第一章
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なつみが何故、誰に始解を見せたのか隠したがるのか。それは相手がお察しの通りであり、予想外の事件も起きていたためである。
五番隊隊舎の大掃除の手伝いも終えた数日後のこと、お昼休みの合図と共になつみは、お財布片手に猛ダッシュで出かけていった。
「木之本のヤツ、どうしたんだ?すげぇスピードで駆け抜けてったぞ」
「ん?なんかねー、クッキーの詰め放題の日だから急いで行ってくるって」
「何で突然?(笑)」
「こないださ、席官に上がると給料もアップするって話したじゃん。景気付けに自分へのご褒美がてら、普段買えないお高いクッキーをゲットしたいんだと」
「まだ二十席になってないのに?」
「うん。まだなってないのに」
「今行かなきゃ買えないのか?」
「人気店だからねぇ、早く行かないとダメなんだって」
「昼飯食わねー気かよ」
「あれ?ちゃんと見てなかった?おにぎりくわえて走ってったよ」
「どんだけマジだよ‼︎」
「なつみ言ってた。戦いに行ってくるって」
「はははっ、くっだらねー!」
「そんなこと言うと、クッキー食べさせてくれないよ?」
「かまうもんか。いつも通りあいつの目の前で横取りしてやる」
「仲が良いんだか、悪いんだか」
「あいつが時間内に帰って来られないに賭けてやろうか」
「何を?」
「お前ら全員に1杯ずつ酒奢ってやる」
「言ったな〜」
なんて仲間たちの会話があった中、なつみは瀞霊廷内でも珍しい西洋の商品を扱う店が集まった街角に向けて全力で疾走していた。
「むおおおおおおおおお🍙‼︎‼︎」
クッキー屋さんには詰め放題待ちの列ができていたが、思ったよりも待ち時間はかからず、案外余裕を持って隊舎に帰れそうだった。
「んー!おいしー🍪!」
戦利品をたっくさん抱えたなつみは、1枚かじり、その念願の甘い感動に浸って歩いていた。
「チョコチップもいっぱい入れれたし、紅茶クッキーもあるし、おさかなクッキーもゲットぉ。Me Love Cookie⭐️」
おっきめな声と共に袋からもう1枚取り出し、パクッとひと口。
「うまいー。2枚目ですら、1枚目の感動再び」
そんなふうにして、おいしさにうるうるしながら夢見心地で歩いているなつみを発見し、駆けつける男が背後から現れた。
「なつみちゃーん。こんにちは」
「///⁉︎」
心地よい大好きな声に呼ばれて驚き、慌てて振り向き、クッキーを小さな背中の後ろに隠した。
「京楽隊長、こんにちは!」
速やかに一礼して、なつみはにっこり笑ってみせた。
「なつみちゃん、隠しても無駄だよ」
ギクッ。
「おいしそうなの食べてたでしょ」
「てへへ」
恥ずかしそうに、クッキーでパンパンになっている紙袋をそーっと前に持っていった。
「見てました?」
「見てました(笑)」
「きゃふ///」
どこから見られてたのだろうと考えて、なつみは顔を伏せた。
「たくさん買ったんだね」
「あのっ、これはひとりで食べるわけじゃなくて、美沙ちゃんと、同室の友人といっしょに食べようかなって思ってて、あと隊の友達とも、…そんな全部食べちゃうほど食いしん坊じゃないですよ!」
「ククク…(笑)必死だね」
そんなことを言及したわけでもないのに、かわいらしい言い訳じみた言い分が返ってきて、つい笑いが漏れてしまう京楽。
「な!ふにゅにゅ…、あっ、そうだ。京楽隊長も1枚いかがですか?」
「良いのかい?」
「はい!」
ごそごそと袋に手を入れて、どの味を渡そうか選んでいると。
「じゃあ、ゆっくりできるところに移動しようか」
と言われ、なつみは京楽に抱きかかえられた。
「あわっ⁉︎わッ‼︎」
一瞬で景色は一変した。
「ぃよっと。ここなら大丈夫かな」
京楽がひとっ飛びでやって来たのは、瀞霊廷内のどこかの屋根の上だった。
「あれ、なつみちゃん?驚かせちゃったかな」
腕の中にいるなつみは硬直し、ガクガク震えていた。
「アノ、コレ、ドウゾ」
急に抱えられたのと、急に移動した衝撃と、憧れの人に急接近してしまってるのとで、手が震えまくっているが、チョコチップクッキーを1枚差し出していた。
「ありがとう。いただきます」なつみを抱き上げたまま、京楽はクッキーをかじった。「うん、おいしいね」
先程は驚かせてしまったので、今度は優しくゆっくり降ろしてあげた。
ブルブルしながら立つなつみは、自分のいる場所を確認するように見回したが、普段見ることのない屋根からの景色のせいで、全く検討がつかない。
「なつみちゃん、あんまりキョロキョロしないで。こっち座って」
あぐらをかき、小声で手招きする京楽の指示に従い、なつみはその横にちょこんと座った。
「あの、ぼく…」
心配そうに京楽を見上げるなつみ。
「わかってるよ。休み時間が終わる前に、ちゃんと君を隊舎まで送ってあげるから。それまで少し、2人でお話ししようよ。嫌かい?」
「いえ。少しなら///」
三番隊隊舎に休憩終了の鐘の音が響く。
「あちゃ〜、木之本残念!」
「間に合いませんでした」
「ふん、俺の勝ち」
「李空が変なこと言うから遅刻しちゃったんだよ」
「休みの日にしなかったアイツが悪いんだろ」
「今、どの辺走ってんだろうな」
「さぁな。あ、副隊長だ」
自分たちの部屋の前の廊下に集まり、尾田たちはなつみの帰りを待っていた。廊下の窓からはちょうど隊舎の門が見え、その門の手前を歩くイヅルがいた。ガラッと窓を開けて、李空が呼びかける。
「副隊長ぉー!」
声に反応して辺りを見るイヅル。
「こっちです。上です、上!」
李空の誘導で、窓辺にいる6人に気が付いた。
「どうかしたー?」
「木之本が外出先から戻っていませーん!帰ってきたら、叱ってやってくださーい‼︎」
ん?と、信じられないという表情になったが、イヅルは了解した。
「わかったー!報告ありがとー」
とそこに、門の外から帰ってきた市丸がやって来た。
「イヅルー?誰と話してんの?」
「隊長。昼休憩が終わったんですけど、木之本くんがいないらしいんですよ。出かけたんだそうで…、見当たりませんよね」
市丸とイヅルは門の外の道を左右確認したが、なつみの姿が現れる様子は感じられなかった。
「どこ行ったんやろうね。なつみちゃんが遅刻なんて珍しい」
「そうですね。隊長といるならまだしも、ひとりでいて遅刻するなんて」
(悪かったな)
そんなツッコミを心の中でした市丸、ほぼ同時に嫌な予感が頭をよぎった。
「誘拐されたんとちゃう?」
「そ、それは考えすぎじゃないですか」
「アカン!なつみちゃんにもしものことがあったら…。ボク、探してくるわー!」
「待ってください!隊長ぉー!……、行っちゃった。全く、サボりたいだけですよね(呆)」
窓辺の6人はこのやり取りをしっかり見ていて。
「あーあ、隊長が探しに行っちゃったよ。木之本怒られちゃうの?」
「そりゃー、誘拐なんてあり得ねーもん。あいつの過失だったら、お説教でしょ」
「かわいそうだな」
「李空、同情なんかしてないだろ。ニヤついてるぞ」
「戻ってきたら、慰めてあげようよ」
「なぁ、隊長の顔、なんかマジじゃなかったか」
尾田にはそう見えた気がした。
「「「「「え…?」」」」」
なつみの霊圧を探知しながら市丸は走った。
「どこやー。あの人に捕まってたら、どないしよう。……お、あっちやな」
微かに届いたなつみの霊圧は、三番隊隊舎からかなり離れたところから来ているらしい。
「待っとりや、今助けに行ったる」
「なつみちゃん、そんなに恥ずかしがらないで、してみてくれないかい。大丈夫、ボクが受け止めてあげるから。ボクを信じて」
「……はい」
なつみの霊圧の根源にかなり近づいてきたとき、もう1人別の霊圧がそばにあるのを察知した。
「これは、京楽さん…か。何や、そうやったか」
予想とは違う人物で一安心。
「そやなくて!犯人が誰であれ、誘拐に違いないやん!」
駆ける速さをぐっと上げる。しばらく行くと向き合って立つなつみと京楽、2人の姿を捉えた。
「おった」
そして市丸の目の前で。
「…は⁉︎」
接吻。…せっぷん???
到着。大きく息を吸って。
「何してんねーーーーーんッ‼︎‼︎‼︎」
「うわぁ、市丸隊長⁉︎あぁっ!ごめんっ、なつみちゃん!そんなつもりじゃ」
「ぷきゅーーーーー‼︎///」
なつみは奇声を発して後ろに倒れ始める。
五番隊隊舎の大掃除の手伝いも終えた数日後のこと、お昼休みの合図と共になつみは、お財布片手に猛ダッシュで出かけていった。
「木之本のヤツ、どうしたんだ?すげぇスピードで駆け抜けてったぞ」
「ん?なんかねー、クッキーの詰め放題の日だから急いで行ってくるって」
「何で突然?(笑)」
「こないださ、席官に上がると給料もアップするって話したじゃん。景気付けに自分へのご褒美がてら、普段買えないお高いクッキーをゲットしたいんだと」
「まだ二十席になってないのに?」
「うん。まだなってないのに」
「今行かなきゃ買えないのか?」
「人気店だからねぇ、早く行かないとダメなんだって」
「昼飯食わねー気かよ」
「あれ?ちゃんと見てなかった?おにぎりくわえて走ってったよ」
「どんだけマジだよ‼︎」
「なつみ言ってた。戦いに行ってくるって」
「はははっ、くっだらねー!」
「そんなこと言うと、クッキー食べさせてくれないよ?」
「かまうもんか。いつも通りあいつの目の前で横取りしてやる」
「仲が良いんだか、悪いんだか」
「あいつが時間内に帰って来られないに賭けてやろうか」
「何を?」
「お前ら全員に1杯ずつ酒奢ってやる」
「言ったな〜」
なんて仲間たちの会話があった中、なつみは瀞霊廷内でも珍しい西洋の商品を扱う店が集まった街角に向けて全力で疾走していた。
「むおおおおおおおおお🍙‼︎‼︎」
クッキー屋さんには詰め放題待ちの列ができていたが、思ったよりも待ち時間はかからず、案外余裕を持って隊舎に帰れそうだった。
「んー!おいしー🍪!」
戦利品をたっくさん抱えたなつみは、1枚かじり、その念願の甘い感動に浸って歩いていた。
「チョコチップもいっぱい入れれたし、紅茶クッキーもあるし、おさかなクッキーもゲットぉ。Me Love Cookie⭐️」
おっきめな声と共に袋からもう1枚取り出し、パクッとひと口。
「うまいー。2枚目ですら、1枚目の感動再び」
そんなふうにして、おいしさにうるうるしながら夢見心地で歩いているなつみを発見し、駆けつける男が背後から現れた。
「なつみちゃーん。こんにちは」
「///⁉︎」
心地よい大好きな声に呼ばれて驚き、慌てて振り向き、クッキーを小さな背中の後ろに隠した。
「京楽隊長、こんにちは!」
速やかに一礼して、なつみはにっこり笑ってみせた。
「なつみちゃん、隠しても無駄だよ」
ギクッ。
「おいしそうなの食べてたでしょ」
「てへへ」
恥ずかしそうに、クッキーでパンパンになっている紙袋をそーっと前に持っていった。
「見てました?」
「見てました(笑)」
「きゃふ///」
どこから見られてたのだろうと考えて、なつみは顔を伏せた。
「たくさん買ったんだね」
「あのっ、これはひとりで食べるわけじゃなくて、美沙ちゃんと、同室の友人といっしょに食べようかなって思ってて、あと隊の友達とも、…そんな全部食べちゃうほど食いしん坊じゃないですよ!」
「ククク…(笑)必死だね」
そんなことを言及したわけでもないのに、かわいらしい言い訳じみた言い分が返ってきて、つい笑いが漏れてしまう京楽。
「な!ふにゅにゅ…、あっ、そうだ。京楽隊長も1枚いかがですか?」
「良いのかい?」
「はい!」
ごそごそと袋に手を入れて、どの味を渡そうか選んでいると。
「じゃあ、ゆっくりできるところに移動しようか」
と言われ、なつみは京楽に抱きかかえられた。
「あわっ⁉︎わッ‼︎」
一瞬で景色は一変した。
「ぃよっと。ここなら大丈夫かな」
京楽がひとっ飛びでやって来たのは、瀞霊廷内のどこかの屋根の上だった。
「あれ、なつみちゃん?驚かせちゃったかな」
腕の中にいるなつみは硬直し、ガクガク震えていた。
「アノ、コレ、ドウゾ」
急に抱えられたのと、急に移動した衝撃と、憧れの人に急接近してしまってるのとで、手が震えまくっているが、チョコチップクッキーを1枚差し出していた。
「ありがとう。いただきます」なつみを抱き上げたまま、京楽はクッキーをかじった。「うん、おいしいね」
先程は驚かせてしまったので、今度は優しくゆっくり降ろしてあげた。
ブルブルしながら立つなつみは、自分のいる場所を確認するように見回したが、普段見ることのない屋根からの景色のせいで、全く検討がつかない。
「なつみちゃん、あんまりキョロキョロしないで。こっち座って」
あぐらをかき、小声で手招きする京楽の指示に従い、なつみはその横にちょこんと座った。
「あの、ぼく…」
心配そうに京楽を見上げるなつみ。
「わかってるよ。休み時間が終わる前に、ちゃんと君を隊舎まで送ってあげるから。それまで少し、2人でお話ししようよ。嫌かい?」
「いえ。少しなら///」
三番隊隊舎に休憩終了の鐘の音が響く。
「あちゃ〜、木之本残念!」
「間に合いませんでした」
「ふん、俺の勝ち」
「李空が変なこと言うから遅刻しちゃったんだよ」
「休みの日にしなかったアイツが悪いんだろ」
「今、どの辺走ってんだろうな」
「さぁな。あ、副隊長だ」
自分たちの部屋の前の廊下に集まり、尾田たちはなつみの帰りを待っていた。廊下の窓からはちょうど隊舎の門が見え、その門の手前を歩くイヅルがいた。ガラッと窓を開けて、李空が呼びかける。
「副隊長ぉー!」
声に反応して辺りを見るイヅル。
「こっちです。上です、上!」
李空の誘導で、窓辺にいる6人に気が付いた。
「どうかしたー?」
「木之本が外出先から戻っていませーん!帰ってきたら、叱ってやってくださーい‼︎」
ん?と、信じられないという表情になったが、イヅルは了解した。
「わかったー!報告ありがとー」
とそこに、門の外から帰ってきた市丸がやって来た。
「イヅルー?誰と話してんの?」
「隊長。昼休憩が終わったんですけど、木之本くんがいないらしいんですよ。出かけたんだそうで…、見当たりませんよね」
市丸とイヅルは門の外の道を左右確認したが、なつみの姿が現れる様子は感じられなかった。
「どこ行ったんやろうね。なつみちゃんが遅刻なんて珍しい」
「そうですね。隊長といるならまだしも、ひとりでいて遅刻するなんて」
(悪かったな)
そんなツッコミを心の中でした市丸、ほぼ同時に嫌な予感が頭をよぎった。
「誘拐されたんとちゃう?」
「そ、それは考えすぎじゃないですか」
「アカン!なつみちゃんにもしものことがあったら…。ボク、探してくるわー!」
「待ってください!隊長ぉー!……、行っちゃった。全く、サボりたいだけですよね(呆)」
窓辺の6人はこのやり取りをしっかり見ていて。
「あーあ、隊長が探しに行っちゃったよ。木之本怒られちゃうの?」
「そりゃー、誘拐なんてあり得ねーもん。あいつの過失だったら、お説教でしょ」
「かわいそうだな」
「李空、同情なんかしてないだろ。ニヤついてるぞ」
「戻ってきたら、慰めてあげようよ」
「なぁ、隊長の顔、なんかマジじゃなかったか」
尾田にはそう見えた気がした。
「「「「「え…?」」」」」
なつみの霊圧を探知しながら市丸は走った。
「どこやー。あの人に捕まってたら、どないしよう。……お、あっちやな」
微かに届いたなつみの霊圧は、三番隊隊舎からかなり離れたところから来ているらしい。
「待っとりや、今助けに行ったる」
「なつみちゃん、そんなに恥ずかしがらないで、してみてくれないかい。大丈夫、ボクが受け止めてあげるから。ボクを信じて」
「……はい」
なつみの霊圧の根源にかなり近づいてきたとき、もう1人別の霊圧がそばにあるのを察知した。
「これは、京楽さん…か。何や、そうやったか」
予想とは違う人物で一安心。
「そやなくて!犯人が誰であれ、誘拐に違いないやん!」
駆ける速さをぐっと上げる。しばらく行くと向き合って立つなつみと京楽、2人の姿を捉えた。
「おった」
そして市丸の目の前で。
「…は⁉︎」
接吻。…せっぷん???
到着。大きく息を吸って。
「何してんねーーーーーんッ‼︎‼︎‼︎」
「うわぁ、市丸隊長⁉︎あぁっ!ごめんっ、なつみちゃん!そんなつもりじゃ」
「ぷきゅーーーーー‼︎///」
なつみは奇声を発して後ろに倒れ始める。