秋が終わり、冬が訪れた。
パオズ山の麓では雪が降り積もり、辺り一面真っ白な世界へと変わった。
バーダック達は汗を拭いながら雪かきをしていたが、ラディッツと未来の悟飯は休んでいた。
二人ともそれぞれの戦いで体に大きな後遺症を持っており、特に悪天候が続くと痛み出すのだ。
だからサイヤ人とはいえ、無理をしてはならない。バーダックはラディッツと未来の悟飯の体のことを心配し、二人を休ませたのだ。
「…雪、結構降ってきたな」
ラディッツがポツリと言った
彼は古傷が痛くて、体を丸めながら寝転んでいた。
「…そうですね。それに今夜から吹雪になるそうですよ」
未来の悟飯は自分の左肩にそっと触れながら言った。
ラディッツは弟とピッコロとの戦いで、未来の悟飯は人造人間との戦いで大きな後遺症を持ったものの、二人は決して愚痴や弱音を吐くことはなかった。
逆に、みんなに心配をかけてしまっていると罪悪感を感じている。
でも無理をしてさらに体を傷めてしまえば、それこそみんなに迷惑をかけてしまう。
だからラディッツと未来の悟飯は、バーダックの気遣いに甘えて、のんびりと過ごすことにした。
「…悟飯、お前のその腕痛くないのか?」
ラディッツは未来の悟飯を見て言った。
「ええ、未だに違和感もありますし、痛みます。でも、あの時はトランクスをどうしても守りたくて…」
未来の悟飯は答えた。
「…そうか。痛かったのに、よく耐えたな」
ラディッツは未来の悟飯を撫でて言った。
「お、伯父上、はずかしいですよ」
未来の悟飯は照れながら言った。