Dear Saiyans 2話・掟破り

クリスはその日から、ラディッツの話し相手となった。もともとクリスが師匠と慕っていたバーダックの長男というだけあって、不思議と馬が合った。
そしていつしかクリスは、ラディッツの事を『ラディー』という愛称で呼ぶようになった。
「おはよう、ラディー!」
「え、ラ、ラディー?」
ラディッツは照れくさそうだ。
「だって、ラディーって呼んだほうが呼びやすいし、かわいいもん」
クリスは無邪気に笑って言った。
しかし、ラディッツも心底嬉しかった。こんなにも自分を想ってくれる人がフリーザ軍にいたとは、思いもしなかったのだ。それもあのフリーザの弟に。
それからも、クリスとラディッツは毎日会った。嬉しい時も悲しい時も腹立たしい時も…。
そしていつしか二人は仲良くなった。
クリスはまだ10歳で、ラディッツは30代目前。親子ほどの年の差だが、本当に仲良しだ。
クリスは、このままいけばベジータとナッパも一緒に助けることができる。彼らをフリーザ軍から解放する日も近いと思った。
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