわぁあっ、ディープキス⁉︎これがディープキスか‼︎💦)」
息苦しいのか、尾田はなつみから逃げるように下がりたいが、背もたれがあり、動けない。ただただソファの背を落ち着きなく掴んだり離したりするだけ。
ちゅぷんっ
なつみが気が済んだように尾田を放すと、尾田はくてんと気を失った。
「尾田ーッ‼️‼️」
なつみの奇行に目を奪われて、放心状態だった4人はハッと我に返った。
「何してんだよ!木之本!」
「にっひひひひひ」
「怖い、笑い方が怖すぎる😨」
そろーっと、なつみは李空の方へ首を傾げていく。
「李空も…、ちゅー…する?」
「ひぃッ」
読んでいた本を閉じて、胸のところでぎゅっと握りしめる乙女ポーズな李空。恐怖で固まったが最後。もう餌食である。
ちゅぅぅぅぅうっ😚‼️
「んーーーーーッ‼️💦」
「李空ーーーッ‼️」
なつみを止めようと、ハルがカードを置いて駆けつけたが。
「縛道の八、斥」
李空と自分の唇が触れるだけの距離に離して唱え、なつみは霊子の盾を作った。
「イテッ‼️」
ハルは突き飛ばされた。
なつみにされるがままの李空に、いつもの威勢は無い。
「ん、んんっ///」
なんなら、みんなから見えない方の手で、なつみのパジャマを掴んでいた。キスの心地良さというものを発見してしまい、状況を忘れて、もっともっとと思ってしまったのか。
なつみが離れると、尾田と同じく、李空も果てた。
「キスだけでイクなよ、童貞兄弟😓」
「そんなに木之本がうまいのか」
「興味持つなって‼️」
「ちゅーするー😚」
「「「‼️💦💦」」」
次のターゲットはレンらしい。
「ちゅー!ちゅー!」
「しーなーいーっ!コイツらが見てる前でするもんか!」
腕を伸ばして迫るなつみを、それより長い腕で止めるレン。だが、なかなかに。
「こんのっ、バカヂカラッ」腕がプルプルする。「しないったら、しなーいっ‼️」
それで、ムッとして諦めたなつみはハルにお願いする。
「ハルー。ちゅう!」
「俺も今は遠慮しとこうかな。ごめんな」
むぅーっと唸って、クーちゃんの方を向いたが、姿がなかった。キッチンに移動していたらしい。
「あー、やっぱりそうだ。ほら、なつみってばワイン飲んでる」
冷蔵庫から、未開封でジュースのラベルが付いた瓶と飲みかけでラベルの無い瓶を取り出した。
「あ!おまけでもらった、新商品のサンプル。誰も飲んでなかったんだ。てか、すっかり忘れてた」
「ラベル見てから飲めよ…、って、小さい方としか言わなかった俺が悪いか」
3人が事態を理解し始める中。
「ちゅーするー!ちゅうー!」
なつみは訴え続けた。
「市丸隊長が木之本に酒を飲ませない理由がわかったね」
「あぁ。コイツ、酔っ払うとキス魔になるんだ。そりゃ禁止するはずだわ😓」
「ちゅっちゅー!」
酔っ払っているとわかれば、まず初めの対処法。
「なつみ、おいで。ちゅーの前に、水飲んで」
おいでと言われたから、そちらに向かう。ダイニングテーブルのところまで出てきたクーちゃんに水の注がれたグラスを渡されると、大人しく口に運んでいく。
「にしても、コイツら、幸せそーにイッちゃってんね」
「良いなー、初めてが木之本とか」
クイッ
ダンッ
ガシッ
ぶちゅぅーーーッ‼️
「ぅんーーーーーッ‼️⁉️💦」
テーブルは、勢いよく置かれたグラスから溢れた水で濡れている。テーブルのその向こう、背伸びをして、クーちゃんの首根っこにしがみつき、無理矢理唇を奪うなつみが。接する時間が経つにつれ、徐々にクーちゃんの膝は崩れていく。そして、パタリと倒れた。
「「久原ーーーッ‼️」」
「けへへへへ…」
口元を手の甲で拭うなつみ。ぺろり、舌なめずり。
刹那、残る2人の目の前になつみがパッと姿を現した。その時、とっさに危機を感じたハルが唱える。
「縛道の一、塞‼︎」
「あわっ」
鬼道のやり返しをくらって、なつみは手足を拘束された。2人の足もとに倒れ、もぞもぞと抗う。
「ありがと、ハル」
「うん。なんか、ヤバそうな気がしたから」
それから「うーん」と考えるレン。
「どうした」
「変だよな。久原まで気絶するなんて。それに、童貞兄弟はまだ起きないし。…、酔っ払いキス魔って、暴走…だよな?」
「ある意味」
「今、能力使ってたよな」
「瞬歩じゃなかったね」
「木之本って、暴走を止めてもらうために、斬魄刀の名前変えたんだよな」
「ちょっと…、怖いこと言わないでよ」
「けど、そうに違いないって、これ」
夢現天道子まで、酔っ払ってるッ…‼️‼️
頬を赤らめてニヤついたヒヨコの顔が薄っすら見えたような。
「でも、抜いてないんだよ⁉︎抜刀しなきゃ、始解なんて」
「知るかよ!木之本に常識なんて通じないのは当たり前だろ!とにかく今、世界存続の危機だ。コイツの斬魄刀がどう暴れるかわからねぇ。わかってることは、コイツにキスされたら、気を失うってこと。そうなれば、この暴走を食い止める術は無くなる。俺たち2人でなんとか、コイツが力尽きて寝るまで、このコテージから出さないようにしなきゃ」
「ケイジはまだかよ!シコってんのか⁉︎」
「アイツはいつも長風呂なの」
「女子かよ‼︎まぁいいか。うーん、この雨だし、外出て暴れることはないんだろうけど。まったく、ワイン1杯でこんな大事になるなんて」
「隊長は危惧してたんだな。キス魔が怖いんじゃなくて、斬魄刀に暴走させたくなかったんだ」
「なんてめんどうな…、あれ?」
ハルが動きを止めていたはずのなつみが足もとにいない。
「あれ⁉︎木之本⁉︎どこだ‼︎」
キッチン、テーブルの下、ソファの裏、あちこち視線を走らせたが見当たらない。するとどこからか。
「危険があぶない😈」
ストンッ
クルッ
「うわ、んぐーーーッ‼️⁉️」
レンの視線の横で何かが降ってきて、隣にいたはずのハルが、押し倒され、ひっくり返され、その何かに襲われた。
ちゅぅぅーーーっ😚💓
「天井にいたのか。コウモリかよ」
というよりも、ヴァンパイアだ。
「ハルから離れろ、木之本‼︎︎」
馬乗りななつみの両肩を掴んで、ハルから引き離そうとするが、びくともしない。
「ぐおぉぉ‼️💦」
下敷きにされているハルは、幸いまだ意識があるらしく、抵抗し、なつみをどけようと、彼女の背に腕を伸ばした。
「はぁっ、んっ、木之本っ…」
息を継ぐ間に漏れる声。
「はる」
どうやら、名前を呼ぶのは反則らしい。
「ハルー!がんばれー!負けるなーッ!」
ふぎーっ!となつみを剥がそうとするレンの想いに答えるように、ハルの腕に力が込められた。
ごめんなさい。負けました。
「ハルーーーッ⁉️」
なつみを引っぺがすはずの手は、なつみの腰に回され、もう一方の手で生乾きの頭を押さえた。明らかに、なつみを引き寄せている。
(最高かよ💞)
甘美な感触に身を委ねると、意識はどんどん幸福感に押し潰され、心はその場に止まっていられなくなる。力が抜けると共に、気が遠く薄れていった。
「やられたか…」
ハルが動かなくなり、レンの望む通りになつみはハルから離れた。ころんと寝転んで、ニヒニヒと笑う。
「縛道の四、這縄」
念のため、なつみを縛って身動きを封じた。小脇に抱えてケイジのところに行こうと、廊下へのドアを開けようとしたが。
(ちょっと待てよ。そういえば、久原が言ってたこと…)
『なつみ、おいで。ちゅーの前に、水飲んで』
雀の涙ほどしか飲まなかったか、もしくはひと口含んで、クーちゃんに水を口移ししたのかわからないが、クーちゃんの言った通りに事が進んだ。
(ハルは…)
『俺も今は遠慮しとこうかな。ごめんな』
(『今は』…)
それを言った後、クーちゃんが襲われ、その次にハルが襲われた。ならば自分は…。
腕の中で、するりと抜け出す感覚があった。そのまま背後で浮遊するそれは、怪しく口角を上げていた。
「もう、誰も、見てない、よ……」
振り向くと、邪悪な笑みが迫っていた。
「イヤアーーーーーーーー…ぁあんっ❤️」
ケイジがリビングに戻ってくるとびっくり。みんな眠ってしまっていた。
「どうなってんだよ💧」
雨音とシャワーの音で内容こそ聞き取れなかったが、賑やかにはしゃいで遊んでいるらしいことはわかっていた。
「ソファ組はまだ良いよ。何で床に直寝してんだよ」
特に不思議なのは、レンに片足掴まれたままうつ伏せに、廊下へつながるドアの前で倒れているなつみ。部屋に入る際、ケイジは気付かずになつみの手を軽く蹴ってしまっていた。
「後でレンに説明してもらおう」
とりあえずは。
「木之本、寝るなら布団で寝ろ。起きろぉ」
なつみのソファベッドはすぐそこ。コイツだけでもと、背中を揺すって起こしてやる。
「んん…、けいじ…」
ケイジはなつみの足からレンの手を外し、彼女が寝返りをして、こちらを見てくれるのを隣に座って待った。寝ぼけて呼ばれる自分の名前に、どこか色気を感じながら。
(困ったヤツだな、ほんと///)
なつみは横向きに体勢を変え、枕代わりに自分の両手を重ねて敷いた。
「ベッドに連れてってやる。上体起こせ」
「うん…」
上目遣いからの、眠そうに微笑みながら頷く。
(ズルい)
腕を使って、仰向けで起き上がるなつみ。すると、その姿勢は更にズルかった。
(⁉️///)
ケイジは見てしまったのだ。パジャマ越しにもはっきりとわかる2つの膨らみとその先の突起を。
(ノーブラ⁉️散々パンツ見せておいて、ブラは無しだと⁉️///)
先程のバスタオルはらり事件では背面しか見ておらず、まさか正面まで見せつけられるとは思っていなかった。まさか、服を着たままの方がそそられるなんて。
カチコチに強張って、その場から動けなくなったケイジ。なつみを下からすくって抱きかかえるはずが、何もできなくなってしまった。
「ケイジ…」
動けないケイジより先に、なつみが彼の首へ腕を伸ばし始めた。だがその腕が捕らえたのは、ケイジの首にかけられたタオルだった。それをグイッと引き寄せ。
ちゅ…
(えっ…?)
そのままくっついて離れない2人。
ちゅぅ、くちゅ、はぷ、ちゅぷ、ちゅる…
(え…、え…?えー…、い、いいの…?えー…)
「えー」と思っている間に、ケイジの意識は遠のいていった。
(えー…?)
パタリ。
よいしょと立ち上がり、なつみはソファベッドへ歩いて向かう。もそもそと布団に潜り込み、このセリフと共におやすみなさい。
「コンプリートぉほほ🥰」
(ぽかぽかする…。お風呂入ったからかな…)
レンとハルとクーちゃんは床に座り、ローテーブルを囲んで、コテージに置いてあったUNOで遊んでいる。なつみはその様子をぽけーっと見ていた。
李空と尾田は、3人掛けソファにいた。李空は読書。尾田は腕を組み、目を閉じた険しい表情で顔を天井に向けていた。なつみの裸を見てしまったことによる、あらぬ想像をしないよう、努力しているようだ。実は李空も同じ葛藤をしており、何分とページをめくっていない。
UNOの戦況は、レンが既に上がっていて、テレビで音楽番組を見ていた。
「ギター弾きたくなってきたなぁ」
ハルとクーちゃんの手持ちを確認。
「お前らさ、UNOって手札を減らすゲームよ。2人揃ってナニ増やしてんの(笑)」
「わかってるよ!」
「これでも、鬼のドロ4、3レン攻撃から減らした方だっつの!」
「あっはは!しょうがない。あの頃の俺には、それしか出せるものが無かった。お、RIP SLYMEやるじゃん。木之本 、好きじゃんね😄」
テレビから流れてきたのは、POPCORN NANCY。
「うん」
ご機嫌な1曲を聴き終えると、なつみは立ち上がった。そろそろ歯を磨かなければ。
尾田がまだあの体勢を続けているのを、立ち止まって見つめた。寝ているのかと、確認しているようだ。
「気にすんな。具合悪いわけじゃねーから。そっとしといてやれ」
と、レンは言った。
裸を見せたことを、一応反省しているらしい首の俯き加減、…かと思われたが。
ぷちゅ
「え…?」
ちゅぅ、ちゅぷ、かぷっ
「………ッ⁉️///」
李空がふざけてるのかと思いきや、尾田の目の前にあったのは、絶賛片思い中のなつみの顔。
(木之本が俺にキス⁉️嘘だろ💦)
背もたれ越しだが身を乗り出して尾田の口にしゃぶりつくなつみにびっくりして、尾田は口を開けてしまう。するとすぐになつみの舌が侵入してきた。
「んぐッ!(うわぁあっ、ディープキス⁉︎これがディープキスか‼︎💦)」
息苦しいのか、尾田はなつみから逃げるように下がりたいが、背もたれがあり、動けない。ただただソファの背を落ち着きなく掴んだり離したりするだけ。
ちゅぷんっ
なつみが気が済んだように尾田を放すと、尾田はくてんと気を失った。
「尾田ーッ‼️‼️」
なつみの奇行に目を奪われて、放心状態だった4人はハッと我に返った。
「何してんだよ!木之本!」
「にっひひひひひ」
「怖い、笑い方が怖すぎる😨」
そろーっと、なつみは李空の方へ首を傾げていく。
「李空も…、ちゅー…する?」
「ひぃッ」
読んでいた本を閉じて、胸のところでぎゅっと握りしめる乙女ポーズな李空。恐怖で固まったが最後。もう餌食である。
ちゅぅぅぅぅうっ😚‼️
「んーーーーーッ‼️💦」
「李空ーーーッ‼️」
なつみを止めようと、ハルがカードを置いて駆けつけたが。
「縛道の八、斥」
李空と自分の唇が触れるだけの距離に離して唱え、なつみは霊子の盾を作った。
「イテッ‼️」
ハルは突き飛ばされた。
なつみにされるがままの李空に、いつもの威勢は無い。
「ん、んんっ///」
なんなら、みんなから見えない方の手で、なつみのパジャマを掴んでいた。キスの心地良さというものを発見してしまい、状況を忘れて、もっともっとと思ってしまったのか。
なつみが離れると、尾田と同じく、李空も果てた。
「キスだけでイクなよ、童貞兄弟😓」
「そんなに木之本がうまいのか」
「興味持つなって‼️」
「ちゅーするー😚」
「「「‼️💦💦」」」
次のターゲットはレンらしい。
「ちゅー!ちゅー!」
「しーなーいーっ!コイツらが見てる前でするもんか!」
腕を伸ばして迫るなつみを、それより長い腕で止めるレン。だが、なかなかに。
「こんのっ、バカヂカラッ」腕がプルプルする。「しないったら、しなーいっ‼️」
それで、ムッとして諦めたなつみはハルにお願いする。
「ハルー。ちゅう!」
「俺も今は遠慮しとこうかな。ごめんな」
むぅーっと唸って、クーちゃんの方を向いたが、姿がなかった。キッチンに移動していたらしい。
「あー、やっぱりそうだ。ほら、なつみってばワイン飲んでる」
冷蔵庫から、未開封でジュースのラベルが付いた瓶と飲みかけでラベルの無い瓶を取り出した。
「あ!おまけでもらった、新商品のサンプル。誰も飲んでなかったんだ。てか、すっかり忘れてた」
「ラベル見てから飲めよ…、って、小さい方としか言わなかった俺が悪いか」
3人が事態を理解し始める中。
「ちゅーするー!ちゅうー!」
なつみは訴え続けた。
「市丸隊長が木之本に酒を飲ませない理由がわかったね」
「あぁ。コイツ、酔っ払うとキス魔になるんだ。そりゃ禁止するはずだわ😓」
「ちゅっちゅー!」
酔っ払っているとわかれば、まず初めの対処法。
「なつみ、おいで。ちゅーの前に、水飲んで」
おいでと言われたから、そちらに向かう。ダイニングテーブルのところまで出てきたクーちゃんに水の注がれたグラスを渡されると、大人しく口に運んでいく。
「にしても、コイツら、幸せそーにイッちゃってんね」
「良いなー、初めてが木之本とか」
クイッ
ダンッ
ガシッ
ぶちゅぅーーーッ‼️
「ぅんーーーーーッ‼️⁉️💦」
テーブルは、勢いよく置かれたグラスから溢れた水で濡れている。テーブルのその向こう、背伸びをして、クーちゃんの首根っこにしがみつき、無理矢理唇を奪うなつみが。接する時間が経つにつれ、徐々にクーちゃんの膝は崩れていく。そして、パタリと倒れた。
「「久原ーーーッ‼️」」
「けへへへへ…」
口元を手の甲で拭うなつみ。ぺろり、舌なめずり。
刹那、残る2人の目の前になつみがパッと姿を現した。その時、とっさに危機を感じたハルが唱える。
「縛道の一、塞‼︎」
「あわっ」
鬼道のやり返しをくらって、なつみは手足を拘束された。2人の足もとに倒れ、もぞもぞと抗う。
「ありがと、ハル」
「うん。なんか、ヤバそうな気がしたから」
それから「うーん」と考えるレン。
「どうした」
「変だよな。久原まで気絶するなんて。それに、童貞兄弟はまだ起きないし。…、酔っ払いキス魔って、暴走…だよな?」
「ある意味」
「今、能力使ってたよな」
「瞬歩じゃなかったね」
「木之本って、暴走を止めてもらうために、斬魄刀の名前変えたんだよな」
「ちょっと…、怖いこと言わないでよ」
「けど、そうに違いないって、これ」
夢現天道子まで、酔っ払ってるッ…‼️‼️
頬を赤らめてニヤついたヒヨコの顔が薄っすら見えたような。
「でも、抜いてないんだよ⁉︎抜刀しなきゃ、始解なんて」
「知るかよ!木之本に常識なんて通じないのは当たり前だろ!とにかく今、世界存続の危機だ。コイツの斬魄刀がどう暴れるかわからねぇ。わかってることは、コイツにキスされたら、気を失うってこと。そうなれば、この暴走を食い止める術は無くなる。俺たち2人でなんとか、コイツが力尽きて寝るまで、このコテージから出さないようにしなきゃ」
「ケイジはまだかよ!シコってんのか⁉︎」
「アイツはいつも長風呂なの」
「女子かよ‼︎まぁいいか。うーん、この雨だし、外出て暴れることはないんだろうけど。まったく、ワイン1杯でこんな大事になるなんて」
「隊長は危惧してたんだな。キス魔が怖いんじゃなくて、斬魄刀に暴走させたくなかったんだ」
「なんてめんどうな…、あれ?」
ハルが動きを止めていたはずのなつみが足もとにいない。
「あれ⁉︎木之本⁉︎どこだ‼︎」
キッチン、テーブルの下、ソファの裏、あちこち視線を走らせたが見当たらない。するとどこからか。
「危険があぶない😈」
ストンッ
クルッ
「うわ、んぐーーーッ‼️⁉️」
レンの視線の横で何かが降ってきて、隣にいたはずのハルが、押し倒され、ひっくり返され、その何かに襲われた。
ちゅぅぅーーーっ😚💓
「天井にいたのか。コウモリかよ」
というよりも、ヴァンパイアだ。
「ハルから離れろ、木之本‼︎︎」
馬乗りななつみの両肩を掴んで、ハルから引き離そうとするが、びくともしない。
「ぐおぉぉ‼️💦」
下敷きにされているハルは、幸いまだ意識があるらしく、抵抗し、なつみをどけようと、彼女の背に腕を伸ばした。
「はぁっ、んっ、木之本っ…」
息を継ぐ間に漏れる声。
「はる」
どうやら、名前を呼ぶのは反則らしい。
「ハルー!がんばれー!負けるなーッ!」
ふぎーっ!となつみを剥がそうとするレンの想いに答えるように、ハルの腕に力が込められた。
ごめんなさい。負けました。
「ハルーーーッ⁉️」
なつみを引っぺがすはずの手は、なつみの腰に回され、もう一方の手で生乾きの頭を押さえた。明らかに、なつみを引き寄せている。
(最高かよ💞)
甘美な感触に身を委ねると、意識はどんどん幸福感に押し潰され、心はその場に止まっていられなくなる。力が抜けると共に、気が遠く薄れていった。
「やられたか…」
ハルが動かなくなり、レンの望む通りになつみはハルから離れた。ころんと寝転んで、ニヒニヒと笑う。
「縛道の四、這縄」
念のため、なつみを縛って身動きを封じた。小脇に抱えてケイジのところに行こうと、廊下へのドアを開けようとしたが。
(ちょっと待てよ。そういえば、久原が言ってたこと…)
『なつみ、おいで。ちゅーの前に、水飲んで』
雀の涙ほどしか飲まなかったか、もしくはひと口含んで、クーちゃんに水を口移ししたのかわからないが、クーちゃんの言った通りに事が進んだ。
(ハルは…)
『俺も今は遠慮しとこうかな。ごめんな』
(『今は』…)
それを言った後、クーちゃんが襲われ、その次にハルが襲われた。ならば自分は…。
腕の中で、するりと抜け出す感覚があった。そのまま背後で浮遊するそれは、怪しく口角を上げていた。
「もう、誰も、見てない、よ……」
振り向くと、邪悪な笑みが迫っていた。
「イヤアーーーーーーーー…ぁあんっ❤️」
ケイジがリビングに戻ってくるとびっくり。みんな眠ってしまっていた。
「どうなってんだよ💧」
雨音とシャワーの音で内容こそ聞き取れなかったが、賑やかにはしゃいで遊んでいるらしいことはわかっていた。
「ソファ組はまだ良いよ。何で床に直寝してんだよ」
特に不思議なのは、レンに片足掴まれたままうつ伏せに、廊下へつながるドアの前で倒れているなつみ。部屋に入る際、ケイジは気付かずになつみの手を軽く蹴ってしまっていた。
「後でレンに説明してもらおう」
とりあえずは。
「木之本、寝るなら布団で寝ろ。起きろぉ」
なつみのソファベッドはすぐそこ。コイツだけでもと、背中を揺すって起こしてやる。
「んん…、けいじ…」
ケイジはなつみの足からレンの手を外し、彼女が寝返りをして、こちらを見てくれるのを隣に座って待った。寝ぼけて呼ばれる自分の名前に、どこか色気を感じながら。
(困ったヤツだな、ほんと///)
なつみは横向きに体勢を変え、枕代わりに自分の両手を重ねて敷いた。
「ベッドに連れてってやる。上体起こせ」
「うん…」
上目遣いからの、眠そうに微笑みながら頷く。
(ズルい)
腕を使って、仰向けで起き上がるなつみ。すると、その姿勢は更にズルかった。
(⁉️///)
ケイジは見てしまったのだ。パジャマ越しにもはっきりとわかる2つの膨らみとその先の突起を。
(ノーブラ⁉️散々パンツ見せておいて、ブラは無しだと⁉️///)
先程のバスタオルはらり事件では背面しか見ておらず、まさか正面まで見せつけられるとは思っていなかった。まさか、服を着たままの方がそそられるなんて。
カチコチに強張って、その場から動けなくなったケイジ。なつみを下からすくって抱きかかえるはずが、何もできなくなってしまった。
「ケイジ…」
動けないケイジより先に、なつみが彼の首へ腕を伸ばし始めた。だがその腕が捕らえたのは、ケイジの首にかけられたタオルだった。それをグイッと引き寄せ。
ちゅ…
(えっ…?)
そのままくっついて離れない2人。
ちゅぅ、くちゅ、はぷ、ちゅぷ、ちゅる…
(え…、え…?えー…、い、いいの…?えー…)
「えー」と思っている間に、ケイジの意識は遠のいていった。
(えー…?)
パタリ。
よいしょと立ち上がり、なつみはソファベッドへ歩いて向かう。もそもそと布団に潜り込み、このセリフと共におやすみなさい。
「コンプリートぉほほ🥰」