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Dear Saiyans 53話・無限地獄を抜けて

「ん…!美味い…!なんて、優しい味なんだ…」
ガーリックJrは、初めてのたらこスパゲッティに感動した。
そして、唐揚げと千切りキャベツも食べた。
「こんなに美味い料理は初めてだ…」
なんとガーリックJrは、あまりの美味しさと、実に数十年ぶりの食事に心を打たれたあまり、涙が止まらなくなった。

はるか昔、神々との戦いに敗れ、憎しみの心しか持たなかったガーリックJr。
父の無念を晴らし、ドラゴンボールの力で不老不死になり、全世界を支配できればそれでいいと思っていた。
しかし、その憎しみと過信、そして焦りが災いし、自ら作り上げたデッドゾーンに飲み込まれ、身動きひとつできないほど狭くて、真っ暗な空間の中でもがき苦しみ生きてきた。
そんな自分をクリス達が助けてくれた。
ガーリックJrは生まれて初めて、人の優しさに触れて、心から嬉しかった。

やがて、料理を完食したガーリックJrは、ティッシュで口の周りを拭くと、ふぅっと深く息を吐いた。
「ありがとう、みんな。とても美味だったぞ」
お腹も心もいっぱいに満たされたガーリックJrの顔は、喜びに満ちていた。
「ねぇ、ガーリックJrさん。もしよかったら、僕たちと一緒に人を助ける仕事をしないかい?」
サクロスが言うと、ベルはドキッとした。
「お、お前!」
しかし、ガーリックJrはふふっと吹いて言った。
「フッ、かつて世界を滅ぼしかけた私が、人間を助けることなどできるはずがなかろう」
「えぇ~、それは残念だよ…」
サクロスはガックリと肩を落とすと、ベルはガーリックJrに言った。
「だけど、いいか?また悪さをするようなら、いつでもオレ達が相手になってやるさ」
「あぁ、望むところだ」
しかし、ガーリックJrは穏やかな笑みを浮かべていた。
そしてこの日は、ラディッツ達とクリス達の家に泊まることにした。
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