二人のビート(ステカセキング夢小説)
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一時間ほどでステカセキングは店を後にした。彼女の勤めが終わったら二人で過ごす予定だ。
この街はさまざまな演劇を上演する大小の劇場があり、近隣には関連する有名人が多く住んでいる。そのため演劇を志す人々が集まってきていつもたいそうにぎやかだ。
カフェ、居酒屋、古着屋、骨董屋、古本屋。およそ余所では考えられないくらい個人経営の店がいっぱいあって、サラリーマンより自由人が多いせいか正午に近くならないと街は動き始めない。そればかりか週末になると、昨晩の大騒ぎの結末が電柱の根元に吐き戻されていたり、明るくなっても千鳥足で歩く人がまま見受けらたりする。
だけどステカセキングが時たま人々から感じるビートはポップでエネルギッシュなものばかりだ。
コミカルな外観からひょうきんもののように思われがちな彼だけど、思うようにならないことは当たり前だがたくさんあって、時には落ち込んだりもする。だけどココに来て夢や志を持った人のビートを感じていると、明日からまた頑張ってみようという気持ちに自然となれるのだ。
そして彼にとって彼女はこの街のそんなステキな部分の結晶だったりする。
「おまたせー!」
シフトを終えた彼女が待ち合わせ場所に姿を現した。
身長214センチのステカセキングをピョンピョン飛びはねながら見上げる彼女は嬉しさではち切れそうだ。
「オツカレ、ハラへってないか?」
「うん、もうペコペコ!」
今日もお気に入りのホットドッグスタンドでチリドックとコーラを買い求めると、広場のベンチでそれを食べた。その後はしばしお気に入りの曲を聴く。
もちろんステカセキングのボディのカセットプレイヤーに二人用のイヤホンをつないで。
ステカセキングに身体をあずけて、小さく足でリズムを取る彼女と、その肩に腕をまわして同じく指でリズムを取っている彼。
ひとつの曲をシェアするこの上なく幸せなひと時。
いま二人は愛のビートを刻んでいる。
End
初出:PIXIV 2022.03.21
この街はさまざまな演劇を上演する大小の劇場があり、近隣には関連する有名人が多く住んでいる。そのため演劇を志す人々が集まってきていつもたいそうにぎやかだ。
カフェ、居酒屋、古着屋、骨董屋、古本屋。およそ余所では考えられないくらい個人経営の店がいっぱいあって、サラリーマンより自由人が多いせいか正午に近くならないと街は動き始めない。そればかりか週末になると、昨晩の大騒ぎの結末が電柱の根元に吐き戻されていたり、明るくなっても千鳥足で歩く人がまま見受けらたりする。
だけどステカセキングが時たま人々から感じるビートはポップでエネルギッシュなものばかりだ。
コミカルな外観からひょうきんもののように思われがちな彼だけど、思うようにならないことは当たり前だがたくさんあって、時には落ち込んだりもする。だけどココに来て夢や志を持った人のビートを感じていると、明日からまた頑張ってみようという気持ちに自然となれるのだ。
そして彼にとって彼女はこの街のそんなステキな部分の結晶だったりする。
「おまたせー!」
シフトを終えた彼女が待ち合わせ場所に姿を現した。
身長214センチのステカセキングをピョンピョン飛びはねながら見上げる彼女は嬉しさではち切れそうだ。
「オツカレ、ハラへってないか?」
「うん、もうペコペコ!」
今日もお気に入りのホットドッグスタンドでチリドックとコーラを買い求めると、広場のベンチでそれを食べた。その後はしばしお気に入りの曲を聴く。
もちろんステカセキングのボディのカセットプレイヤーに二人用のイヤホンをつないで。
ステカセキングに身体をあずけて、小さく足でリズムを取る彼女と、その肩に腕をまわして同じく指でリズムを取っている彼。
ひとつの曲をシェアするこの上なく幸せなひと時。
いま二人は愛のビートを刻んでいる。
End
初出:PIXIV 2022.03.21
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