そして翌日、ガーリックJrは地球にある魔族の城に帰った。
彼にとっては、実に数十年ぶりの我が家だった。
「ふふふ、懐かしいな…」
ガーリックJrはそうつぶやいて、城に入ったその時だった。
「ガーリックJr様ぁーーーーー！！！」
なんと、ガーリックJrの手下であるジンジャーとニッキー、サンショが飛び出してきた。
「お、お前たち！生きてたのか！！」
ガーリックJrはびっくりして、目を丸くした。
「ガーリックJr様！デッドゾーンから出られたなんて、さすがです！！」
「もう会えないかと思いましたわぁ！」
「ガーリックJr様を忘れたことなんて、一度もありませんでしたよ！」
三人はオイオイ泣きながら言った。
「落ち着け！揃いも揃って涙を流すなど、それでも魔族か！」
そう言いながらも、ガーリックJrは嬉し泣きをしていた。
「…ガーリックJr様、またドラゴンボールを集めて、今度こそ世界を手に入れましょうよ！」
ジンジャーが言うと、ガーリックJrは首を横に振った。
「いや、世界征服などせん。私は人間たちから大切なことを教えられたのだ」
「えぇ！？、ガ、ガーリックJr様？！」
「一体、どうしたんです！？それこそ魔族らしくないですよ！」
「まさかデッドゾーンの影響で、魔族の誇りを失ったのでは…」
サンショが言いかけた瞬間、ガーリックJrはサンショの頭をゴツンっと殴った。
「バカ者！！この私がその程度で魔族の誇りを失う訳がないだろ！！」
「す、すみませんでした…」
かつて、世界を恐怖のどん底に陥れた魔族・ガーリックJr。
しかし、今の彼には世界征服の野心はなく、これからは仲間たちと共に、静かに平和に過ごすと心に決めたのだった。



続く