Dear Saiyans 6話・緊迫の出会い

クリスが地球に着いてから1週間。
この日は仕事が休みだった為、クリスは川で魚を捕っていた。
「これだけあれば、3日は大丈夫だね。ラディーが待ってるから早く帰らなきゃ」
クリスは捕れた魚を氷が入ったクーラーボックスに積めると、家路を急いだ。ところが、ちょうど修行していたクリリンとばったり会ってしまった。
「よぉ、クリス!今お前、ラディーがどうのこうのって言ってたけど、他に誰かいるのかい?」
クリスはヒヤリとした。
「あ、えっと…、ちょっと友達の具合が悪くて、その…」
「へぇ、友達の看病をしているんだ。えらいね」
クリリンは感心した。
「じゃ、オレは修行に戻るからね。気をつけて帰るんだぞ」
そう言って、クリリンは走り去った。
クリスは安心して、冷や汗を拭った。
「危なかったぁ…」

宇宙船に戻ったクリスは、魚を調理した。ラディッツが食べやすいように焼いた魚の身をほぐした。
そして、ラディッツが喉を詰まらせないように、横に寝かせた。
「ラディー、ご飯だよ」
クリスはラディッツの口元を、指で優しく触れて言った。
すると、ラディッツは口をゆっくりと開けた。
クリスは慎重に魚のフレークを、スプーンですくってラディッツの口にゆっくりと入れてあげた。
ラディッツは眠りながらもぐもぐと口を動かして食べた。
クリスは、そんなラディッツがかわいくて、思わずクスクス笑ってしまった。
ゆっくりではあるものの、ラディッツは確実に意識を取り戻してきている。もういつ目覚めても不思議ではない。

正午、食事を終えたラディッツとクリスは、のんびりと過ごしていた。そして、クリスが眠気に負けてうとうとしていると、突然ドアをノックする音が聞こえた。
農家の男性なのか、お世話になってる若い医師なのか、それともノーマン一家なのか…。そう思い、クリスは覗き窓から外を見た。そこには、なんとクリリンがいた。しかもその横には、青い髪の女性が立っていた。
「どうして、分かったんですか!?」
クリスはドア越しに話した。
「やっぱりクリスの宇宙船だったんだ。ブルマさんから、最近大きな宇宙船を見つけたって聞いたから、ちょっとな」
「すごい立派な宇宙船ね。ちょっと覗いてみても良いかしら?」
クリスは慌てた。
「あ、ま、待ってください!今はちょっと…」
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