しばらくして解熱剤が効いたのか、ラディッツの熱は少し下がり、楽になった。
そして、ラディッツを検査したところ、幸いにもインフルエンザなどの感染症はなく、ただの風邪だったことが分かった。
さらに、ラディッツは体質的にもあまり免疫力がない上に、魔貫光殺砲の後遺症もあって、ちょっとのケガや風邪であってもすぐに症状が重くなってしまうことも分かった。
「思えば、小さい頃はよく風邪をひく子だなと思ったけど、そういうことだったのね」
ギネはラディッツの頭を撫でて言った。
ラディッツは恥ずかしそうに薄眼でギネを見つめていた。

しばらくして、ラディッツ達は家に帰ることになった。
バーダックは医師から風邪薬と栄養剤、座薬をもらうとお礼を言った。
「いつもありがとうな。また何かあったら、よろしく頼む」
「いいえ、お役に立てて何よりです。ラディッツさん、お大事にね」
「…あぁ、すまないな…」
ラディッツは弱々しく返事をした。
「ラディー、頑張って風邪を治そうね」
クリスはラディッツを優しく抱きしめて言った。


そして無事に家に帰ると、ラディッツは早速自室でベッドに潜り込んだ。
ラディッツは、体のだるさと熱、そして疲れからかすぐに眠ってしまった。
クリスは、どうしてもラディッツが心配で側を離れなかった。
その時、ラディッツが苦しそうにうなり始めた。
しかしよく見ると、熱でうなっているのかではなく、何やら怖い夢を見ている様子だった。
「ラディー！？大丈夫！？しっかりして！」
クリスは、眠りながら怯えるラディッツの手を握った。