往還(バッファローマン夢小説)
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気がつけば一週間前と同じ場所にいた。
サイコマンと名乗る超人も、同じタイミングで姿を現した。
内心安堵しつつ渋面を浮かべバッファローマンは声をかけた。
「やっぱり現れたか」
「私のイタズラ、楽しんでいただけましたか?」
「そんなワケあるか、アンタ、本当にイヤなことするな。よくもまぁこんなお膳立てしたもんだ」
「あら残念」
「なあ、世界Bの、お前のところのバッファローマンはしんだのか?
それからバッファローマンCの意識はどこなんだ?」
「最初の答えは『いいえ』です。ピンピンしてますよ」
「じゃソイツのところに行けばいいじゃないか」
「仰るとおりなんですが、あの方いまちょっと立て込んでましてそれどころじゃないんです。
二つ目の答えはココ」
サイコマンは腰のポケットらしき場所から何かを取り出した。直径20センチくらいの球。表面は虹色にキラキラと輝いている。大きな超人玉に見えなくもない。
「コレ、バッファローマンCさんの意識というか魂?みたいなモノです。これを取り出して空いた身体に貴方の意識を押し込みました」
「判らんな、何でわざわざオレのところまで悪さをしに出張ってくる?何が目的なんだ?もしかしてバッファローマンという存在そのものが嫌いなのか?」
「私べつに怨霊になった訳ではありません。
現・正義超人、元・悪魔超人のあなたはね、私たち完璧超人始祖パーフェクトオリジンの後継者のようなものなんです。
だからつい引き寄せられてしまう。
それだけです」
その声はカサカサと乾いていて何だかひどく疲れた老人のようにも感じられた。
独り語りはなおも続く。
「肉体は消滅し、シルバーさんの魂もとっくに高次元の世界にシフトしてしまったというのに、私ときたら未だにこうやって下位の世界に留まっている。
もしかしたらこれは私のなかにも芽生えていた『友情』とやらの存在にずっと眼を背け続けていた報いなのかもしれません。
シルバーさんには安らかに、なんていわれましたがくそくらえ――ああ、失礼。
『退屈は神をも殺す』です。
結論を言えば私はもうずっと退屈をしていて、慰めをちょっぴり必要としていた。
ハロウィーンみたいなチャンスが訪れても知り合いは立て込んでいる。
それで代わりに貴方に白羽の矢を立ててみたってところですね」
サイコマンの長口上が終わり、バッファローマンはヤレヤレという風に息を吐いた。
「そんでこのお遊びを終いにするにはどうすればいいんだ?」
「簡単です、私の鼓動をとめるんです」
剣呑な回答にバッファローマンは眉根を寄せた。
「……どういう意味だ」
「言葉通りです、私をころせばいい。
この時間線で私の存在が消滅すれば、世界律は自浄作用が働いて元に戻ろうと動き始めます。
そうすればバッファローマンCの意識は現在貴方が宿っている肉体に再び収まろうとし、その余波であなたの意識は肉体から弾き出されます。意識が肉体から出さえすれば、元の肉体、ご自慢の1000万パワーのボディに戻れるでしょう」
サイコマンの真意を測るようにバッファローマンは相手をねめつけた。
「安心してください。私はサイコマンではなく『かつてサイコマンだった者の名残』です。
貴方にインチキ臭いと言われたマグネットパワーはもう使えません。他の殆どのフェイバリットホールドもね。ハンデとしてはちょうどいいでしょう?」
マグネットパワー、その言葉に背筋が粟立った。
地球の自転をも狂わせる力もさることながら、それが生み出すサンダーサーベルときたら、空中高くから降ってきて楔のように相手の肉体を貫くのだ。さながら神の怒りのように。
「それ以外の手段はないのか?」
「ありません」
マグネットパワーが使えなくなっていても常軌を逸した相手であることは間違いない。
今のこの肉体で果たして勝てるだろうか。
けれど他に選択肢がない以上やるしかない。
バッファローマンの人生はいつもそんな状況の連続だった。
もう慣れっこだ。
「ならとっととやろうぜ」
「やる気になってくれましたか。嬉しいですよ、バッファローマン」
相も変わらずニャガニャガと気に障る笑い声をあげる。
「それじゃ、お先に」
その言葉を最後にサイコマンは音もなく先ほど指し示した頭上のリングに向かって浮遊していった。
ついでバッファローマンも地面を軽く蹴ってそのリングに向かって飛翔した。
両者が対角上のコーナーに立つ。
サイコマンと名乗る超人も、同じタイミングで姿を現した。
内心安堵しつつ渋面を浮かべバッファローマンは声をかけた。
「やっぱり現れたか」
「私のイタズラ、楽しんでいただけましたか?」
「そんなワケあるか、アンタ、本当にイヤなことするな。よくもまぁこんなお膳立てしたもんだ」
「あら残念」
「なあ、世界Bの、お前のところのバッファローマンはしんだのか?
それからバッファローマンCの意識はどこなんだ?」
「最初の答えは『いいえ』です。ピンピンしてますよ」
「じゃソイツのところに行けばいいじゃないか」
「仰るとおりなんですが、あの方いまちょっと立て込んでましてそれどころじゃないんです。
二つ目の答えはココ」
サイコマンは腰のポケットらしき場所から何かを取り出した。直径20センチくらいの球。表面は虹色にキラキラと輝いている。大きな超人玉に見えなくもない。
「コレ、バッファローマンCさんの意識というか魂?みたいなモノです。これを取り出して空いた身体に貴方の意識を押し込みました」
「判らんな、何でわざわざオレのところまで悪さをしに出張ってくる?何が目的なんだ?もしかしてバッファローマンという存在そのものが嫌いなのか?」
「私べつに怨霊になった訳ではありません。
現・正義超人、元・悪魔超人のあなたはね、私たち完璧超人始祖パーフェクトオリジンの後継者のようなものなんです。
だからつい引き寄せられてしまう。
それだけです」
その声はカサカサと乾いていて何だかひどく疲れた老人のようにも感じられた。
独り語りはなおも続く。
「肉体は消滅し、シルバーさんの魂もとっくに高次元の世界にシフトしてしまったというのに、私ときたら未だにこうやって下位の世界に留まっている。
もしかしたらこれは私のなかにも芽生えていた『友情』とやらの存在にずっと眼を背け続けていた報いなのかもしれません。
シルバーさんには安らかに、なんていわれましたがくそくらえ――ああ、失礼。
『退屈は神をも殺す』です。
結論を言えば私はもうずっと退屈をしていて、慰めをちょっぴり必要としていた。
ハロウィーンみたいなチャンスが訪れても知り合いは立て込んでいる。
それで代わりに貴方に白羽の矢を立ててみたってところですね」
サイコマンの長口上が終わり、バッファローマンはヤレヤレという風に息を吐いた。
「そんでこのお遊びを終いにするにはどうすればいいんだ?」
「簡単です、私の鼓動をとめるんです」
剣呑な回答にバッファローマンは眉根を寄せた。
「……どういう意味だ」
「言葉通りです、私をころせばいい。
この時間線で私の存在が消滅すれば、世界律は自浄作用が働いて元に戻ろうと動き始めます。
そうすればバッファローマンCの意識は現在貴方が宿っている肉体に再び収まろうとし、その余波であなたの意識は肉体から弾き出されます。意識が肉体から出さえすれば、元の肉体、ご自慢の1000万パワーのボディに戻れるでしょう」
サイコマンの真意を測るようにバッファローマンは相手をねめつけた。
「安心してください。私はサイコマンではなく『かつてサイコマンだった者の名残』です。
貴方にインチキ臭いと言われたマグネットパワーはもう使えません。他の殆どのフェイバリットホールドもね。ハンデとしてはちょうどいいでしょう?」
マグネットパワー、その言葉に背筋が粟立った。
地球の自転をも狂わせる力もさることながら、それが生み出すサンダーサーベルときたら、空中高くから降ってきて楔のように相手の肉体を貫くのだ。さながら神の怒りのように。
「それ以外の手段はないのか?」
「ありません」
マグネットパワーが使えなくなっていても常軌を逸した相手であることは間違いない。
今のこの肉体で果たして勝てるだろうか。
けれど他に選択肢がない以上やるしかない。
バッファローマンの人生はいつもそんな状況の連続だった。
もう慣れっこだ。
「ならとっととやろうぜ」
「やる気になってくれましたか。嬉しいですよ、バッファローマン」
相も変わらずニャガニャガと気に障る笑い声をあげる。
「それじゃ、お先に」
その言葉を最後にサイコマンは音もなく先ほど指し示した頭上のリングに向かって浮遊していった。
ついでバッファローマンも地面を軽く蹴ってそのリングに向かって飛翔した。
両者が対角上のコーナーに立つ。