クリスは、食料が多く採れそうな森に行ってみた。木々の間から太陽の光が降り注ぎ、美しい川が流れていた。
「すごくきれいな森…。いつかラディー達と一緒に散歩したいなぁ…」
クリスは、初めて目にする大自然に感動した。
しばらく歩いていると、美味しそうなリンゴやみかんがたくさん実っている木々を見つけた。
しかし、クリスは採ろうとはしなかった。
なぜなら、そのリンゴの木やみかんの木には、持ち主がいると分かっているからだ。
他人の果物を勝手に採るのは、悪いことだ。
しかし、果物の甘い香りでまたお腹が鳴った。　
仕方なくクリスは、食べたいのを我慢して、今度は魚が獲れる川に行こうとした。
すると。
「よぉ、坊主。結構お腹が空いてるようだね」
クリスはびっくりして振り返ると、そこには体格の良い男性が立っていた。
その男性は、ちょっと強面な顔立ちだが、その反面爽やかそうに見えた。
「それにしても、君、かなり痩せているじゃないか。大丈夫かい？」
男性は心配そうに言った。
「…あ、はい…。ぼくはここ2日間、何も食べていなかったので…」
クリスは少しビクビクしながら言った。
「なんだって？！これは大変だ！ちょっとうちにおいで」
男性はクリスを自宅に案内した。