クリスは森に差し掛かった。
木々の間から射し込む光、かわいらしい小鳥のさえずり、穏やかに流れる川のせせらぎが、春の暖かさを引き立たせた。
「空気がとってもおいしいなぁ。ラディーの具合が治ったら、みんなでピクニックしたいな」
クリスは大きく背伸びして言った。


しばらく歩いていると、森を抜けて海が見える街を一望できる景色が広がっていた。
クリスは高くジャンプして、空を飛び始めた。
空を駆け抜ける春の風は、地上よりも涼しくて心地よかった。
すると、海の中で何かが小さく光っているのが見えた。
「あれ？何か光ってる。行ってみよう」
クリスは早速向かってみた。

光った物体は、どうやら海底にあるようだった。
クリスは小型酸素吸入器をくわえて、海に飛び込んだ。
それほど深い海底ではないものの、さすがに春の海は冷たかった。
クリスは寒いのを我慢して光る物体を目指した。
近寄ってみると、物体は想像していたよりも大きく、少し重さを感じた。
そして、よく見るとクリスはびっくりして慌てふためいた。
なんと、光る物体の中で人らしき影が見えたのだ。
しかもぐったりとして弱っているようにも見えた。
クリスはすぐに光る物体を持ち上げて、浜に上がった。