翌朝、クリスは近くの村に立ち寄った。今後の生活の為に仕事を探しているのだ。
その村はとても広く店もたくさんあって、豊かで明るく活気に満ちていた。
人々は、最初こそはクリスの姿を不思議そうに見ていたが、すぐに悪い人ではないと分かってくれた。
それだけ、この村に住む人々はとても優しく、明るいのだ。
クリスはどんな仕事をするか考えていると、あるものが目に止まった。
それは、牛乳配達のアルバイトだった。
そのアルバイトは、クリスのような年齢でも採用してもらえるというのだ。
しかも報酬も結構もらえるし、気の良い人達もいた。
クリスは決心した。
ここで働いて、ラディッツと、ここにやって来るベジータとナッパ達と一緒に暮らせるようにしたい。そんな思いを胸に込めて…。

そして、無事に面接に合格し、クリスの初仕事が始まった。最初はとても不安だったが、心優しい先輩達に励まされ、親切に教えてもらい、順調に仕事を進めることができた。
クリスは物覚えがすごく早かった。先輩も店長も驚き、そして喜んだ。
さらに、クリスの礼儀正しい態度に、配達を待ってた人達も感心していた。
こうしてクリスは、毎日仕事を頑張り、貯金も順調に貯まり、生活も安定するようになった。

ある日、クリスは仕事を終えて買い物に出掛けた。
すると、向こうからちょっとした叫び声が聞こえた。見ると、そこには背の低い丸坊主の若者が、あわてて何やら拾っていた。
どうやら、買った物が箱の底から抜けて、落ちてしまったようだ。
だがよく見るとその若者は、ラディッツが尻尾でなぎ払った、カカロットと一緒にいたあの若者だった。
クリスはちょっと不安だったが、このまま放っては置けなかった。
「あの、大丈夫ですか？お手伝いします」
「あ、ありがとう。って、あれ？君ってもしかして、最近牛乳配達のアルバイトを始めたって子かい？」
若者は驚いて言った。
「あ、はい…。でも、どうして…？」
「実はオレも子供の頃に、悟空と一緒にそこで働いていた事があったんだ。まあ、修行だったけど…」
「え？！お兄さんもここで働いてたんですか！？」
クリスはびっくりして飛び上がった。