第三章
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なつみが始解を修得し、席官に昇進すると、仕事が忙しくなってしまい、一番隊へ遊びに行けなくなってしまった。がんばって英語でお手紙をしたためて、その旨を伝えたりもした。あっという間に現世任務も始まり、帰ってきたとて、報告書をまとめるので大変だった。任務の合間に洋書を読むことはしていたのだが。
マユリと話し、自分がとんでもないことをしていた可能性を知った。これからは暴走しないように対策を打つことも決めたが、自らを鍛え直す効果的な方法を思い付けないでいた。こればかりは一人で悩んでも仕方がないということで、久しぶりに一番隊へ行くことにした。それがこの章の冒頭シーン。
「ごめんくださーい!三番隊第二十席、木之本なつみですぅ!」
門のところで元気に名乗った。もちろん、前もってその日にやってくることを知らせていたので、怪しまれることはなかった。
「久方ぶりだな!なつみ!」
迎えに来てくれたのは当然この男。
「先生!お久しぶりです!」
「元気そうで何よりだ。心配していたんだぞ」
ここはヨーロッパかと見間違うほどの自然な流れで、なつみと雀部は挨拶のハグをした。
「すみません、なかなか来れなくて」
「仕方がない。仕事を優先するのは当たり前のことだからな。謝ることはないぞ」
「そう言ってもらえると、安心します」
雀部は、なつみの持っているカゴに気付いた。
「それは?」
「レモンのはちみつ漬けです。レモネードを一緒に飲みたくて。今日はプーさんを久しぶりに読みたくなったんですもん。はちみつドリンク飲まないなんて、嘘ですよ😊」
「ふむ、そうか」
歩き始めながらおしゃべり。
「紅茶の気分だったがな」
「プフッ、言うと思いましたよ、それ😙」
「フフッ、すまん。冗談だ。レモネードにしよう。せっかく持ってきてくれたのだからな」
なつみはニヒーッと笑顔を見せた。
机には、グラスに入れたレモネード、おやつのシュークリームとドーナッツ、辞書が置かれていた。2人の手にはそれぞれ”Winnie the Pooh”が。
なつみがひとり、心を込めて、チャプター1を朗読する。雀部はその声を聞きながら文章を読み、発音を確認していく。
「初めて読んだ頃と比べると、随分と英語の発音が上達したな。役にまでなりきってしまって」
「ほんとですか!」
「あぁ。聞き取りやすいよ」軽く読み返しながら思う。「君はあれだな。プーと似てるな(笑)」
「どーゆーことですかぁ!(笑)」
「目標に向かって、突拍子もない方法で、まっしぐらなところが似ている」
雀部は本をパタッと閉じて、辞書の上に置くと、ドーナッツに手を伸ばした。なつみは雀部の本の上に自分のを重ね、シュークリームを取った。
「あと、小さいところ」
「んー‼︎それ言っちゃダメなヤツです😤」
シュークリームにかぶりついたなつみの鼻には、粉砂糖がついている。それに気付かずにプンスカ訴えた。また一口食べる。
「なつみ」
「はい?」
もぐもぐするなつみに、自分の鼻を触って伝える。
「砂糖がついてる」
「むんっ」
綺麗な寄り目をしてふきふき。
「Silly old bear」
「…そんなことないもん///」
(癒されるな…😌)
また一口シュークリームを頬張ると、今度はクリームが左側の口の端についていた。
「おいしー。むふふ〜😚」
「なつみ、口元にクリームがついてるぞ」
「ん、シュークリームはきれいに食べるの難しいんですよ」
見事に逆の方を拭いていた。
「逆だ。取ってやる。じっとしなさい」
雀部がなつみの顎をクイッと上げて、逆の手の親指でクリームを拭おうとした。その時。
「なつみよ、おるか!」
扉が開いて元柳斎が登場。彼にノックという習慣は無い。向き合う2人はそのままの姿勢。
「雀部、貴様、やはり手を出しておったか💢💢💢」
「違いますってー💦」
なつみはバッと椅子から立ち上がった。
「お久しぶりです、総隊長!ご無沙汰しております!」
ぺこっとお辞儀。
「うむ、相変わらず元気じゃの。口元が汚れておるぞ」
結局自分でクリームを取って、ぺろっと指を舐めた。にっこり😋
すっかり縮こまった雀部は、元柳斎の方へ体を向けて尋ねた。
「元柳斎殿、なつみに何か用ですか」
「そうじゃ。なつみよ、今から道場に来なさい。お前の始解を見せてみよ」
「今からですか⁉︎」
「今からじゃ。見たところ、読書はキリがついたようじゃしの。何じゃ、文句でもあるのか」
「い、いえ。私も彼女の始解を見てみたいとは思っておりましたが。なつみは、良いのか?」
元柳斎と雀部がおしゃべりしている最中、なつみは残りのシュークリームを口に放り込み、もぐもぐした後、レモネードをグイッと飲み干していた。全部をグッと飲み込む。
「行きましょう!」
雀部の肩に片手を置く。
「すみません、先生。一旦、席を外させてください」
いつになく真剣な眼差しをしている。その表情を見て、元柳斎がつぶやいた。
「元より、そのつもりで来たということか」
「もう少し後で、先生にお話ししようかと思っていたんです。まさか先に、総隊長に呼び出されるなんて、思っていませんでしたよ」
「なつみ、どういうことだ」
なつみはすたすたと出口で待つ元柳斎のところへ歩いて行った。
「先生も是非、お付き合いください」
「片付けは後で良かろう。来い、雀部。お前も知っておくべきじゃ」
「わかりました…」
状況が飲み込めないながらも、2人に言われるがままついて行くことにする雀部。ひとつ納得できたことといえば、いつも私服で来るなつみが何故か死覇装で現れた理由だけだった。苦労して修得したという始解を、ようやく見せてくれるのだろうと期待してはいたが、何やら様子がおかしい。何が起きているのか。
一番隊の道場が開けられた。ここが、エリートたちがその身体を鍛える場所。三番隊の道場とは、どこか雰囲気が違う。ピリつく空気感。
「巻藁ありますか?人形とか」
「必要無かろう。雀部が相手になる」
「「え⁉︎」」
元柳斎の提案に否定を匂わせたら、怒られそうな臭いがした。
「そうしましょう!先生、お相手、お願いします💦」
「任せろ💦」
なつみと雀部はピシッと一礼して、道場の中央へ踏み入れていく。元柳斎は壁の前で佇む。
「総隊長、涅隊長の報告書をお読みになりましたか」
「うむ。あれはお前がやったのか」
「…うまく説明できません」
「相分かった。見せてみよ」
また置いてけぼりを喰らわされる雀部。
「先程から、2人の会話についていけておりません。元柳斎殿、何があったのですか」
その問いに明確な答えを用意できない。
「雀部よ、お前はなつみが現世にて中級大虚と戦うたことを知っておるな」
「はい。彼女の報告書を読ませてもらったので、何があったかは把握しております」
「疑問を持たなんだか」
「記憶が途切れている点については」
「その原因とは何か」
「涅がそれを解明したと」
「いや。奴は別の事象を発見しておった。それも記憶が無うなった原因と関係があると、儂は思うておる。こやつの始解が何たるかを知ることで、見えてくることがあるじゃろう。のう、なつみ。お前の能力を言うてみよ」
斬魄刀を抜いたなつみを、2人は注目する。
「言えません…」
2人の視線はなつみに当てられているが、彼女の視線は床に。
「言わずとも、見せてはくれるようじゃの」
「はい」
「ならば、構えよ、雀部。なつみ、全力でいけ」
「御意」
「はい」
広い道場のど真ん中、なつみと雀部は斬魄刀を構え、呼吸を整えながら集中する。
マユリと話し、自分がとんでもないことをしていた可能性を知った。これからは暴走しないように対策を打つことも決めたが、自らを鍛え直す効果的な方法を思い付けないでいた。こればかりは一人で悩んでも仕方がないということで、久しぶりに一番隊へ行くことにした。それがこの章の冒頭シーン。
「ごめんくださーい!三番隊第二十席、木之本なつみですぅ!」
門のところで元気に名乗った。もちろん、前もってその日にやってくることを知らせていたので、怪しまれることはなかった。
「久方ぶりだな!なつみ!」
迎えに来てくれたのは当然この男。
「先生!お久しぶりです!」
「元気そうで何よりだ。心配していたんだぞ」
ここはヨーロッパかと見間違うほどの自然な流れで、なつみと雀部は挨拶のハグをした。
「すみません、なかなか来れなくて」
「仕方がない。仕事を優先するのは当たり前のことだからな。謝ることはないぞ」
「そう言ってもらえると、安心します」
雀部は、なつみの持っているカゴに気付いた。
「それは?」
「レモンのはちみつ漬けです。レモネードを一緒に飲みたくて。今日はプーさんを久しぶりに読みたくなったんですもん。はちみつドリンク飲まないなんて、嘘ですよ😊」
「ふむ、そうか」
歩き始めながらおしゃべり。
「紅茶の気分だったがな」
「プフッ、言うと思いましたよ、それ😙」
「フフッ、すまん。冗談だ。レモネードにしよう。せっかく持ってきてくれたのだからな」
なつみはニヒーッと笑顔を見せた。
机には、グラスに入れたレモネード、おやつのシュークリームとドーナッツ、辞書が置かれていた。2人の手にはそれぞれ”Winnie the Pooh”が。
なつみがひとり、心を込めて、チャプター1を朗読する。雀部はその声を聞きながら文章を読み、発音を確認していく。
「初めて読んだ頃と比べると、随分と英語の発音が上達したな。役にまでなりきってしまって」
「ほんとですか!」
「あぁ。聞き取りやすいよ」軽く読み返しながら思う。「君はあれだな。プーと似てるな(笑)」
「どーゆーことですかぁ!(笑)」
「目標に向かって、突拍子もない方法で、まっしぐらなところが似ている」
雀部は本をパタッと閉じて、辞書の上に置くと、ドーナッツに手を伸ばした。なつみは雀部の本の上に自分のを重ね、シュークリームを取った。
「あと、小さいところ」
「んー‼︎それ言っちゃダメなヤツです😤」
シュークリームにかぶりついたなつみの鼻には、粉砂糖がついている。それに気付かずにプンスカ訴えた。また一口食べる。
「なつみ」
「はい?」
もぐもぐするなつみに、自分の鼻を触って伝える。
「砂糖がついてる」
「むんっ」
綺麗な寄り目をしてふきふき。
「Silly old bear」
「…そんなことないもん///」
(癒されるな…😌)
また一口シュークリームを頬張ると、今度はクリームが左側の口の端についていた。
「おいしー。むふふ〜😚」
「なつみ、口元にクリームがついてるぞ」
「ん、シュークリームはきれいに食べるの難しいんですよ」
見事に逆の方を拭いていた。
「逆だ。取ってやる。じっとしなさい」
雀部がなつみの顎をクイッと上げて、逆の手の親指でクリームを拭おうとした。その時。
「なつみよ、おるか!」
扉が開いて元柳斎が登場。彼にノックという習慣は無い。向き合う2人はそのままの姿勢。
「雀部、貴様、やはり手を出しておったか💢💢💢」
「違いますってー💦」
なつみはバッと椅子から立ち上がった。
「お久しぶりです、総隊長!ご無沙汰しております!」
ぺこっとお辞儀。
「うむ、相変わらず元気じゃの。口元が汚れておるぞ」
結局自分でクリームを取って、ぺろっと指を舐めた。にっこり😋
すっかり縮こまった雀部は、元柳斎の方へ体を向けて尋ねた。
「元柳斎殿、なつみに何か用ですか」
「そうじゃ。なつみよ、今から道場に来なさい。お前の始解を見せてみよ」
「今からですか⁉︎」
「今からじゃ。見たところ、読書はキリがついたようじゃしの。何じゃ、文句でもあるのか」
「い、いえ。私も彼女の始解を見てみたいとは思っておりましたが。なつみは、良いのか?」
元柳斎と雀部がおしゃべりしている最中、なつみは残りのシュークリームを口に放り込み、もぐもぐした後、レモネードをグイッと飲み干していた。全部をグッと飲み込む。
「行きましょう!」
雀部の肩に片手を置く。
「すみません、先生。一旦、席を外させてください」
いつになく真剣な眼差しをしている。その表情を見て、元柳斎がつぶやいた。
「元より、そのつもりで来たということか」
「もう少し後で、先生にお話ししようかと思っていたんです。まさか先に、総隊長に呼び出されるなんて、思っていませんでしたよ」
「なつみ、どういうことだ」
なつみはすたすたと出口で待つ元柳斎のところへ歩いて行った。
「先生も是非、お付き合いください」
「片付けは後で良かろう。来い、雀部。お前も知っておくべきじゃ」
「わかりました…」
状況が飲み込めないながらも、2人に言われるがままついて行くことにする雀部。ひとつ納得できたことといえば、いつも私服で来るなつみが何故か死覇装で現れた理由だけだった。苦労して修得したという始解を、ようやく見せてくれるのだろうと期待してはいたが、何やら様子がおかしい。何が起きているのか。
一番隊の道場が開けられた。ここが、エリートたちがその身体を鍛える場所。三番隊の道場とは、どこか雰囲気が違う。ピリつく空気感。
「巻藁ありますか?人形とか」
「必要無かろう。雀部が相手になる」
「「え⁉︎」」
元柳斎の提案に否定を匂わせたら、怒られそうな臭いがした。
「そうしましょう!先生、お相手、お願いします💦」
「任せろ💦」
なつみと雀部はピシッと一礼して、道場の中央へ踏み入れていく。元柳斎は壁の前で佇む。
「総隊長、涅隊長の報告書をお読みになりましたか」
「うむ。あれはお前がやったのか」
「…うまく説明できません」
「相分かった。見せてみよ」
また置いてけぼりを喰らわされる雀部。
「先程から、2人の会話についていけておりません。元柳斎殿、何があったのですか」
その問いに明確な答えを用意できない。
「雀部よ、お前はなつみが現世にて中級大虚と戦うたことを知っておるな」
「はい。彼女の報告書を読ませてもらったので、何があったかは把握しております」
「疑問を持たなんだか」
「記憶が途切れている点については」
「その原因とは何か」
「涅がそれを解明したと」
「いや。奴は別の事象を発見しておった。それも記憶が無うなった原因と関係があると、儂は思うておる。こやつの始解が何たるかを知ることで、見えてくることがあるじゃろう。のう、なつみ。お前の能力を言うてみよ」
斬魄刀を抜いたなつみを、2人は注目する。
「言えません…」
2人の視線はなつみに当てられているが、彼女の視線は床に。
「言わずとも、見せてはくれるようじゃの」
「はい」
「ならば、構えよ、雀部。なつみ、全力でいけ」
「御意」
「はい」
広い道場のど真ん中、なつみと雀部は斬魄刀を構え、呼吸を整えながら集中する。