第一章
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三番隊第二十席の部屋、扉の横には、木之本の名札が貼られており、その下に「います」と手書きで書かれたプレートが吊るされていた。それをひっくり返すと「お留守」の文字が現れる。
室内では、なつみが一心不乱に書類作業をしていた。先程の失態が脳内で甦らないように、目の前にある仕事だけに集中。集中‼︎
「むおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼🔥︎」
羞恥心から体温の急上昇に襲われたなつみは、窓を開けて、そよ風を部屋の中に入れていた。気分を変えるために流しているジャズの旋律が、そよ風と並んで穏やかに駆け回る。安心安全が確保された空間だ。…、そのはずだった。
部屋の外からノックが3回鳴り響く。
「なつみちゃーん、入るで〜」
「お邪魔しまーす」
市丸がなつみの部屋の扉を開けて一歩踏み込み、その後ろから京楽が顔を覗かせた。だが、彼らの目になつみの姿は見られなかった。
「あれ?おらん」
その場で視線を巡らせる市丸。
「いますって書いてあるのにね」
「窓から逃げたんかなー。あかん、京楽さん、一旦ここ出て、探しに行きましょ」
「そうだね」
そう言って隊長たちが退室しようとした時。
(そろーり…)
机の陰からゆーっくり首を伸ばして2人の背中が去るのを確認する頭が…。その瞬間、ズバッ‼︎‼︎と市丸が振り返り、ワンテンポ遅くなつみが「あわっ‼︎」と机の幕板の裏に引っ込むのを捉えた。2割笑顔で黙って机を睨む市丸。
「ほんと、キミたちの関係が羨ましいよ」
思わずクスッと笑ってしまう京楽がいた。
観念して立ち上がったなつみは、それはもうぷんぷんしていた。
「もー!勘弁してくださいよ!ちゃんと謝ったじゃないですかぁ‼︎」
ぷっくり膨れっ面で訴える。
「あはは、さっきはごめんよ。市丸隊長のイタズラに付き合わされちゃってさ。からかっただけだから、そんなに怒らないでよ。かわいいんだから〜」
「むー!」と唸るなつみに京楽は、瀞霊廷通信を返してやった。むくれたまま「ありがとうございます」と言って、なつみはそれを受け取った。
「京楽さん、ボク、椅子取ってきますわ。なつみちゃん見張っといてください」
「了解」
机の上を簡単に片付けるなつみが市丸の「見張っといて」の言葉にゲッとして、京楽の顔を見上げた。お返事として京楽はニッコリ笑ってあげた。「うぅぅ…」と鳴きながら、なつみはスピーカーから流れる音楽を止める。
「どういったご用件ですか?」
「キミの斬魄刀のことだよ。市丸隊長から全部聞いた」
(ということは⁉︎///)ハッとして、なつみは頭を下げた。「その節は、す、すみませんでした‼︎」
「やだなぁ、謝らないでくれよ。ボクは、キミの方が嫌な思いしたんじゃないかって、気にしてるんだからね」
「嫌じゃないです!いや、じゃ、ないですた……///」
尻すぼみに小ぃちゃくなって照れるなつみは、モジモジしながら出口の方へ行く。
「あの、お話ちょっと長くなりますよね。お、お茶淹れてきます‼︎」
扉を開けると目の前数cmに死覇装の胸元があった。
「なつみちゃん、どこ行くつもりなん」入り口で通せんぼする市丸。
「お茶を淹れてきます」一歩も動かずにまっすぐ見つめてなつみが答える。
「ほなボクもついてくわ」
「はい」
「…、変な顔しない!」
「むぅ‼︎‼︎」
ついてくんじゃねーよの顔をしたら怒られてしまった。
「椅子持ってきたで、中入れて。はい、椅子!」
「イスッ!」
「お手てつないでこーな、なつみちゃん。すんません、京楽さん、もうちょっと待っててください」
「構わないよ。ここにいるね」
市丸はなつみの手を引いて給湯室へ向かった。廊下から、「逃がすわけないやろ」「ふぬぅぅぅ‼︎‼︎」という声が響いて聞こえてきた。
なつみの部屋に1人残った京楽は、いろいろと室内を見て回ってみた。きれいにかわいく整頓されており、女の子の部屋だな〜と印象を受ける。本棚には仕事の物以外に、小説、楽譜、風景や動物の写真集が置いてあった。その中にやたらと分厚い一冊の本がある。
「英和辞書?なつみちゃん、英語のお勉強してるのかな」
辞書の隣には、かわいらしいイラストが表紙の洋書が数冊並んでいた。
「西洋の文化に興味があるんだね、きっと」
好きな子の知らなかった一面を見て、「趣味までかわいいなんて、ズルいよ〜」と思った矢先、机の一番下の引き出しに、テープで書かれた『PRIVATE』という文字が目に留まった。
「プライベート?」
気になって、思わずそこを開けてみる京楽。
「おや、ボクの本だ」
一番手前には『バラ色の小径』が入っていた。
「こっそりサイン書いてあげようかな〜、なんてね。こっちは何だろう」
小説の隣には、本のようなファイルのような物が2冊、黒とピンク、色違いで並んでいた。黒い方を取り出してみる。
「アルバムかぁ」
最初のページを開くと、京楽のブロマイドが。次をめくると、また京楽の別のブロマイドが。その次もその次もその次も…、めくれどめくれど自分のブロマイド。死覇装、私服、スーツ、白衣など、様々な衣装、様々なポージングの写真が集められていた。
「よく集めたなぁ。どこに需要があるんだろうと思ってたら、ここだったか」
ではこちらはと、ピンクの方を取り出す。
「………」
固まる。
「ボク疲れてるのかな」
幻覚でも見たかもしれないと思い、目頭をキュッキュッとマッサージして、視界をクリアにする。もう一度見る。いや、さっきと一緒。めくれどめくれど自分のブロマイドは黒いアルバムと同じだが、ピンクの方に入っているのは、肌の露出が多い、情欲に訴えてくる艶かしさ漂う写真だけでいっぱいだった。
「よく集めたなぁ…」
しみじみしながら、アルバムを元の場所へ静かに戻してあげる。奥には何があるかしらと、もう少し引き出しを開けてみたら、ぬいぐるみが横たわっていた。
「これって」
持ち上げてみると、よく見覚えのあるフォルムだ。
「ボク?」
クルクルと回していろんな角度からそのぬいぐるみを眺めているところに、なつみと市丸が戻ってきた。お茶が乗ったお盆を持っていたなつみは、京楽が彼女の大事な春水くんを手にしているのを見て、血の気が引き、回れ右する。
「氷入れてきまーす」
「もうええて」
回れ右を肩を持って回れ右させ、市丸はなつみの軌道修正した。逃げ場を失ったなつみはシュタタタタと入室、机にお盆を置き、京楽の手から春水くんを取り戻そうと彼に駆け寄り、手を目一杯伸ばす。
「返してください!!」
だが京楽は無言でなつみの手の届かない高さにぬいぐるみを上げる。ちょっとニヤつきながら。なつみがぴょんと跳び上がって捕まえようとしても、持ち替えて避けられてしまう。2回、3回とトライしても届かない。ぴょんぴょんしながら訴えるなつみ。
「プライベートってちゃんと書いてあるのに、何で開けちゃうんですか⁉︎返してください‼︎もー!エッチ‼︎‼︎グエッ」
お望み通り、京楽はなつみにぬいぐるみを返してやった。自分を見上げている彼女の顔の上に。
「むきゅー😖」
しっかり両手で持って春水くんを顔にくっつけるなつみの横を通り過ぎ、京楽はよく聞こえるように呟いた。
「エッチはキミだろ?」
「⁉︎」ビックリしたなつみは、とっさに春水くんを顔から離して片手で抱きしめて、察した。「あ‼︎‼︎……、ピン、ク」机に突っ伏して、打ちひしがれる。
「京楽さんて何であんな写真撮ってるんです?」
用意した椅子に座り、市丸が尋ねた。
「撮りませんかってオファーが来たから。え?市丸隊長はやってないの?」
「やりませんよー。ヌードなんて」
あははは〜と隊長たちが笑っていると、メラメラしてきたむっつりさん。
「どーして市丸隊長まで引き出しの中身知ってるんですかぁ‼︎‼︎💢」
「プライベートってわざわざ書いてあるから、見てまうに決まってるやろ〜。あ、心配せんでええよ、なつみちゃんのコレクション知ってるのボクだけやから」
「当ったり前ですよぉ‼︎‼︎」
目に見えない巨大な『最悪』の文字に押しつぶされるなつみは、やけくそに現実逃避な苦肉の策をひらめく。春水くんを引き出しに戻し、向かうは棚にあるおやつボックス。
「まぁまぁ隊長方、ここはひとつこれで、今見たこと、さっき下で聞いたこと、きれーさっぱり忘れていただけないでしょうかねぇ。えへへ。さくさくお煎餅にございます。さぁさぁ、おひとつどーぞ」
自分の席に着いて、机越しにお煎餅を2人に配る。
「京楽隊長、どうぞ。市丸隊長もどうぞ」
「ありがとう。いただきます」
「お主も悪よの〜、なつみちゃん」
「市丸お代官様ほどではござりません」
「「ぬあはははは〜」」となつみと市丸は高笑い。刹那。
「絶対忘れへんから」
切り替えの速い市丸、お煎餅をひとかじり。
「目に焼きついちゃったよねー」
「「ねー」」と市丸と京楽は声を揃えた。
ズウゥン!と立ち直れないなつみは、猫背に座り、両手を鼻の前で組む。
「それで、お話というのは…」
「なつみちゃん、そのポーズ、どっかの司令官みたい」
「総員、第一種戦闘配置…。じゃなくて‼︎‼︎ぼくの斬魄刀ですよね‼︎‼︎」
「ちゃんとノッてくれるなつみちゃん好き(笑)」向かいの席からムー!っと睨まれる京楽。「ごめーん」
「せっかくお茶淹れたから、飲んで落ち着き、なつみちゃん」
「プンスカしてるのは、隊長たちのせいです‼︎‼︎…あっちぃ!🍵」
室内では、なつみが一心不乱に書類作業をしていた。先程の失態が脳内で甦らないように、目の前にある仕事だけに集中。集中‼︎
「むおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼🔥︎」
羞恥心から体温の急上昇に襲われたなつみは、窓を開けて、そよ風を部屋の中に入れていた。気分を変えるために流しているジャズの旋律が、そよ風と並んで穏やかに駆け回る。安心安全が確保された空間だ。…、そのはずだった。
部屋の外からノックが3回鳴り響く。
「なつみちゃーん、入るで〜」
「お邪魔しまーす」
市丸がなつみの部屋の扉を開けて一歩踏み込み、その後ろから京楽が顔を覗かせた。だが、彼らの目になつみの姿は見られなかった。
「あれ?おらん」
その場で視線を巡らせる市丸。
「いますって書いてあるのにね」
「窓から逃げたんかなー。あかん、京楽さん、一旦ここ出て、探しに行きましょ」
「そうだね」
そう言って隊長たちが退室しようとした時。
(そろーり…)
机の陰からゆーっくり首を伸ばして2人の背中が去るのを確認する頭が…。その瞬間、ズバッ‼︎‼︎と市丸が振り返り、ワンテンポ遅くなつみが「あわっ‼︎」と机の幕板の裏に引っ込むのを捉えた。2割笑顔で黙って机を睨む市丸。
「ほんと、キミたちの関係が羨ましいよ」
思わずクスッと笑ってしまう京楽がいた。
観念して立ち上がったなつみは、それはもうぷんぷんしていた。
「もー!勘弁してくださいよ!ちゃんと謝ったじゃないですかぁ‼︎」
ぷっくり膨れっ面で訴える。
「あはは、さっきはごめんよ。市丸隊長のイタズラに付き合わされちゃってさ。からかっただけだから、そんなに怒らないでよ。かわいいんだから〜」
「むー!」と唸るなつみに京楽は、瀞霊廷通信を返してやった。むくれたまま「ありがとうございます」と言って、なつみはそれを受け取った。
「京楽さん、ボク、椅子取ってきますわ。なつみちゃん見張っといてください」
「了解」
机の上を簡単に片付けるなつみが市丸の「見張っといて」の言葉にゲッとして、京楽の顔を見上げた。お返事として京楽はニッコリ笑ってあげた。「うぅぅ…」と鳴きながら、なつみはスピーカーから流れる音楽を止める。
「どういったご用件ですか?」
「キミの斬魄刀のことだよ。市丸隊長から全部聞いた」
(ということは⁉︎///)ハッとして、なつみは頭を下げた。「その節は、す、すみませんでした‼︎」
「やだなぁ、謝らないでくれよ。ボクは、キミの方が嫌な思いしたんじゃないかって、気にしてるんだからね」
「嫌じゃないです!いや、じゃ、ないですた……///」
尻すぼみに小ぃちゃくなって照れるなつみは、モジモジしながら出口の方へ行く。
「あの、お話ちょっと長くなりますよね。お、お茶淹れてきます‼︎」
扉を開けると目の前数cmに死覇装の胸元があった。
「なつみちゃん、どこ行くつもりなん」入り口で通せんぼする市丸。
「お茶を淹れてきます」一歩も動かずにまっすぐ見つめてなつみが答える。
「ほなボクもついてくわ」
「はい」
「…、変な顔しない!」
「むぅ‼︎‼︎」
ついてくんじゃねーよの顔をしたら怒られてしまった。
「椅子持ってきたで、中入れて。はい、椅子!」
「イスッ!」
「お手てつないでこーな、なつみちゃん。すんません、京楽さん、もうちょっと待っててください」
「構わないよ。ここにいるね」
市丸はなつみの手を引いて給湯室へ向かった。廊下から、「逃がすわけないやろ」「ふぬぅぅぅ‼︎‼︎」という声が響いて聞こえてきた。
なつみの部屋に1人残った京楽は、いろいろと室内を見て回ってみた。きれいにかわいく整頓されており、女の子の部屋だな〜と印象を受ける。本棚には仕事の物以外に、小説、楽譜、風景や動物の写真集が置いてあった。その中にやたらと分厚い一冊の本がある。
「英和辞書?なつみちゃん、英語のお勉強してるのかな」
辞書の隣には、かわいらしいイラストが表紙の洋書が数冊並んでいた。
「西洋の文化に興味があるんだね、きっと」
好きな子の知らなかった一面を見て、「趣味までかわいいなんて、ズルいよ〜」と思った矢先、机の一番下の引き出しに、テープで書かれた『PRIVATE』という文字が目に留まった。
「プライベート?」
気になって、思わずそこを開けてみる京楽。
「おや、ボクの本だ」
一番手前には『バラ色の小径』が入っていた。
「こっそりサイン書いてあげようかな〜、なんてね。こっちは何だろう」
小説の隣には、本のようなファイルのような物が2冊、黒とピンク、色違いで並んでいた。黒い方を取り出してみる。
「アルバムかぁ」
最初のページを開くと、京楽のブロマイドが。次をめくると、また京楽の別のブロマイドが。その次もその次もその次も…、めくれどめくれど自分のブロマイド。死覇装、私服、スーツ、白衣など、様々な衣装、様々なポージングの写真が集められていた。
「よく集めたなぁ。どこに需要があるんだろうと思ってたら、ここだったか」
ではこちらはと、ピンクの方を取り出す。
「………」
固まる。
「ボク疲れてるのかな」
幻覚でも見たかもしれないと思い、目頭をキュッキュッとマッサージして、視界をクリアにする。もう一度見る。いや、さっきと一緒。めくれどめくれど自分のブロマイドは黒いアルバムと同じだが、ピンクの方に入っているのは、肌の露出が多い、情欲に訴えてくる艶かしさ漂う写真だけでいっぱいだった。
「よく集めたなぁ…」
しみじみしながら、アルバムを元の場所へ静かに戻してあげる。奥には何があるかしらと、もう少し引き出しを開けてみたら、ぬいぐるみが横たわっていた。
「これって」
持ち上げてみると、よく見覚えのあるフォルムだ。
「ボク?」
クルクルと回していろんな角度からそのぬいぐるみを眺めているところに、なつみと市丸が戻ってきた。お茶が乗ったお盆を持っていたなつみは、京楽が彼女の大事な春水くんを手にしているのを見て、血の気が引き、回れ右する。
「氷入れてきまーす」
「もうええて」
回れ右を肩を持って回れ右させ、市丸はなつみの軌道修正した。逃げ場を失ったなつみはシュタタタタと入室、机にお盆を置き、京楽の手から春水くんを取り戻そうと彼に駆け寄り、手を目一杯伸ばす。
「返してください!!」
だが京楽は無言でなつみの手の届かない高さにぬいぐるみを上げる。ちょっとニヤつきながら。なつみがぴょんと跳び上がって捕まえようとしても、持ち替えて避けられてしまう。2回、3回とトライしても届かない。ぴょんぴょんしながら訴えるなつみ。
「プライベートってちゃんと書いてあるのに、何で開けちゃうんですか⁉︎返してください‼︎もー!エッチ‼︎‼︎グエッ」
お望み通り、京楽はなつみにぬいぐるみを返してやった。自分を見上げている彼女の顔の上に。
「むきゅー😖」
しっかり両手で持って春水くんを顔にくっつけるなつみの横を通り過ぎ、京楽はよく聞こえるように呟いた。
「エッチはキミだろ?」
「⁉︎」ビックリしたなつみは、とっさに春水くんを顔から離して片手で抱きしめて、察した。「あ‼︎‼︎……、ピン、ク」机に突っ伏して、打ちひしがれる。
「京楽さんて何であんな写真撮ってるんです?」
用意した椅子に座り、市丸が尋ねた。
「撮りませんかってオファーが来たから。え?市丸隊長はやってないの?」
「やりませんよー。ヌードなんて」
あははは〜と隊長たちが笑っていると、メラメラしてきたむっつりさん。
「どーして市丸隊長まで引き出しの中身知ってるんですかぁ‼︎‼︎💢」
「プライベートってわざわざ書いてあるから、見てまうに決まってるやろ〜。あ、心配せんでええよ、なつみちゃんのコレクション知ってるのボクだけやから」
「当ったり前ですよぉ‼︎‼︎」
目に見えない巨大な『最悪』の文字に押しつぶされるなつみは、やけくそに現実逃避な苦肉の策をひらめく。春水くんを引き出しに戻し、向かうは棚にあるおやつボックス。
「まぁまぁ隊長方、ここはひとつこれで、今見たこと、さっき下で聞いたこと、きれーさっぱり忘れていただけないでしょうかねぇ。えへへ。さくさくお煎餅にございます。さぁさぁ、おひとつどーぞ」
自分の席に着いて、机越しにお煎餅を2人に配る。
「京楽隊長、どうぞ。市丸隊長もどうぞ」
「ありがとう。いただきます」
「お主も悪よの〜、なつみちゃん」
「市丸お代官様ほどではござりません」
「「ぬあはははは〜」」となつみと市丸は高笑い。刹那。
「絶対忘れへんから」
切り替えの速い市丸、お煎餅をひとかじり。
「目に焼きついちゃったよねー」
「「ねー」」と市丸と京楽は声を揃えた。
ズウゥン!と立ち直れないなつみは、猫背に座り、両手を鼻の前で組む。
「それで、お話というのは…」
「なつみちゃん、そのポーズ、どっかの司令官みたい」
「総員、第一種戦闘配置…。じゃなくて‼︎‼︎ぼくの斬魄刀ですよね‼︎‼︎」
「ちゃんとノッてくれるなつみちゃん好き(笑)」向かいの席からムー!っと睨まれる京楽。「ごめーん」
「せっかくお茶淹れたから、飲んで落ち着き、なつみちゃん」
「プンスカしてるのは、隊長たちのせいです‼︎‼︎…あっちぃ!🍵」