第三章
夢小説設定
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陽も大分上ってきた頃、二番隊舎近くまで来た。
「時間が微妙だからなぁ、お願いをちゃっとして、用事を早く済ませよう。迷惑になるだろうからね」
独り言をこぼしつつ、ずんずん進んでいく。正直、調子こいてしまっているため、今のところ怖いもの無しの状態だ。
隊舎前に着くと、なつみは門番に用件を伝え、中に入らせてもらおうとした。しかし、それはもう身勝手な要求であるために、門番は彼女を通すことを許さなかった。
「何でですか⁉︎お願いしに行くだけでも良いじゃないですか!」
「いけません。大体、誰に頼みに行くつもりなんですか」
「そっ、それは…(そりゃ、知り合いなんて1人もいないし、ツテなんか無いけど💦)」
「お帰りください」
「うぅッ」
あまりにも勢いに任せたノープランをかざしていたため、簡単に門前払いされてしまった。だが、諦めるのはまだ早い。この日のなつみの強運はズバ抜けて輝いていたのだ。肩を落とす彼女の前に、突如女神が現れる。
「お前、そこで何をしている!」
「あっ!砕蜂隊長、こんにちは‼️」
隊舎内から颯爽と門へやってきた砕蜂。なつみはペコッと頭を下げた。
「どうした」
砕蜂は門番に厳しい口調で問いかける。
「この者が、二番隊にて白打を学びたいと申しておりまして。追い返そうとしていたところです」
「貴様、何者だ!」
今度はなつみを睨む。
「三番隊第二十席、木之本なつみです!」
「誰に言われてここへ来た」
「あのっ、…独断です」
「何ッ⁉︎」
軽蔑を含んだ表情が出る。さっと踵を返し、なつみを切って捨てる。
「お前のような戯けに付き合っていられるほど、二番隊は暇ではない!帰れ!」
「そんなッ」
「お引取りを」となつみは門番に、砕蜂からも門からも遠ざけられる。と、残念がっている彼女にもチラリと見えたかもしれない大柄な人影がフラフラと隊舎から出てきた。その男、砕蜂の姿を見るや否や顔を真っ青にする。
「ゲッ⁉︎隊長‼︎何でこんな所に⁉︎」
なつみの件で少し苛立っていた砕蜂だったが、この男の行動のせいで更に気分を害した。
「大前田……。貴様、どこへ行くつもりだ」
「いや、ちょっと、うちの店で問題があったらしくて、急いで行かないと💦」
「仕事はどうした」
クナイを大前田の片頬に突きつけ、砕蜂は睨みつけた。
「たいちょッ!刺さってる!ちょっと刺さってる!」
「うるさい‼︎」
グッと更にクナイを押し付ける。
「やりましたよ!全部書類片付けてきましたよ!判が要るヤツは隊長の机に置いてきましたから!」
「嘘を付くな‼︎あれだけの量を半日で終わらせられるわけがないだろう!大方、飽きたか腹が減ったかで、早めの昼飯にでも行こうとしていたのだろう。この怠け者が‼︎」
「信じてくださいよォッ!💦」
砕蜂の読み通り、大前田の言い訳は全て嘘である。そんな状況を呆然と見ていたなつみと門番は、その場で固まっていた。それに気付いた大前田が話を変える。
「隊長、あっ、あいつは何なんですか。頭に包帯してるヤツ。何かあったんですか」
「急に話を変えて、私の気を逸らそうというのか、貴様」
完全に刺してやろうかと思った砕蜂だったが、何かを思いつき、大前田から手を離す。
「隊長?なっ、何笑って……」
「丁度良い。仕事をサボった罰として、この木之本とやらに特訓をつけてやれ」
「ハァ⁉︎」
「二番隊で白打を学びたいそうだ。お前が教えてやれ」
「そんな、何のために⁉︎てか、勝手すぎますよ!」
「黙れ!」
そして砕蜂はなつみに言った。
「月曜の夜、こいつは暇そうにしている。毎週でも来ると良い」
「えっ⁉︎隊長!月曜は店が休みだから時間があるだけで、暇じゃないっすよ‼︎」
「後輩を嫌々連れまわすことが暇つぶしなのだろう。そんなことはやめて、自らも鍛錬したらどうだ。というわけだ」
「いやいやいやいや!オレ、了解してねぇって!」
砕蜂は大前田の反応を完全に無視し、なつみの肩にぽんと手を置いた。
「明日からでも訪ねてこい」
「はっ、はい‼︎😃」
なつみは喜びで笑顔がこぼれる。
「マジかよー⁉️てか、どこのどいつだよ、お前ー‼️」
面倒に巻き込まれて、頭を抱える大前田の前に駆け寄り、なつみは頭を下げる。
「ご指導、よろしくお願いします!」
「お願いしますじゃねー‼︎‼︎」
「これまで手を抜いたら、わかっているだろうな……」
「何すか、隊長。何する気ですか⁉︎」
そして砕蜂はフッと笑いながら隊舎に戻っていく。その後を慌てて追う大前田。満足げにその背を見送るなつみ。少々呆れている門番。
「うまくいきました!」
「みたいですね……」
「ぅやった〜‼︎お邪魔しました~♪」
なつみはルンルンとその場から立ち去っていく。
「めっちゃコーフンするぅ‼️やっばーい‼️😆」
両手をぐーんと伸ばして、気分はもう最高だった。
「時間が微妙だからなぁ、お願いをちゃっとして、用事を早く済ませよう。迷惑になるだろうからね」
独り言をこぼしつつ、ずんずん進んでいく。正直、調子こいてしまっているため、今のところ怖いもの無しの状態だ。
隊舎前に着くと、なつみは門番に用件を伝え、中に入らせてもらおうとした。しかし、それはもう身勝手な要求であるために、門番は彼女を通すことを許さなかった。
「何でですか⁉︎お願いしに行くだけでも良いじゃないですか!」
「いけません。大体、誰に頼みに行くつもりなんですか」
「そっ、それは…(そりゃ、知り合いなんて1人もいないし、ツテなんか無いけど💦)」
「お帰りください」
「うぅッ」
あまりにも勢いに任せたノープランをかざしていたため、簡単に門前払いされてしまった。だが、諦めるのはまだ早い。この日のなつみの強運はズバ抜けて輝いていたのだ。肩を落とす彼女の前に、突如女神が現れる。
「お前、そこで何をしている!」
「あっ!砕蜂隊長、こんにちは‼️」
隊舎内から颯爽と門へやってきた砕蜂。なつみはペコッと頭を下げた。
「どうした」
砕蜂は門番に厳しい口調で問いかける。
「この者が、二番隊にて白打を学びたいと申しておりまして。追い返そうとしていたところです」
「貴様、何者だ!」
今度はなつみを睨む。
「三番隊第二十席、木之本なつみです!」
「誰に言われてここへ来た」
「あのっ、…独断です」
「何ッ⁉︎」
軽蔑を含んだ表情が出る。さっと踵を返し、なつみを切って捨てる。
「お前のような戯けに付き合っていられるほど、二番隊は暇ではない!帰れ!」
「そんなッ」
「お引取りを」となつみは門番に、砕蜂からも門からも遠ざけられる。と、残念がっている彼女にもチラリと見えたかもしれない大柄な人影がフラフラと隊舎から出てきた。その男、砕蜂の姿を見るや否や顔を真っ青にする。
「ゲッ⁉︎隊長‼︎何でこんな所に⁉︎」
なつみの件で少し苛立っていた砕蜂だったが、この男の行動のせいで更に気分を害した。
「大前田……。貴様、どこへ行くつもりだ」
「いや、ちょっと、うちの店で問題があったらしくて、急いで行かないと💦」
「仕事はどうした」
クナイを大前田の片頬に突きつけ、砕蜂は睨みつけた。
「たいちょッ!刺さってる!ちょっと刺さってる!」
「うるさい‼︎」
グッと更にクナイを押し付ける。
「やりましたよ!全部書類片付けてきましたよ!判が要るヤツは隊長の机に置いてきましたから!」
「嘘を付くな‼︎あれだけの量を半日で終わらせられるわけがないだろう!大方、飽きたか腹が減ったかで、早めの昼飯にでも行こうとしていたのだろう。この怠け者が‼︎」
「信じてくださいよォッ!💦」
砕蜂の読み通り、大前田の言い訳は全て嘘である。そんな状況を呆然と見ていたなつみと門番は、その場で固まっていた。それに気付いた大前田が話を変える。
「隊長、あっ、あいつは何なんですか。頭に包帯してるヤツ。何かあったんですか」
「急に話を変えて、私の気を逸らそうというのか、貴様」
完全に刺してやろうかと思った砕蜂だったが、何かを思いつき、大前田から手を離す。
「隊長?なっ、何笑って……」
「丁度良い。仕事をサボった罰として、この木之本とやらに特訓をつけてやれ」
「ハァ⁉︎」
「二番隊で白打を学びたいそうだ。お前が教えてやれ」
「そんな、何のために⁉︎てか、勝手すぎますよ!」
「黙れ!」
そして砕蜂はなつみに言った。
「月曜の夜、こいつは暇そうにしている。毎週でも来ると良い」
「えっ⁉︎隊長!月曜は店が休みだから時間があるだけで、暇じゃないっすよ‼︎」
「後輩を嫌々連れまわすことが暇つぶしなのだろう。そんなことはやめて、自らも鍛錬したらどうだ。というわけだ」
「いやいやいやいや!オレ、了解してねぇって!」
砕蜂は大前田の反応を完全に無視し、なつみの肩にぽんと手を置いた。
「明日からでも訪ねてこい」
「はっ、はい‼︎😃」
なつみは喜びで笑顔がこぼれる。
「マジかよー⁉️てか、どこのどいつだよ、お前ー‼️」
面倒に巻き込まれて、頭を抱える大前田の前に駆け寄り、なつみは頭を下げる。
「ご指導、よろしくお願いします!」
「お願いしますじゃねー‼︎‼︎」
「これまで手を抜いたら、わかっているだろうな……」
「何すか、隊長。何する気ですか⁉︎」
そして砕蜂はフッと笑いながら隊舎に戻っていく。その後を慌てて追う大前田。満足げにその背を見送るなつみ。少々呆れている門番。
「うまくいきました!」
「みたいですね……」
「ぅやった〜‼︎お邪魔しました~♪」
なつみはルンルンとその場から立ち去っていく。
「めっちゃコーフンするぅ‼️やっばーい‼️😆」
両手をぐーんと伸ばして、気分はもう最高だった。