Dear Saiyans 56話・ツフルの青年

「…これが、全て本当にあったことなんだ。コルド大王に脅されたのもあるが、ツフルの連中には、本当に悪いことをしてしまった…」
「…師匠、そんな…」
「クリス…、お前はずっとオレ達サイヤ人のことを、仲間を思いやる優しい種族だと言ってくれたが、本当はそんな甘い種族ではねぇんだ…。すまなかったな、今まで隠していてな…」
バーダックの表情は、悲しみと罪悪感に満ちていた。
「…師匠、ぼくはサイヤ人のことを一度も悪い種族だとは思ったことはありません。それに、本当にツフル人を滅ぼそうとして攻撃したのなら、ぼくに話そうともしないし、罪悪感を持たないと思います…。だって、サイヤ人はとても優しい人たちだから…」
クリスは目に涙を溜めながら言った。
「クリス…、ありがとうな。すまなかった…」
「師匠…!」
バーダックはクリスを抱きしめた。


しばらくして、バーダックはレポートの書かれた書類をまとめる作業をしていた。
その時、バーダックは何者かの気配を感じたのか、リビングの窓から庭を眺めた。
見ると、そこには背の高い若者が立っていた。
手には銃を構えていた。
バーダックは窓をガラッと開けて怒鳴った。
「貴様!何者なんだ!警察を呼ぶぞ!」
すると、若者が銃を構えて言い返した。
「その顔…!サイヤ人か!」
「いかにも、オレはサイヤ人だ!だが、オレはお前と争う気はない。何もしないから、今すぐ銃を捨てろ!さもなくば、警察を呼ぶぞ」
「……」
若者はバーダックの気迫に負けたのか、銃を地面に置いて立ちつくした。

3/6ページ
スキ