Dear Saiyans 44話・怖い夢にうなされて

そしてやっと病院に着いた。
ラディッツは座ることもままならず、待ってる間も横になった。

まもなくして呼ばれ、すぐに診察室に入ることができた。
そこにいたのは、ラディッツとクリス達のお世話になった医師だった。
医師はラディッツのぐったりした姿を見て、ハッとした。
「これはいけない!すぐに解熱剤を投与しなくちゃ」
あまりに熱が高いことが分かったので、熱を下げる解熱剤を用意した。
ラディッツはベッドのある治療室に運ばれ、そこで点滴を投与することになった。
しかし、実はラディッツも悟空と同じで、注射が大の苦手だった。
ラディッツは点滴の針を見てブルブル震えた。
その表情は、ピッコロの魔貫光殺砲で大ケガをし、クリスに助けられ、手術をする直前と同じ表情だった。
涙目になり、声にならない声をあげていた。
逃げようとするも、高熱で弱っている為動けなかった。
クリスはたまらず、ラディッツを抱きしめて視界を覆った。
「ラディー、大丈夫だよ。怖くないよ」
すると、クリスの癒やしの力のおかげか、ラディッツは安心して大人しくなった。
医師はその隙に、ラディッツの腕に消毒液を塗り、点滴注射をチクッと刺した。
「あ、あぁ…」
ラディッツは点滴の痛さにびっくりして、思わず小さなうめき声をあげた。
「ったく、兄弟揃って注射が怖いって、子供だな…」
「そうね、でも気持ちは分かるわ」
バーダックとギネは思わずクスクス笑った。
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