Dear Saiyans 3話・悲しき運命

とうとう二人は地面に倒れてしまった。クリスは泣き出してしまった。
すると、ナメック星人からこんな言葉を発した。
「孫悟空はすぐに生き返ることができる。この星には『ドラゴンボール』という良い物があるんだ」
なんと、地球にドラゴンボールがあったのだ。
「ナメック星にドラゴンボールっていう願いが叶う玉があるって伝説は聞いた事はあるけど、地球にもあったんだ…!」
クリスは小さい頃に、ナメック星にはどんな願いも叶えてくれるドラゴンボールがあるという伝説を聞いた事がある。まさか、そんなすごい物が地球にあったとは…。だが、クリスは心配になった。実はスカウターは戦闘力を測るだけでなく、ベジータ達はもちろん、フリーザ軍にこれまでの状況や会話を全て通信される仕組みになっているのである。
ラディッツは苦しみ、血を吐きながらベジータ達がこの地球にやって来る事を話して聞かせていた。
「このオレが、やられた事を知って…、オレの、二人の仲間が…、必ず…ここにやって来る…」
クリスは辛くなった。
「ラディー、もう喋らないで!このままじゃ死んじゃうよ!」
クリスの必死な呼び掛けなど届く事なく、ラディッツは続けた。
「その時は…オレもその…なんとかってやつで…生き返らせてもらうかな…」
僅かだが望みはあった。ドラゴンボールにお願いすれば、ラディッツが死んでしまっても生き返るはずだ。
クリスは少しだけ安心したと同時に不安だった。
「その二人が…、ここに、やって来るのは、いつだ…?」
悟空が苦しそうにラディッツに言った。
「…たったの、1年後だ…」
ラディッツは掠れた声で答えた。
「1年後って…、そんなに待てないよ!」
クリスはガックリだ。
ナメック星人がラディッツを睨む。ものすごい殺気が混み上がってきている。
「ラディー、もう喋っちゃダメ!ナメック星人さんもやめて!ラディーを殺さないで!お願い!」
だが、その瞬間スカウターの映像が大きく歪み、映像も、音声も、戦闘力数値も、ラディッツの生命反応も完全に途絶えてしまった。
「ラディーーーーー!!!」
クリスは大きく叫び、涙を流しながら地球へ急いだ。
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