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Dear Saiyans 52話・ミラの闇

ミラはトワを鋭い目で睨み返すと、重い口を開いた。
「オレは、孫悟空達サイヤ人の戦う姿を見て、いつしかこう思うようになった。自分の限界を超えてみたい、オレという存在を超えたいとな。だがお前は、オレを長い間縛り付け、自由を奪い、道具として使い続けた!」
ミラは怒りに任せて、トワを投げ飛ばした。
「な、何するのよ…!あんたは、私の人造人間であり夫なのよ!あんたを造った私への恩を仇で返すつもりなの!?」
トワは怒ったが、ミラは恐ろしい声で怒鳴りつけた。
「黙れ!!自分のことしか考えないキサマに何が分かる!!もう何もかもうんざりだ!!これからは、オレ自身の意志で強者達と戦いたいんだ!!邪魔をするな!!!」
ミラはエネルギー弾をトワに向けて放った。
トワは大きく吹き飛ばされ、気を失った。
「父さん…」
フューはミラを見つめた。
ミラはフューを見ると、今度は穏和な表情を浮かべた。
「フュー、今まで辛い思いをさせてすまなかった。トワに代わって謝るよ」
実はミラもまた、フューと同じように暗黒魔界に苦しんでいた。
彼は純粋に強い人と戦いたい、拳を交わし合えるライバルが欲しかったのだ。
「ミラ、おめぇはトワやダーブラと違って本物の悪い奴じゃなかったんだな。よし!じゃあ、ビルス様とウイスさんに頼んで、のびのびと戦える場所を用意してもらおうか!」
悟空達は、もうミラは根っからの悪人じゃないと分かり、彼の望みを叶える決意をした。
「ふふ、サイヤ人というのは本当に面白い連中だな。少しは見直したぞ」
ミラはクスッと笑ったが、バーダックはムッとした。
「その前に、うちの息子達に言うべきことがあるだろ?オレを助ける為に、危険を侵してまでここまで来たんだぞ」
「…そうだ。ラディッツ、悟空、そしてクリス達。お前の父を、師匠をさらってすまなかった…」
ミラはラディッツ達に深く謝ると、ラディッツ達は微笑んだ。
「大丈夫さ!親父がこうして無事に戻れたんだ。謝ることはないぞ」
「そうですよ。みんなが無事ならそれで充分です」
ラディッツと未来の悟飯が言った。
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