Dear Saiyans 6話・緊迫の出会い

着いた場所は、あのリンゴやみかんが実った果樹園だった。やはりこのリンゴとみかんの木は、男性のものだった。
やがて、男性の家が見えてきた。その家は、木で出来た立派な家だった。
男性は玄関を開けると、慌てた声で誰かを呼んだ。
「母さん、大変だ!来てくれ!お腹を空かせて弱っている子がいる!何日も何も食べてないらしいんだ!」
その瞬間、家の中からエプロンを着けた女性が大慌てで出てきた。
女性はクリスを見るや否や驚いた。
「まぁ、こんなに痩せているじゃない!さぁ、中に入って」
男性と女性は、クリスを家に招き入れた。
「お、お邪魔します…」
クリスは緊張気味に挨拶した。
リビングには、クリスより小さな子供が二人いた。
クリスは不安だった。
子供から見れば、自分は怪人のような容姿をしている為、怖がって泣き出すのではと。
ところが、子供達はクリスを見ても怖がらなかった。それどころか、大喜びでキャッキャッとはしゃいでいた。
「わぁ!すごいカッコいい人が来た!」
「ほんとだ!尻尾とツノがある!恐竜さんかな?」
クリスは照れた。
そして、もじもじしながら挨拶した。
「こ、こんにちは…」
それを聞いて、子供達はさらにはしゃいだ。
「わぁ、声がかわいい!」
「見た目はカッコいいけど、声はかわいいね!」
クリスはさらに照れた。
「ははは、君見た目は怪獣みたいなのに、こんなにかわいい子なんだね」
「うふふ、本当ね。とってもかわいいわ」
「え、ええ…」
クリスは照れすぎて、返事に困ってしまった。
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