ゲームブック ドスくん落ち
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「...うそ、そんなの作り物でしょう?そんな出鱈目には騙されませんから 。私を利用したって無駄ですよ」
「まだドストエフスキーを信じるとは、君も哀れだね」
この世界が好きだった。
だからこそ、この人が昔どんな人だったか知っている。
今だって、殺しはしなくとも目的の為なら手段は選ばないだろう。
"彼ならば貴女をぼくをおびき出す為の餌にするでしょう"
脳裏にフョードルさんの言葉が蘇る。
「今私の手をとらなければ、君はもう二度とドストエフスキーから逃げられなくなる。永遠に自由を失うことになるんだ」
太宰さんに着いて行ったところで、きっと自由なんてないだろう。
この人を前に帰れるとは思っていない。
逃げれるだけの力も頭脳も私には無い。
上着の内ポケットに隠していた小型銃をそっと取り出す。死ぬのは怖い。だけど。
...利用されるくらいならば。
「!待て、止めるんだ!!」
死んだ方がずっといい。
ありきたりな映画の中でしか見たことがないから、見様見真似で安全装置を指先で探す。かちり。あ、レバーが小さく動いた。
耳の上に当てる。
ここならきっとすぐに死ねる。
冷たい無機質な鉄。
引き止める声を無視して引き金を引いた。
怖い。死は怖いけれど、
もう怯えなくて済む。
どんな結末であれ、私はきっとこの世界では生きていけないから。
…?