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Dear Saiyans 2話・掟破り

「な、何やってるの?!」
クリスが慌てると、アバランは鼻で笑って言った。
「ただチップを入れてるだけさ。少しも痛くねぇのに大袈裟なやつだな、あいつは」
「すごく痛がっているよ!麻酔はしないの!?」
「その必要はない。1分もしないうちに終わるのだからな。ふははは!あの程度で泣き叫ぶとは、それでもサイヤ人なのか!」
腹を抱えて笑うアバランに対し、クリスは怖くて、そして何よりもラディッツがかわいそうで震えていた。

そして1分も経たないうちに、ラディッツが手術室から運び出された。
ラディッツは、激しい痛みと恐怖で気を失っていた。
アバランは、そんなラディッツの姿を見てさらに笑った。
クリスはアバランをキッと睨むと、ラディッツのもとに駆け寄ろうとした。
すると、医師達はクリスを引き止めた。
「いけません、皇子様。刺激すると、興奮して暴れ出すかもしれません」
そしてそのまま、廊下の奥へと消えて行った。
「ははは!無様だな、ラディッツよ。さて、そろそろギニューのところへ行くとするか」
笑い疲れたアバランは、機嫌良く去って行った。
クリスは、痛くて怖い思いをしたラディッツの事を想うと、胸が辛くなって仕方がなかった。
そして、すすり泣きをしながら歩み出した。
そんなクリスを、ベジータとナッパが遠くから黙って見ていた。
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