Dear Saiyans 40話・ラディッツ覚醒!

だが、間一髪のところでラディッツはかわした。
「な、なんだと!?」
ピッコロはびっくりする間もなく、ラディッツは隕石のように上からドロップキックをおみまいした。
ピッコロはおもいっきり地面に叩きつけられた。
その時、ラディッツは大きな気弾を構えた。
「オレは、弱虫ラディッツじゃない…。バーダックの息子、カカロット…いや、孫悟空の兄、そして誇り高き全宇宙の強戦士族・サイヤ人のリーダーだ!」
そして、ラディッツはピッコロめがけて気弾を放った。

ーウェンズデーボンバー!!

その瞬間辺りは大爆発した。



幸いにも、ケガ人は出なかった。
やがて、爆発が収まり煙が晴れた。
爆発でできたクレーターに、ピッコロとラディッツが倒れていた。
「ラディー!!」
「ピッコロさん!!」
クリスと悟飯が駆け寄った。
二人は少し気を失っていたものの、すぐに目を覚ました。
しかし、二人ともボロボロな上にヘトヘトになり、動けなかった。
「…へっ、まさか、ここまでだったとは、思わなかったぞ…」
ピッコロがラディッツに言った。
「…お前こそ…、いつの間に、そんな力を…ぐうっ…!」
ラディッツは古傷の痛みで、眉間にシワを寄せながら言った。
「お前、古傷が痛むようだな…。デンデに頼んで、治してもらったらどうだ…?」
ピッコロが言うと、ラディッツは首を横に振った。
「…貴様のせがれに、治療してもらうなんざ、ごめんだ…」
「な!?ち、違う!何を言っているんだ!!オレとデンデは親子じゃないぞ!!」
ピッコロはびっくりして思わず立ち上がった。
「…なんだ、違うのか…。だが、この傷は残しておく…」
ラディッツは頭をかきながら言った。
「なんでなんだ?ピッコロの言う通り、古傷を治してもらったほうが楽になれっぞ?」
悟空がラディッツに言った。
「いいんだ。オレはフリーザ軍だった頃に、親父とお袋の言うことを聞かず、大勢の異星人達にひどいことをしたんだ。だから、その罪を忘れない為にも、この傷と付き合っていくことにしたんだ」
ラディッツは、古傷が刻まれたお腹に手を当てて言った。
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