着いた場所は、一軒の家が建つ小さな島だった。そこには大勢の人たちが集まっていた。
「こんな所もあるんだ。なんだかかわいい島だね」
クリスはラディッツのスカウターから映されたその島を見て呟いた。

ラディッツがゆっくりと降り立つと、目の前にひときわ背の高い若い男性が構えていた。クリスはその男性を見てハッとした。
「こ、この人がカカロットさん？！すごい師匠に似てる！ぼくが前に見た時は、小さかったぼくと同じくらいだったね」
クリスは、久しぶりに見たカカロットの姿を見て感動した。
クリスはまだ小さかった頃に監視役を任され、初めてバーダックと出会い、そしてまだ小さかったカカロットと出会った。
フリーザの一族は、サイヤ人よりも幼少期が長い為、成長速度はサイヤ人より遅い。
つまり今のカカロットは、クリスより年が上になったのだ。
カカロットは、初めて見る兄の姿に戸惑い、警戒していた。
ラディッツはカカロットに言った。
「お前はこの星の人間ではない！生まれは惑星ベジータ。誇り高き全宇宙の強戦士族・サイヤ人だ。そしてこのオレは、貴様の兄・ラディッツだ！」
カカロット達は、突然告げられたその言葉に戸惑うばかり。
クリスは、心配そうに映像を眺めていると、カカロットの後ろにいた背の低い男性がラディッツに言った。
「悟空が宇宙人なら、なんで地球にいるんだよ！」
ー悟空。カカロットは地球に不時着した時に誰かに拾われ、悟空と名付けられて育てられたのだった。
「ゴクウ…さん？地球ではそう呼ばれているんだね」
クリスは少し複雑な気持ちになった。
ラディッツは少し笑って言った。
「カカロット、お前はこの星に住む人間どもを、絶滅させる為に送られたのだ！」
クリスはびっくりした。
「ち、違うよラディー！！カカロットさんはフリーザ兄さんから逃げるために、師匠に助けられて地球に送り込まれたんだよ！」
クリスはギネから、カカロットはバーダックによってフリーザの来ない星に避難させたという話を聞いていたのだが、ラディッツはどういう訳かカカロットは地球を侵略するために送り込まれたと吹き込まれていたのだ。