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Dear Saiyans 5話・閉ざされた心

翌朝、空はすっかり晴れ渡っていた。小鳥がかわいらしい声でさえずり、そよ風が優しく吹いていた。
「ん、う~ん…。もう朝だ…。ラディー、おはよう」
ところが、いつまで経ってもラディッツは目を覚まさなかった。
今頃なら麻酔はもう切れて、目を覚ましてもいい頃だ。
だが全身麻酔は、ただでさえリスクの高い麻酔だ。あれほど酷い大ケガをしたラディッツに全身麻酔をかけるのは、やはり危険な手段だった。
クリスはだんだん焦ってきた。このまま眠り続ければ、体がどんどん衰弱し、今度こそ命を落としてしまう。
「ラディー、もう手術は終わったんだよ!お願い起きて、ラディー!」
しかし、いくら呼びかけても、ラディッツは目を覚まさない。
すると、宇宙船のドアをノックする音が聞こえた。
ドアを開けると、そこにいたのはあの農家のおじさんだった。
「やぁ、やっぱりこれがお前さんの乗ってきた宇宙船なんだね」
農家のおじさんは明るい声で言った。
意外な人物の訪問にびっくりしたクリスは、戸惑いを隠せなかった。
「ど、どうしてここに…?」
「あの時、お前さんが走って行った方向からすごい泣き声が聞こえたから、どうしたのかと思ってな。そしたらお前さんがあの大男を運んでいたのが見えたんだよ」
クリスはハッとした。
「しかも中をこっそり覗いてみたら、お前さん医者だったんだな。お前さん、まだ子供なのにすごいじゃないか!」
農家のおじさんは笑って言うと、クリスが言った。
「え、ええ…、ぼくはここからずっと遠いぼくの故郷の星で、小さい頃から厳しい勉強をさせられて覚えたものなので…」
農家のおじさんは驚いた。
「小さい頃からそんな勉強をさせられたんだ。かわいそうに…」
その後クリスは農家のおじさんに、これまでの事を話して聞かせた。
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