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Dear Saiyans 6話・緊迫の出会い

クリスが宇宙船に着いた時には、日が暮れていた。
「ただいま、ラディー。遅くなってごめんね」
クリスはリンゴとみかんが入った箱を抱えて、ラディッツに言った。
そして、クリスはもらったリンゴとみかんをひとつひとつ冷蔵庫に入れて保管した。
「こんなにたくさんもらっちゃった。地球の人々って、すごく親切だね…」
クリスは、胸の中が温かくなってきた。
「早くベジータさん達を止めて、みんなで幸せに暮らせるようにしたい…」
クリスはそう思った。
すると、ラディッツのほうからゴソッと音がした。
ふと振り向くと、なんとラディッツが寝返りを打った、つまり体の向きを変え始めたのだ。
さらに、ん、うん…と返事をしているかのように小さく唸ったのだ。
ラディッツが確実に意識を取り戻し始めている。クリスは喜んだ。もう少しでラディッツが元気になる。
「ラディー…」
クリスはラディッツの髪を優しく撫でると、ラディッツに歌を聞かせた。
クリスの美しく優しい子守り歌のような歌声にラディッツは眠りながら耳を傾けていた。

すると。
「……クリス…様…」
ラディッツが、しゃべった。目は閉じたままだが確かにしゃべった。
「ラディー!?」
クリスはびっくりし、そして嬉しくて泣きそうになった。
しかし、ラディッツは…。
「……地球…制圧…しないと……殺され…る…」
任務を果たさないと命を奪われると思っていた。
クリスは首を横に振って言った。
「ラディー、もう星の制圧はダメだよ。ぼくね、ここで優しい地球人達とたくさん出会ったんだ。みんな、ラディーの事を心配してくれているよ」
ラディッツは、目を瞑ったまま聞いていた。
「…クリス……さ、ま…」
「ううん、もう『クリス様』も『フリーザ様』も無しだよ。ぼく達はもうフリーザ軍じゃなくなったんだよ」
そう言うと、クリスはある物を取り出した。それは、ラディッツの体に埋まっていた、あのチップだった。そしてラディッツに言った。
「ラディーの体に入ってたチップを全部取ったんだよ。だから、もう大丈夫だよ。怖いフリーザ軍から、完全に離れることができたんだよ…」
クリスは目に涙を浮かべて言った。

「………」
ラディッツは眠りながら、閉じた目から大粒の涙を流した。
ラディッツが泣き出したのだ。
クリスも泣きながら、ラディッツを抱きしめて慰めた。
「ラディー、もう大丈夫だよ。もう怖いものなんてないよ。だから、もう泣かないで……。泣かないで…」
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