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Dear Saiyans 46話・暗黒魔界の影

クリスは悲しくて、毎日泣いて暮らしていた。
サイヤ人が好きになったのも、ラディッツ達と仲良く楽しく暮らすことができたのも、全てバーダックのおかげである。
フリーザ軍だった頃は、フリーザからサイヤ人は恐ろしい種族だと聞かされ、怖くてたまらなかったのだが、バーダックやラディッツ達と出会いによって、サイヤ人とは仲間や家族を愛し、強い戦士と戦うことに誇りを持つだけで、星を侵略したり、殺戮を好む種族ではないと分かったのだった。

さらにバーダックとギネは、クリスを息子として迎え入れてくれた。
そんな師匠であり、父親であるバーダックが突然いなくなってしまったのが悲しくてたまらなかった。
クリスは、自分がフリーザの弟だから、フリーザに似ているから嫌になって家出したのかと考え込むようになり、塞ぎ込んでしまった。
「ぼくがフリーザに似ているからだ…。ぼくがフリーザの弟、コルド王族の末っ子だから、師匠はフリーザのことを思い出して…」
クリスは泣きながら呟いた。
心配になったラディッツは、クリスを慰めた。
「そんなことないぞ。親父はお前のことをフリーザに似てるとか一言も言っておらんし、お前の顔を見てもフリーザの面影など一切ないと笑ってたぞ。仮にそうだったとしても、親父はそんなことで家出するような奴ではないさ」
「本当に?」
「本当だ。だから自分を責めるのはやめろ。もしかすると、気分転換にどっか一人旅行かなんかしてるかもしれんぞ?お土産とか大量に買ってな」
ラディッツの冗談混じりな言葉に、クリスはたまらず笑った。
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