Dear Saiyans 3話・悲しき運命

そこには、変わり果てたラディッツの姿があった。
彼はうつ伏せに倒れたまま、ピクリとも動かなかった。
「そんな…!ラディー!!」
クリスはラディッツのもとに駆け寄った。
見ると、ラディッツの体はこれまでにないほどボロボロになり、血と泥で汚れていた。
さらにナメック星人の放ったエネルギー波によって、体は完全に貫通してしまっていた。
ラディッツの顔は血の気がなく、完全に息絶えていた。
「…ラディー!しっかりして!ねぇ、お願い!起きてよ!」
クリスは目に涙を浮かべながら呼び掛けた。
だが、ラディッツの体に触れると、氷のように固く冷たくなっていた。
ラディッツはもう、目を覚ます事はない。ドラゴンボールがあると分かっていても、どうやって探せばいいか、そしてどうすれば願いを叶えてもらえるのか…。
クリスの目の前が真っ暗になった。
「誰か…助けて…。助けてよ…!う、うぅ…!うわあぁーーー!!!」
クリスはこれまでにないほど、大きく泣き叫んだ。
そして、クリスの目からダイヤモンドのような美しく透き通った涙が、冷たくなったラディッツの体に滴り落ちた。
「うわあああああん!!!ラディーーーーー!!!!!うわああああああああああーーーー!!!!!」

続く
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