Dear Saiyans 2話・掟破り

そんなある日、クリスはフリーザに呼ばれてフリーザの部屋に招かれた。
いつもは弟クリスには優しいフリーザだが、なぜか怒った表情でクリスを睨んでいた。
「兄さんが怖い顔してる?ぼく、何か悪いことしちゃったのかな?」
すると、フリーザはハッキリとした声で言った。
「…クリス、あなた、ラディッツさんと仲良くしているそうですね?」
クリスは冷や汗を流した。
「え、なんのこと?」
「とぼけたって無駄ですよ。それに、あなたがベジータさん達サイヤ人を気にかけている様子だと噂になっていますよ」
もはや誤魔化しようがない。クリスは思いきってフリーザに言った。
「兄さん、兄さんはベジータさん達のことを仲間だと思ってしているの?」
「そりゃそうですよ。我が軍にとってはなくてはならない部下なのですから」
「じゃあ、どうしていつも冷たくするの?食事をする時も呼ばないし、大変な仕事をして無事に帰ってきても、お疲れ様と言わないばかりか、ボロボロになったベジータさんをメディカルマシンで治さない。そんなのおかしいよ!」
クリスが怒ると、フリーザは笑って言った。
「これはいわゆる『愛の鞭』ですよ。ザーボンさんにドドリアさん、それにアバランさんのような優秀な部下になるには、どんな事をされても動じない心を持たなくてはならないのです。ましてやサイヤ人は気性が荒いから、このくらいはしなくてはね」
フリーザの勝手な発言に、怒りを隠せないクリス。
そんなクリスに、フリーザはピシャリと言った。
「でもいいですね?今後はベジータさん達と仲良くしたり、話し相手になってはなりません!さもないと掟破りとして、パパとママ、今は敵対してますがクウラ兄さんに報告させていただきますからね!」
クリスはショックを受けた。
クウラだけでなく、コルド大王とイアス王妃にこの事を知られたら、ただでは済まない。
「…どうして、こんなことに…」
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