Dear Saiyans 6話・緊迫の出会い

クリスは震えながらピッコロに言った。
「お願いです…。ラディーを殺さないで下さい…。ラディーは、ぼくの…。ぼくの友達なんです…」
それを聞いて、ピッコロは吹き出した。
「ふはは、こいつは意外だな。まさか友達だったとはな。しかもラディーときたもんだ」
本当に、クリスの知ってる本来のナメック星人とは違い、とても怖かった。
すると、ピッコロはクリスにこんな事を言い出した。
「そんなにそいつの命を助けて欲しいなら、このオレと勝負しろ」
なんとピッコロは、クリスに勝負を持ちかけたのだ。
「え?!」
クリスは青ざめた。
師匠・バーダックと簡単な組み手をした時以外は、一度も戦ったことなどなかったのだ。
「そんなの無茶苦茶だよ!子供相手に勝負を仕掛けるなんて!」
「そうよ!ただでさえ悟飯君がひとりぼっちで怖い思いをしてるのに、この子まで怖い思いをさせる気なの!?」
クリリンとブルマが怒ると、ピッコロは外にあった岩目掛けてエネルギー波を放った。
岩は木っ端微塵に砕けてしまった。
「これ以上オレに意見してみろ。貴様らもあんな風になるぞ」
クリリンとブルマは、恐怖で動けなくなった。
すると、クリスが立ち上がった。
「この勝負、受けて立ちます!」
先ほどまで震えていたクリスだったが、ラディッツを守る為に、みんなを守る為に立ち上がった。
「ふふ、そう来なくてはな。いいか?お前がオレに勝てば、ラディッツを見逃してやる。ただし、お前が負けたり、ラディッツが目覚めてまた何かしでかしたら、今度こそそいつの命はないと思え」
「…分かりました。ピッコロさん、ですね…。あなたに恨みはありませんが、ラディーの仇を取らせていただきます!」

続く
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