Dear Saiyans 3話・悲しき運命

クリスはまさかと思い、慌てふためいた。
「もしかして、本気でこの人を襲うつもりじゃ…」
そして、ラディッツはスカウターで男の戦闘力を測ると、今までに聞いた事もない怖い声で言った。
「戦闘力たったの5か…。ゴミめ…」
男はびっくりして銃を発砲した。
「ラディー危ない!」
クリスが叫んだ。
ところがラディッツは、男の放った銃弾を片手で受け止めた。そして、受け止めた銃弾を農家の男に見せつけると、ニヤリと笑った。
クリスは状況を察した。
「何するのラディー?ダメだよ!やめて!」
しかし、クリスの声はラディッツに聞こえるはずがない。
ラディッツは銃弾を男に向けて飛ばした。男はおもいっきり飛ばされ、そのまま倒れてしまった。
「そ、そんな…。ラディー…」
クリスはショックを受けた。
今までか弱い人々に手を差し伸べていたラディッツだったが、今や優しさを捨てた恐ろしいサイヤ人に変わってしまっていた。
するとまもなくして、スカウターが大きな戦闘力に反応した。
「カカロットか!!」
ラディッツはものすごい勢いで、戦闘力のある方向へ向かった。

そこにはなんと、ナメック星人の姿が。
クリスはびっくりした。
「こんな所にナメック星人がいるなんて!でもなんだかちょっと怖そうな顔…」
クリスはナメック星人を何度か見たことはあるので、本来ナメック星人は、穏やかな性格で温和な顔つきである事は知っていた。
しかし、今ラディッツの前にいるナメック星人は少し違っていた。そのナメック星人は若く、とてもナメック星人とは思えない程目付きが鋭く、性格も荒々しく、戦闘力もかなり高かった。
「ラディー、気をつけて…」
クリスが呟いた瞬間、ナメック星人が攻撃を開始した。しかし、ラディッツは無傷だった。
クリスは一瞬ヒヤリとしたものの、ラディッツの無事を確認して安心した。
その時、またスカウターが反応した。
「今度こそカカロットだ!」
ラディッツはナメック星人の事などまるで無視して、反応があった場所へ向かった。
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