クリスがとぼとぼと歩いていると、ラディッツの悲鳴が聞こえた。
「ラディーの声だ！何かあったんだ！」
クリスは急いで声のする方向へ走り出した。

そこは手術室だった。よく見ると、ラディッツがレストレイナー、つまり治療用拘束器具で体を固定されていた。しかも戦闘力を無効にする装置を取り付けられている為、振りほどくことができない。
クリスはびっくりして、何がなんだか状況が読み込めない状態だ。
すると、クリスの隣に誰かが近づいてきた。
「…フッ、弱虫猿のお仕置きシーンを見にきたのか？」
彼の名前は、アバラン。黒い体表を持つフリーザ一族で、ザーボン、ドドリアと並ぶ幹部だ。
クリスとは幼なじみだが、性格は全くの正反対だ。
「そんな言い方はないでしょ！それに、なんでラディーがあんな事されてるの？」
クリスが言うと、アバランはニヤリと笑って言った。
「分からねぇのか？今からラディッツの体にチップを入れるんだぞ」
「チップ？！どういうこと？」
そう、ベジータ達には、行動を監視するチップを埋め込まれているのだ。戦い好きなサイヤ人であるが故に、勝手な行動や、万が一反乱を起こすのを防ぐためであるのだ。
ラディッツには既にチップが埋め込まれているはずだが、一体なんのチップを？クリスはアバランに言った。
「またチップを入れるって、一体どういうことなの？」
「それはわかんねぇ。だが貴重な瞬間だ、見てやるとするか…フフフ」

すると、ドリルのような機械音が響いたと同時にラディッツの断末魔が響いた。