女性はクリスの為に、料理を作った。メニューは、近くの川で捕れた魚の煮付け、畑で採れた白菜を使った味噌汁、そして、リンゴとみかんの盛り合わせだった。
クリスは、今まで見たことがない料理に感動した。
「さぁ、冷めないうちにお食べ。遠慮することはないよ」
「あ、はい…。いただきます…」
クリスは早速食べ始めた。最初に食べたのは、魚の煮付けだ。
「…ん！美味しい…！」
クリスは、あまりの美味しさに感動した。フリーザ軍にいた頃は、王族故にステーキ等高級な料理を食べて過ごしていた為、庶民の作る料理自体見たことがなかった。
さらにフリーザや父・コルド大王からも、庶民の料理は食べるものではないと何度も言われていた。
しかし、こんなに美味しい料理は初めてだった。思わず涙が出そうになった。
クリスは、体がびっくりしないようにゆっくりと頬張った。
「よっぽどお腹が空いてたんだね…。ずいぶん大変な目に合ってきたみたいだね」
男性は悲しそうに言った。

やがて、クリスは料理を完食した。
「…ごちそうさまでした…」
クリスは手を合わせて言った。
「よかった、すっかり顔色も良くなったじゃない」
女性は、空になった皿を片付けながら言った。
「それにしても坊主。この辺では見かけない顔だが、どこから来たんだい？」
「…実は…」
クリスは家族の皆に、これまでの事を話した。