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Dear Saiyans 2話・掟破り

「う、うぅ…、痛い…」
クリスは部屋の隅で頬をおさえながら泣いていた。
そんな時、部屋の外から話し声が聞こえた。その声の主は、ラディッツだった。
クリスはこっそりと耳を傾けた。

「最近は戦闘力の高い星が増えたな…。さすがのオレでも苦戦しそうだろう…」
「…ベジータ、オレに生き別れた弟がいるんだが、そいつを仲間に加えればなんとかなりそうだと思うが…」
クリスはハッとした。
惑星ベジータが消滅する前に、バーダックの家でギネに紹介してもらった、あの男の子だ、と。
『カカロットさんが…生きてたんだ…!』
クリスは、惑星ベジータが消滅する日、カカロットの姿がなかった事が心に引っ掛かっていたのだ。
「ラディッツ、正直に言うが貴様の弟とやらは所詮下級戦士だ。はっきり言って期待できそうにないが、どこの星にいるんだ?」
ベジータが怖い声で言うと、ラディッツは渋々答えた。
「ガキの頃にお袋から聞いたが、あいつは確か地球という星にいるはずだ」
『カカロットさんも地球にいるの!?』
クリスはびっくりした。そして、もしかしたら、ギネ達と一緒に暮らしているのかもしれないと思った。
ところが喜びもつかの間、ラディッツはベジータとナッパに言った。
「だが、カカロットが地球を制圧したという報告がないんだ。だからオレ、カカロットを連れ戻す」
ラディッツが地球に向かうと言い出したのだ。
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