SIZE(バッファローマン夢小説)
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Good cheer
ハイヤーはホテルの正面玄関に滑るように乗り付け、ドアマンがバッファローマンの側のドアを開ける。降り立った彼は彼女に手を差しのべ、アカデミー賞のレッドカーペットを歩くようにエスコートした。
くだんのレストランに入店し『reserved』と書かれたカードの立てられた、店内で一番中央の席に案内された。
今夜のメニューは以下のようになっているらしい。
アミューズ(Amuse)……蛍烏賊の冷燻製
アントレ(Entrée)……ホワイトアスパラガスと楚蟹のナージュ
ポタージュ(Potage)……蛤のカプチーノ仕立て サフラン風味
ポワソン(Poisson)……鰆のポワレと焼き雲丹
グラニテ(Granité)……カシスのグラニテ
ビアンド(Viande)……シャトーブリアンのソテー
デセール(Dessert)……スカイベリーのロマノフ
カフェ・ウ・テ(Café ou thé)
食前酒にはスペイン産のシェリー、ワインはドイツ産の辛口の白と、フルボディの赤をオーダーした。
アミューズと一緒にいただく辛口のシェリーは強化ワインらしい芳醇で腰の座った香りと味わいだ。
度数の強いその液体が喉を通ると、焼けるような熱さが滲み出して気持ちがリセットされる。
少しずつ染み渡る酔いは身体をほぐし、これからいただく料理をゆったりと味わえる心持になる。
アントレのホワイトアスパラガスに春の訪れを感じながら少し早いが白のボトルを開けた。
旬を迎えた蛤のうま味を凝縮したクリーミーなポタージュを大事に少しずつ味わう。
バッファローマンのテーブルマナーは何から何まで完璧だった。慣れた感じでカトラリーを扱いながらいまも鰆のポワレと焼き雲丹をフィッシュスプーンに乗せ、ソースと適量ずつ合わせて口に運んでいる。
押し出しのよい彼がそんな風に食事を楽しむさまは、古い時代のヨーロッパの王公貴族、それも武勲で功成り名を遂げた人物のようだ。
スッキリとした酸味と優雅な香りのカシスを使ったグラニテで舌を新しくした。
やがて赤のワインが継がれ、ビアンドが運ばれてきた。
シャトーブリアンのソテー。
表面は色よく焼き上げられ、わずかに中央部が膨らんでいる。
ソースはオ・ジュー(Au Jus)を用いてごくあっさりと仕立てられたもので、もちろんソテーとは別の肉から作られたものだ。
この稀少な美味に過分なソースやロッシーニ風のフォアグラの脂などは必要ない。
ナイフはその身の中にスルリと入っていく。
口に運んで噛みしめれば肉らしい質感を保ちつつも抵抗は一切なく、清澄な旨味だけの肉汁が溢れてくる。羽二重のようにきめ細かく滑らかな肉質を楽しみながら咀嚼していると口内の塊は驚くほど小さくなっていき、惜しみながらそれを飲み下す。
バッファローマンは巧みにステーキを切り分けて口に運び、満悦の表情を浮かべている。
「肉質も焼き方も申し分ないな」
「食べてると溶けちゃう」
「アメリカンステーキみたいな食い方も悪くないが、シャトーブリアンは別格だ」
ハイヤーはホテルの正面玄関に滑るように乗り付け、ドアマンがバッファローマンの側のドアを開ける。降り立った彼は彼女に手を差しのべ、アカデミー賞のレッドカーペットを歩くようにエスコートした。
くだんのレストランに入店し『reserved』と書かれたカードの立てられた、店内で一番中央の席に案内された。
今夜のメニューは以下のようになっているらしい。
アミューズ(Amuse)……蛍烏賊の冷燻製
アントレ(Entrée)……ホワイトアスパラガスと楚蟹のナージュ
ポタージュ(Potage)……蛤のカプチーノ仕立て サフラン風味
ポワソン(Poisson)……鰆のポワレと焼き雲丹
グラニテ(Granité)……カシスのグラニテ
ビアンド(Viande)……シャトーブリアンのソテー
デセール(Dessert)……スカイベリーのロマノフ
カフェ・ウ・テ(Café ou thé)
食前酒にはスペイン産のシェリー、ワインはドイツ産の辛口の白と、フルボディの赤をオーダーした。
アミューズと一緒にいただく辛口のシェリーは強化ワインらしい芳醇で腰の座った香りと味わいだ。
度数の強いその液体が喉を通ると、焼けるような熱さが滲み出して気持ちがリセットされる。
少しずつ染み渡る酔いは身体をほぐし、これからいただく料理をゆったりと味わえる心持になる。
アントレのホワイトアスパラガスに春の訪れを感じながら少し早いが白のボトルを開けた。
旬を迎えた蛤のうま味を凝縮したクリーミーなポタージュを大事に少しずつ味わう。
バッファローマンのテーブルマナーは何から何まで完璧だった。慣れた感じでカトラリーを扱いながらいまも鰆のポワレと焼き雲丹をフィッシュスプーンに乗せ、ソースと適量ずつ合わせて口に運んでいる。
押し出しのよい彼がそんな風に食事を楽しむさまは、古い時代のヨーロッパの王公貴族、それも武勲で功成り名を遂げた人物のようだ。
スッキリとした酸味と優雅な香りのカシスを使ったグラニテで舌を新しくした。
やがて赤のワインが継がれ、ビアンドが運ばれてきた。
シャトーブリアンのソテー。
表面は色よく焼き上げられ、わずかに中央部が膨らんでいる。
ソースはオ・ジュー(Au Jus)を用いてごくあっさりと仕立てられたもので、もちろんソテーとは別の肉から作られたものだ。
この稀少な美味に過分なソースやロッシーニ風のフォアグラの脂などは必要ない。
ナイフはその身の中にスルリと入っていく。
口に運んで噛みしめれば肉らしい質感を保ちつつも抵抗は一切なく、清澄な旨味だけの肉汁が溢れてくる。羽二重のようにきめ細かく滑らかな肉質を楽しみながら咀嚼していると口内の塊は驚くほど小さくなっていき、惜しみながらそれを飲み下す。
バッファローマンは巧みにステーキを切り分けて口に運び、満悦の表情を浮かべている。
「肉質も焼き方も申し分ないな」
「食べてると溶けちゃう」
「アメリカンステーキみたいな食い方も悪くないが、シャトーブリアンは別格だ」