Dear Saiyans 47話・暴走!孫悟空

そしてしばらくすると、悟空は徐々に力が緩み、やがて暴れるのをやめた。
「カカロットさん?しっかりして、カカロットさん!」
目を閉じたまま動かない悟空に、クリスはだんだん不安になり、今にも泣きそうになった。
すると、悟空はゆっくりと目を開けた。
その目は、元の優しい目に戻っていた。
「う、うん…、なんだか、おっかねえ夢を見てたみてぇだ…」
悟空は頭を抱えながら体を起こした。
「カカロットさん!」
「カカロット!」
クリスとラディッツは、悟空に抱きついた。
「よかった…、元に戻って…。母さんとても心配したんだから」
ギネは泣きながら悟空を抱きしめた。
「…なんか突然、目の前が真っ暗になってて、それから記憶がなくてな…。心配かけて、すまなかった…」
悟空はみんなに謝った。
「ほぅ、やっと目が覚めたか…」
恐ろしい声にびっくりすると、そこには悪のサイヤ人が立っていた。
ところが彼の体からは、あの黒い気が消え、体の鎧が取れていた。
「ど、どういうことだ!?一体何があったんだ!?」
ジングルはびっくりした。
「みんな、怖がらなくていい。こいつは根っからの悪人ではなく、フューというさっきのガキに操られていた被害者なんだ」
ベジータが言った。
「あの少年、フューっていう名前なんだ…。覚えておこう」
ベルが言った。
「この人も操られていたんだ…。でも、どうしてあんな恐ろしい気を持っていたんだろう。元々持ってたものじゃなさそうだけど…」
未来のトランクスが言うと、ベジータは何かを取り出して言った。
「実はこいつが気絶していた時に、壊れた鎧からこんなものが出てきたんだ」
その手には、赤紫色の結晶があった。
「なんだ?これは?」
「すごく綺麗だけど、なんかちょっと禍々しい感じがするよ」
ラディッツとクリス達は、ベジータが持っている結晶を見つめていた。
すると、ザマスとブラックがハッとした。
「これは、暗黒魔界の結晶だ!」
なんとその結晶は、暗黒魔界にある結晶だったのだ。
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