「え、どうしたんだい？急に？」
「ちょっと中を見てみたいだけよ。何もしないから大丈夫よ」
クリリンとブルマは心配そうに言った。
「そ、そうしたいんですけど…、今は…ちょっと、その…」
クリスはなんとかその場をしのぎたかった。しかし…。
「…なぁ、クリス。もしかしてオレに隠し事をしてるんじゃないか？」
「え…？」
「さっき川で魚をたくさん釣ったんだろ？それに、友達の具合が悪いとか言ってたじゃないか」
クリリンは、川で会った時のクリスの様子がおかしい事に気付いていた。
「…それは…」
「その友達の名前、確かラディーって言ってたよな。だけどラディーって人、なんだかこの前ここに来た、ラディッツの名前に似てる気がするんだけど……。もしかして…」
クリスには隠しようがなかった。そして…。
「…ごめんね、ラディー…。でも、ぼくが絶対に守るからね…」
覚悟してドアを開けた。

部屋の奥にはメディカルマシン、そしてその手前の手術台の上でラディッツが眠っていた。
「…やっぱり、ラディッツだ…」
クリリンは驚いて目を丸くしていた。
「しかも生きてるわ！」
ブルマの発言に、クリリンはさらにびっくりした。
「いぃ？！オレが触った時には、こいつもう死んでたのに…」
すると、クリスはある事に気付いた。
ブルマの手には、ラディッツのスカウターを持っていた
クリスが駆けつけた時には、ラディッツからスカウターがなくなっていたのだが、ブルマがスカウターを調べるために持っていたのだ。
「クリス、お前、こいつの仲間だったのか？何もしないから正直に答えて欲しいんだ」
「……信じて、くれますか…？」
クリスは震えた声で言った。
「もちろんだ。約束する」
「…実は、ぼく…」
クリスはこれまでの事を全て話した。
しかし、フリーザの事は話さなかった。もしここでフリーザの話をすれば、クリリン達が間違いなく宇宙に行って、フリーザと戦うかもしれないからだ。
クリスは、ラディッツの事だけを正直に話す事にした。