ドアを開けると、悟空だった。
「よぉ、ラディッツ！」
「おぉ！カカロットか！久しぶりだな」
ラディッツは、久しぶりの弟の姿に喜んだ。
「クリスから聞いたぞ。最近、体の調子が悪いって」
「まぁな。だが、クリスのおかげで少し楽になったんだ」
「そっか、そっか。それはよかったな。でも、あんま無理しちゃダメだぞ」
二人はソファーに座って会話を弾ませた。

そして昼になり、曇っていた空が晴れ始めた。
「久々に太陽が出たな。散歩しようか、カカロット」
「大丈夫なんか？あんまり歩いてっと、また痛むぞ？」
「大丈夫だ。それに外の空気を吸いたくなったんでな」
「分かった。いっちょ行ってみっか」
ラディッツと悟空は散歩をすることにした。


二人はパオズ山の森の中で、会話しながら歩いた。
パオズ山の森は、とても涼しく空気も澄んでいて、真夏の暑さを忘れられる。
ラディッツはもちろん、クリス達もサイヤ人達もこの森が大好きだ。
「やっぱこの森は気持ちいいな」
「あぁ、体から悪いものが抜けるな」
ラディッツと悟空は深呼吸をしながら言った。

しばらく歩き、二人は川にたどり着いた。
パオズ山から流れる川は、太陽の光を受けてキラキラと輝いていて、水の中では小魚たちがスイスイと泳いでいた。
ラディッツと悟空は、川のせせらぎと小鳥のさえずりに耳を傾けながら、大きな岩に座ってひと休みした。　
「カカロット、悟飯と悟天は元気にしてるか？」
「あぁ、めちゃくちゃ元気だ。悟飯はこの前、嫁のビーデルと孫のパンを連れて遊びに来たし、悟天はベジータ達に遊園地に行こうって誘われて遊びに行ったんだ」
「そうか、それはよかった。って、ベジータの奴が悟天を誘って遊園地に行ったのか」
「そうなんだ。それに前々からなんか薄々感じたんだけんど、ベジータってブルマと結婚してから性格が丸くなったし、トランクスが生まれてからさらに丸くなったっていうか、すげぇお茶目になっちまったなと思って」
二人は大笑いした。
「そういえばそうだな。やはり地球は居心地が良いからか、不思議にも心が穏やかになるものだろうな」
「そうみてぇだな。ラディッツ達もこの地球に来てよかったじゃねぇか」
「まぁな、それに…」
「ん？どうした？」
悟空はラディッツの顔を覗き込んで言った。
「…あの時は、本当にごめんな。お前や悟飯達に酷いことをしてな」
ラディッツは、未だに悟空や悟飯はもちろん、自分達が侵略した惑星に悪いことをしたことを悔やんでいた。