ところが、ラディッツの体に異変が起きていた。
どういう訳か力が入らないばかりか、気功波を放つことも空を飛ぶことさえもできなくなった。
「おかしいな。さっきの立ちくらみから急に力が抜けたぞ？」
ラディッツは混乱した。
「どうしちまったんだ？ラディッツの様子がおかしいぞ！」
ナッパは心配した。
するとその時、どこからかものすごい地響きと男性の悲鳴が響いた。
「この声は、農家のおじさんだ！」
「そうだ！何かあったに違いない！行くぞ！」
ラディッツとクリス達は早速走り出した。


着いた先には、農家のおじさんが腰を抜かしてへたり込んでいた。
「おじさん、どうしたの！？大丈夫？」
クリスは農家のおじさんに声をかけた。
「あ、ああ、クリス君か！久しぶりだね…」
農家のおじさんはクリスを見ると、落ち着きを取り戻した。
「一体何があったんだ？」
ナッパが言った。
「実は、いつものように干し草を片付けようとトラックに積み込んだら、こんなことになってしまったんだ…」
農家のおじさんが指さした先には、ぺしゃんこに潰れたトラックが横たわっていた。
「…何かに襲われてはいねぇのか？」
悟空は恐る恐る聞いて見た。
「いや、それは大丈夫だよ。ただ普通に干し草を積んだだけなんだ。そしたらね…」
農家のおじさんが言った。
「……クリス、ちょっとラディッツとおっちゃんをスカウターで計ってくんねぇか？」
悟空はクリスに言った。
「わ、分かりました」
クリスはスカウターを取り出すと、ラディッツと農家のおじさんの戦闘力を恐る恐る計った。
「え！？うそでしょ！！」
クリスは一気に青ざめた。