文豪ストレイドッグス
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9月になったというのに未だ気温は驚きの35℃前後をさ迷っている。外はうだる様な暑さの中、数少なく鳴ったであろう蝉の鳴き声が微かに聞こえる。午前中に終わらせておきたいものは一先ず終わり、昼食も食べ終わりせっかくの昼休みなのだから気分転換にと下の喫茶店にでも行こうと考える。通路にでると早くもじっとりと汗ばんできた。
「なまえさん」
「敦くん」
彼は先日の依頼の報告書を谷崎くんとまとめていたはずだが慌ててきたのだろうか。
扉の開く音と同時に後ろから駆け寄る彼に、そんなに急ぐと汗かくのになと内心ツッコミをいれる。
もっとも日頃鍛えている彼はきっと暑さくらい平気なのだろう。あるいは、猫は多少の暑さなら平気とも言うから彼もそうなのかもしれない。少しの下心を隠して誘うと是非と返ってくる。
「なんだかかき氷が食べたくなってしまって」
「もうすぐ販売期間終わるもんね。えぇー、今日のおやつはソフトクリーム食べようと思ってたのに私まで食べたくなってきちゃった」
でもかき氷量多くて食べきれないんだよなぁと小声で呟いた。
「なら僕のを少しどうぞ」
「え、ほんとう?やった」
小声のはずが彼にはしっかり聞こえていたらしい。敦くんはお昼ご飯食べたのか、今更ながら疑問が湧いた。
「いやぁ、まだなんでついでに食べようかなと」
「そうなんだ。お腹空いてるなら違うところでも行く?この間気になってたお店とかどう?」
10代の食べ盛りの男の子には喫茶店のランチメニューでは些か足りないだろうと思ったからだ。
「いえ、それはまた今度。最近[#dn=1#]さんとゆっくり過ごす時間がなかったので」
照れくさそうに口元を緩める彼に胸が高鳴る。確かにここ数日、会社としては嬉しいことに依頼が続いており同じ職場だというのにゆっくり会話することもなかったのだ。
扉を開けると涼しい風入り込む。
いらっしゃいませ。
人の賑わう声に負けずウエイトレスさんが声をあげる。案内された席に座りメニュー表を眺めるとナポリタンとオムライスで迷う彼に笑みが零れる。普段はあんなに強くてかっこいいのにこういうところはなんだか年相応で可愛らしい。
どうやら今日はオムライスのに決まったようだ。あつあつとろとろの黄金に輝くオムライスが運ばれる。実に美味しそうだが(実際ここのオムライスは美味しいのだ)見ているだけで熱気が伝わりそうだ。1口どうぞと言われるも断る。今はこのひんやり滑らかなソフトクリームだけ感じていたい。
私が食べ終わる頃には黄金色はみるみる減っていきあっという間に皿の上にはケチャップの色残りだけになった。よほどお腹が空いていたのだろう。食べ終えたのを見図りかき氷が運ばれる。大量の氷の上には赤いシロップ。
「苺好きでしたよね。どうぞ!」
差し出されるスプーンを今度は口に受け入れる。私が以前なにかの話題で苺が好きだと言ったのを覚えていたらしい。
シロップには苺など名ばかりで実際には全く入っておらずただの着色された砂糖の液体のはずが、3口、4口と差し出されるがままに食べ進むと不思議と苺の味がするような気がしてくる。
「ありがとう、美味しいね。私はもういいよ、後は敦くんが食べて」
「ふふ、わかりました」
彼の私を見つめる眼差しはただひたすらに優しい。もう少しならこの暑さが続いてもいいかもしれないと柄にもなく思った。
「なまえさん」
「敦くん」
彼は先日の依頼の報告書を谷崎くんとまとめていたはずだが慌ててきたのだろうか。
扉の開く音と同時に後ろから駆け寄る彼に、そんなに急ぐと汗かくのになと内心ツッコミをいれる。
もっとも日頃鍛えている彼はきっと暑さくらい平気なのだろう。あるいは、猫は多少の暑さなら平気とも言うから彼もそうなのかもしれない。少しの下心を隠して誘うと是非と返ってくる。
「なんだかかき氷が食べたくなってしまって」
「もうすぐ販売期間終わるもんね。えぇー、今日のおやつはソフトクリーム食べようと思ってたのに私まで食べたくなってきちゃった」
でもかき氷量多くて食べきれないんだよなぁと小声で呟いた。
「なら僕のを少しどうぞ」
「え、ほんとう?やった」
小声のはずが彼にはしっかり聞こえていたらしい。敦くんはお昼ご飯食べたのか、今更ながら疑問が湧いた。
「いやぁ、まだなんでついでに食べようかなと」
「そうなんだ。お腹空いてるなら違うところでも行く?この間気になってたお店とかどう?」
10代の食べ盛りの男の子には喫茶店のランチメニューでは些か足りないだろうと思ったからだ。
「いえ、それはまた今度。最近[#dn=1#]さんとゆっくり過ごす時間がなかったので」
照れくさそうに口元を緩める彼に胸が高鳴る。確かにここ数日、会社としては嬉しいことに依頼が続いており同じ職場だというのにゆっくり会話することもなかったのだ。
扉を開けると涼しい風入り込む。
いらっしゃいませ。
人の賑わう声に負けずウエイトレスさんが声をあげる。案内された席に座りメニュー表を眺めるとナポリタンとオムライスで迷う彼に笑みが零れる。普段はあんなに強くてかっこいいのにこういうところはなんだか年相応で可愛らしい。
どうやら今日はオムライスのに決まったようだ。あつあつとろとろの黄金に輝くオムライスが運ばれる。実に美味しそうだが(実際ここのオムライスは美味しいのだ)見ているだけで熱気が伝わりそうだ。1口どうぞと言われるも断る。今はこのひんやり滑らかなソフトクリームだけ感じていたい。
私が食べ終わる頃には黄金色はみるみる減っていきあっという間に皿の上にはケチャップの色残りだけになった。よほどお腹が空いていたのだろう。食べ終えたのを見図りかき氷が運ばれる。大量の氷の上には赤いシロップ。
「苺好きでしたよね。どうぞ!」
差し出されるスプーンを今度は口に受け入れる。私が以前なにかの話題で苺が好きだと言ったのを覚えていたらしい。
シロップには苺など名ばかりで実際には全く入っておらずただの着色された砂糖の液体のはずが、3口、4口と差し出されるがままに食べ進むと不思議と苺の味がするような気がしてくる。
「ありがとう、美味しいね。私はもういいよ、後は敦くんが食べて」
「ふふ、わかりました」
彼の私を見つめる眼差しはただひたすらに優しい。もう少しならこの暑さが続いてもいいかもしれないと柄にもなく思った。
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