過去編
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宴会からの帰り道
夜の風はやわらかく、月明かりが二人の影を長く伸ばしていた。
「……ふふ……隊長と2人だと、ついあの頃のこと、思い出しちゃいます……」
澪は平子の隣を歩きながら、酒が入っているからか機嫌良くぽつりぽつりと話し出す。
酔いのせいで歩幅も少し不安定で、時折身体が揺れ、平子が自然にその肩を支える。
その手を頼るようにしながら、澪はふわりと微笑んだ。
「隊長……覚えてませんよね。昔……私、流魂街で、虚に襲われそうになったんです」
「……虚に?」
「あの時……誰にも助けてもらえなかったんです。まわりの子たちも逃げちゃって、わたし一人で……怖くて、震えてて、泣いて……。
泣き虫だったからすぐ泣いちゃって、よく虐められてて、そんなのばっかりだったから……誰かが助けてくれるなんて、思ってなかったんです。……」
ふと、澪の声が震えた。
「……でも……あなたが、来てくれたんです。」
平子の目が少しだけ細められる。
けれど彼女の言葉を遮ることはせず、ただ静かに歩調を合わせていた。
「私……泣いてました。しゃくりあげて、恥ずかしいくらいに。でも、あなたは……笑って、“もう大丈夫やで”って、頭をぽんってしてくれて……
誰も言ってくれなかったのに、“怖かったな、よう頑張った”って……」
「……」
「わたし、その時、はじめてだったんです。泣いてても、うざがられずに……手を差しのべてもらえたの。
だから、その日から……ずっと、あなたのことを、追いかけてました」
平子は眉をひそめ、記憶を探るように空を仰ぐ。
「……そういや、昔……任務で迷い込んだガキ助けたこと、あったなぁ……
泣き虫で……やたらくっついてきよった子が……」
「ふふ、そう。……その子です、わたし」
澪は微笑んだまま、少しだけ、平子の袖を握る。
「わたし、どうしても知りたくて、この人の隣に立ちたいって思って……子供だから咄嗟に好きなタイプ、聞いちゃって…
それでも、綺麗な髪で、出るとこ出てて、包み込んでくれるような……“そういう子がええ”って、言ってくれましたよね? たぶん、子供相手に適当に言っただけなんでしょうけど……」
「……いや、それ、……俺やな……」
「ふふ……♪」
澪は、微かに揺れる瞳で笑っていた。
その笑顔には、今まで隠してきた想いと、ずっと演じてきた“理想の姿”の両方の思いが現れていた。
「わたし、ずっと……あなたの好みに、なりたかった。
泣き虫な私なんて、きっと嫌われちゃうから……強くなって、優しくて、お淑やかで……“好きになってもらえる女の子”になろうって……
それを隊長の隣に、ちゃんと立てるようになったら伝えようと思ってて…」
「…え?」
平子からしたら澪の伝えようとしている事は殆ど言っている様に聞こえており、聞き返そうと口を開こうとしたが、澪の言葉で遮られる。
「今日、ね。隊長……他の女の子と……すごく楽しそうにしてて……」
「……ああ、さっきのかぁ?」
平子は澪に言われるまで忘れてた女隊士との事を思い出す。
澪はほんの少しだけ俯いた。
「……べつに、平子隊長が誰と親しくても私には関係ないって分かってるんです。でも……なんだか……胸が苦しくて。
“あぁ、私じゃダメだったのかな”って……思ってしまって……」
酔いに任せた言葉とは思えないほど、まっすぐだった。
そしてそのまま、ふっと息をついて――
「でも、今日くらいは……少しだけ、ほんとの気持ちを、言いたかったのかもしれません……」
そう言って、澪は赤く火照ってる顔で笑った。
平子は返す言葉を探しながら、澪の頬が夜の灯りに照らされているのを、じっと見つめていた。
そして、少しだけ目を伏せて、言葉を絞り出す。
「……お前、酔うと……けっこう危ないこと言うな」
「……うふふ、明日には全部忘れてくださいね?」
「……忘れられるかいな、そんなもん」
「俺も同じ気持ちなんやから…。」
小さくだが、彼の声は、どこか熱を帯びていた。
初めは可愛くて気の利く優秀な部下が入って嬉しいと思っていたが、澪は隊士の訓練や普段の業務でも全て隊長である自分への為と行動している事に気付いた。
それから澪を目で追うようになってから、普段自分の好みを踏み抜いているが、任務で失敗しても周りに知られない様に落ち込んで泣いていたり、努力を惜しまない姿に確実に好きになっていた。
だから澪の、平子のことが好きで、隣に立ちたくて、平子の好みの女になるために今まで努力してきたことを聞いて――
平子の胸には、言いようのない衝撃と、得も言われぬ愛おしさが広がっていた。
(……そんなに、長いこと……ずっと、俺のことを……)
酔いの勢いに任せてぽろりと零れた告白は、まるで真綿のように彼の心をやさしく、けれどしっかりと包み込んでいた。
何気なく言った昔の言葉ひとつを、ずっと胸に抱いて。
泣き虫だった少女が、涙を隠して強くなって、誰よりも自分を見て、努力し続けてきたなんて。
「……ほんまに、すごい子やな……お前は」
自然とそんな言葉が口をついて出た。
誰かの理想になろうとする生き方は、ときに苦しく、不自由で、報われないこともある。
それでも澪は、投げ出さなかった。
そのまっすぐさが、彼の胸に刺さって離れなかった。
(……もっと好きになってまうやろ、こんなん……)
平子の目が澪を捉え直す。
泣き虫だった少女は、もうここにいない。
けれど、あの頃と変わらず、彼に向かって手を伸ばしてくれている。
その手を、もう二度と振り払いたくないと。
夜風の中、平子の心は、静かに決意を固めていた。
しかしこの時既に澪は舟を漕ぐようにゆらゆらと揺れながら、半分眠りかけの為、平子の言葉を聞いていなかった。
この後、平子は理性を極限まで使い無事澪 を送ったのだった。
******
※会話文のみ、キャラ崩壊
後日談
「……報告書、失礼します」
「……おう。そこ置いといてくれたらええわ」
そう言いながら、平子はじっと澪を見つめており、視線が刺さるのを感じる。
(……えっ、なに? 何でこんなに目が合うの?……ていうか今日ずっと見てこない!?)
「では、失礼します……」
「ああ」
静かにドアが閉まる。
平子side
(……なんやねんあいつ……)
(あんなに俺の事好きですって言うてたくせに……)
(…俺もそれに返事しよったよな?!)
(なのに朝にはケロッとして“おはようございます”って……)
(ほんま……忘れるくらいやったら、言わんといてくれや……)
(……いや、言うてくれて嬉しかったけど!!くっそぉ……!)
(……なんで忘れてんねんっっ!!!!)
「隊長、顔が五月蝿いですよ、仕事してください。」
「うるさいわ惣右介ぇ…」
澪 side
「リサっ、私……飲み会の時、なにかやらかしてませんでしたか……!?」
「んー? まぁ、ちょいちょい真子に絡んでたけど?」
「ひ……っ、やっぱり……!」
「ふふ、でも安心しい、私が一緒の時はやましいことなーんもなかったで」
「ほ、ほんとですか!?」
「澪は清楚に誘惑するタイプだからタチ悪いけどな♪」
「も っ と 最 悪 じ ゃ な い で す か……!!」
夜の風はやわらかく、月明かりが二人の影を長く伸ばしていた。
「……ふふ……隊長と2人だと、ついあの頃のこと、思い出しちゃいます……」
澪は平子の隣を歩きながら、酒が入っているからか機嫌良くぽつりぽつりと話し出す。
酔いのせいで歩幅も少し不安定で、時折身体が揺れ、平子が自然にその肩を支える。
その手を頼るようにしながら、澪はふわりと微笑んだ。
「隊長……覚えてませんよね。昔……私、流魂街で、虚に襲われそうになったんです」
「……虚に?」
「あの時……誰にも助けてもらえなかったんです。まわりの子たちも逃げちゃって、わたし一人で……怖くて、震えてて、泣いて……。
泣き虫だったからすぐ泣いちゃって、よく虐められてて、そんなのばっかりだったから……誰かが助けてくれるなんて、思ってなかったんです。……」
ふと、澪の声が震えた。
「……でも……あなたが、来てくれたんです。」
平子の目が少しだけ細められる。
けれど彼女の言葉を遮ることはせず、ただ静かに歩調を合わせていた。
「私……泣いてました。しゃくりあげて、恥ずかしいくらいに。でも、あなたは……笑って、“もう大丈夫やで”って、頭をぽんってしてくれて……
誰も言ってくれなかったのに、“怖かったな、よう頑張った”って……」
「……」
「わたし、その時、はじめてだったんです。泣いてても、うざがられずに……手を差しのべてもらえたの。
だから、その日から……ずっと、あなたのことを、追いかけてました」
平子は眉をひそめ、記憶を探るように空を仰ぐ。
「……そういや、昔……任務で迷い込んだガキ助けたこと、あったなぁ……
泣き虫で……やたらくっついてきよった子が……」
「ふふ、そう。……その子です、わたし」
澪は微笑んだまま、少しだけ、平子の袖を握る。
「わたし、どうしても知りたくて、この人の隣に立ちたいって思って……子供だから咄嗟に好きなタイプ、聞いちゃって…
それでも、綺麗な髪で、出るとこ出てて、包み込んでくれるような……“そういう子がええ”って、言ってくれましたよね? たぶん、子供相手に適当に言っただけなんでしょうけど……」
「……いや、それ、……俺やな……」
「ふふ……♪」
澪は、微かに揺れる瞳で笑っていた。
その笑顔には、今まで隠してきた想いと、ずっと演じてきた“理想の姿”の両方の思いが現れていた。
「わたし、ずっと……あなたの好みに、なりたかった。
泣き虫な私なんて、きっと嫌われちゃうから……強くなって、優しくて、お淑やかで……“好きになってもらえる女の子”になろうって……
それを隊長の隣に、ちゃんと立てるようになったら伝えようと思ってて…」
「…え?」
平子からしたら澪の伝えようとしている事は殆ど言っている様に聞こえており、聞き返そうと口を開こうとしたが、澪の言葉で遮られる。
「今日、ね。隊長……他の女の子と……すごく楽しそうにしてて……」
「……ああ、さっきのかぁ?」
平子は澪に言われるまで忘れてた女隊士との事を思い出す。
澪はほんの少しだけ俯いた。
「……べつに、平子隊長が誰と親しくても私には関係ないって分かってるんです。でも……なんだか……胸が苦しくて。
“あぁ、私じゃダメだったのかな”って……思ってしまって……」
酔いに任せた言葉とは思えないほど、まっすぐだった。
そしてそのまま、ふっと息をついて――
「でも、今日くらいは……少しだけ、ほんとの気持ちを、言いたかったのかもしれません……」
そう言って、澪は赤く火照ってる顔で笑った。
平子は返す言葉を探しながら、澪の頬が夜の灯りに照らされているのを、じっと見つめていた。
そして、少しだけ目を伏せて、言葉を絞り出す。
「……お前、酔うと……けっこう危ないこと言うな」
「……うふふ、明日には全部忘れてくださいね?」
「……忘れられるかいな、そんなもん」
「俺も同じ気持ちなんやから…。」
小さくだが、彼の声は、どこか熱を帯びていた。
初めは可愛くて気の利く優秀な部下が入って嬉しいと思っていたが、澪は隊士の訓練や普段の業務でも全て隊長である自分への為と行動している事に気付いた。
それから澪を目で追うようになってから、普段自分の好みを踏み抜いているが、任務で失敗しても周りに知られない様に落ち込んで泣いていたり、努力を惜しまない姿に確実に好きになっていた。
だから澪の、平子のことが好きで、隣に立ちたくて、平子の好みの女になるために今まで努力してきたことを聞いて――
平子の胸には、言いようのない衝撃と、得も言われぬ愛おしさが広がっていた。
(……そんなに、長いこと……ずっと、俺のことを……)
酔いの勢いに任せてぽろりと零れた告白は、まるで真綿のように彼の心をやさしく、けれどしっかりと包み込んでいた。
何気なく言った昔の言葉ひとつを、ずっと胸に抱いて。
泣き虫だった少女が、涙を隠して強くなって、誰よりも自分を見て、努力し続けてきたなんて。
「……ほんまに、すごい子やな……お前は」
自然とそんな言葉が口をついて出た。
誰かの理想になろうとする生き方は、ときに苦しく、不自由で、報われないこともある。
それでも澪は、投げ出さなかった。
そのまっすぐさが、彼の胸に刺さって離れなかった。
(……もっと好きになってまうやろ、こんなん……)
平子の目が澪を捉え直す。
泣き虫だった少女は、もうここにいない。
けれど、あの頃と変わらず、彼に向かって手を伸ばしてくれている。
その手を、もう二度と振り払いたくないと。
夜風の中、平子の心は、静かに決意を固めていた。
しかしこの時既に澪は舟を漕ぐようにゆらゆらと揺れながら、半分眠りかけの為、平子の言葉を聞いていなかった。
この後、平子は理性を極限まで使い無事澪 を送ったのだった。
******
※会話文のみ、キャラ崩壊
後日談
「……報告書、失礼します」
「……おう。そこ置いといてくれたらええわ」
そう言いながら、平子はじっと澪を見つめており、視線が刺さるのを感じる。
(……えっ、なに? 何でこんなに目が合うの?……ていうか今日ずっと見てこない!?)
「では、失礼します……」
「ああ」
静かにドアが閉まる。
平子side
(……なんやねんあいつ……)
(あんなに俺の事好きですって言うてたくせに……)
(…俺もそれに返事しよったよな?!)
(なのに朝にはケロッとして“おはようございます”って……)
(ほんま……忘れるくらいやったら、言わんといてくれや……)
(……いや、言うてくれて嬉しかったけど!!くっそぉ……!)
(……なんで忘れてんねんっっ!!!!)
「隊長、顔が五月蝿いですよ、仕事してください。」
「うるさいわ惣右介ぇ…」
澪 side
「リサっ、私……飲み会の時、なにかやらかしてませんでしたか……!?」
「んー? まぁ、ちょいちょい真子に絡んでたけど?」
「ひ……っ、やっぱり……!」
「ふふ、でも安心しい、私が一緒の時はやましいことなーんもなかったで」
「ほ、ほんとですか!?」
「澪は清楚に誘惑するタイプだからタチ悪いけどな♪」
「も っ と 最 悪 じ ゃ な い で す か……!!」
